NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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石川優駿1、2着馬が揃って出走してきた。勝ったビバロジータはレース後の疲れを心配していたし、ショウガマッタナシは目一杯の仕上げで臨んでいたにもかかわらず、中1週での出走は、牝馬同士で相手が楽になるということだろうか。2歳時から互いに重賞戦線でしのぎを削ってきた2頭は、ともにここまで重賞2勝で2着も複数回。この2頭を巡る争いと見ていいだろう。
石川優駿では直線で外からショウガマッタナシが抜け出して勝ったかと思ったところ、内を突いたビバロジータが差し切った。ただビバロジータは道中で他馬を気にするなど力を発揮できないときがあり、それゆえ勝つときは強いが負けるときはあっさりというタイプ。一方でショウガマッタナシはここまで15戦して3着以内を外したのは2歳時の11月、12月の2戦だけ。連軸としてはりショウガマッタナシが信頼できる。
3番手は、岩手から転入2戦目でこの2頭とは初対戦となるスノーミックス。岩手では牝馬同士の留守杯日高賞で3着があり、転入初戦は1番人気でアタマ差2着に負けたものの、1500メートル1分36秒3は不良馬場とはいえまずまずのタイム。
さらに4番手も2強と未対戦のエコロルキナ。名古屋から転入3戦目の1400メートル戦を6馬身差で圧勝。1400メートル良馬場の1分29秒9は好タイム。続く前走では8着惨敗だったが、スタートで後手を踏んで位置取りを悪くしたため度外視としていいだろう。
北日本新聞杯で3着、4着のエムティパル、ゴールドパースはどこまで差を詰められるか。
◎11ショウガマッタナシ
◯10ビバロジータ
▲9スノーミックス
△5エコロルキナ
△1エムティパル
△4ゴールドパース
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マッドルーレットは昨年船橋から転入して6戦、休養明けの2戦で調子を上げてきた。笠松のマーチカップでは後続を引き付けての逃げに持ち込むと、3コーナーから徐々に後続との差を広げ、メイショウタイセツに3馬身差をつけて逃げ切り。そして東海桜花賞では3コーナーからフークピグマリオンと馬体を併せての一騎打ちで惜しくもアタマ差2着に敗れたが、フークピグマリオンといえば昨年3歳年末に東海ゴールドカップを制し、名古屋グランプリJpnIIでも4着と見せ場をつくった実力馬。南関東時代も含めてこれまで全13勝のうち11勝を1500〜1700メートルでマークしていただけに、前走東海桜花賞(2100メートル)からの距離短縮はプラスといえそう。
転入初戦となるサンテックスは、船橋で重賞入着実績があり、前走高知の福永洋一記念でも3番手追走から直線前をとらえきれなかったものの差のない4着好走。その能力を発揮できればここでも勝ち負けまで。
メイショウタイセツは昨年中央未勝利から転入して12戦10勝。負けた2戦は笠松遠征の重賞で、マーチカップが前述のとおりマッドルーレットの2着で、飛山濃水杯が5着。名古屋コースではここまで無敗での重賞挑戦となる。
2022、23年に笠松グランプリ連覇のルーチェドーロは、前走オグリキャップ記念では強力遠征勢相手にそれほど差のない5着なら、ここでも上位争いは可能。
プリメイラも昨年中央未勝利から転入して13戦10勝。重賞初挑戦だった正月の名古屋記念が9着で、前走A1特別がメイショウタイセツの3着。ここで勝ち負けまではパワーアップが必要だが、連下争いなら。
昨年8番人気でこのレースを制したロードランヴェルセは、休養明け後のここ3戦、特別戦で上位争いはしており、再度の穴候補となりそう。
◎12マッドルーレット
◯6サンテックス
▲9メイショウタイセツ
△3ルーチェドーロ
△11プリメイラ
△5ロードランヴェルセ
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オケマルはデビューから6連勝、重賞4連勝で菊水賞を勝利。デビュー3戦目のネクストスター園田までは2着馬とのタイム差が1秒以内で、しかも接戦もあった。しかし2歳年末の園田ジュニアカップ以降の3戦では2着に1秒以上の差。数字が示すだけでなく、見た目のレースぶりでも一戦ごとに力をつけているのは明らか。菊水賞でもほとんど追われることなく2着ベラジオドリームに8馬身差、3着馬にはさらに5馬身差がついた。22日には高知でジュゲムーンが危なげなく二冠を制したが、オケマルにとってもここはまだ通過点といえそう。
相手筆頭はキミノハート。2歳時には兵庫ジュベナイルカップで2着があったが、その後の重賞では着外続き。しかし4月22日には3歳A一特別を5馬身差で逃げ切り圧勝。その1700メートルの勝ちタイム1分54秒1は、菊水賞なら2着に入っているタイム。続いて西日本クラシックも逃げ切った。ここに来て確実に力をつけた。
ベラジオドリームは2歳時門別の重賞で2着2回。兵庫移籍後、特別戦では3連勝も、兵庫若駒賞、菊水賞ではオケマルの高い壁に跳ね返された。笠松に遠征したぎふ清流カップでも逃げて直線まで先頭だったが、名古屋のケイズレーヴに直線とらえられて3/4馬身差で2着。重賞では常に何か強敵がいて、これまで2着4回、3着1回と惜しいところでタイトルに手が届いていない。今回はさらなる距離延長が課題となりそう。
エイシンハリアーは、佐賀に遠征したネクストスター西日本では、前述した高知・ジュゲムーンに2馬身差2着。兵庫チャンピオンシップJpnIIでは地元馬最先着の6着。距離経験は1500メートルまでで、この馬も一気の距離延長に対応できるかどうか。
ジーニアスレノンは、兵庫若駒賞、菊水賞でオケマル相手に2着、3着だが、ともに2秒以上の大差。ここでも連下争いなら可能。
ラピドフィオーレは、2歳時のネクストスター園田ではオケマルに半馬身差2着と、これまで実戦でオケマルにもっとも迫った馬。一時期落ち込んだが、兵庫ユースカップではエイシンハリアーにクビ差まで迫り、ぎふ清流カップでも2着ベラジオドリームに次ぐ3着と、ここに来て復調なのか、成長がうかがえる。
◎6オケマル
◯1キミノハート
▲5ベラジオドリーム
△8エイシンハリアー
△12ジーニアスレノン
△9ラピドフィオーレ
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高知移籍後、南関東遠征のダートグレードで2戦連続5着と好走したジュゲムーンは、その後3連勝。高知での初戦は古馬C2戦だったが、3馬身差をつけて負かした相手は中央オープン実績のあるピンシャン。そして佐賀に遠征したネクストスター西日本では断然人気にこたえて完勝。黒潮皐月賞は3番手から4コーナー手前で先頭に立つとほとんど追われることのないまま楽勝だった。今回1900メートルの舞台も、全日本2歳優駿JpnIで1600メートル、ブルーバードカップJpnIIIで1800メートルを経験していれば問題ないだろう。
相手は、前走1800メートルの山桃特別で半馬身差の接戦を演じたヤマノアシオト、ユラリユラメイテ。1400メートルの黒潮皐月賞はそれぞれ5着、3着だったが、ともに1600メートル以上で好成績を残しているだけに、今回の距離延長は条件好転。1月には1900メートルの中央との条件交流、竜頭盃で2着もあるヤマノアシオトを上にとった。
その竜頭盃で直線追い比べとなってヤマノアシオトを競り落としたのがリューノス。ここ3戦は差のある敗戦が続いているが、長く脚を使った竜頭盃と同じ1900メートルの舞台で巻き返しを期待したい。
金の鞍賞を制し、黒潮皐月賞で2着だったリケアマキアートは一気の距離延長でどうか。
山桃特別で3着だったオリーブブランチは、そのとき3キロあった減量が今回なくなるのは条件的にかなり厳しくなる。
ミラクルドリームは距離延長は不安材料となるが、デビューした門別時代も含めてここまで16戦して3着以内を外したのは3回だけ。1600メートルの仙台屋桜特別で2着ユラリユラメイテに1馬身差3着、オリーブブランチに先着という実績なら連下争いの可能性はある。
◎12ジュゲムーン
◯2ヤマノアシオト
▲3ユラリユラメイテ
△7リューノス
△8リケアマキアート
△1オリーブブランチ
△9ミラクルドリーム
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実績最上位はポマイカイ。これまで3着以内を外したのは2歳時の若鮎賞と、圧倒的に強い北海道勢が上位独占したネクストスター北日本だけ。そして1400メートル戦で連対を外したのはそのネクストスター北日本だけ。ならばポマイカイを中心としたいところだが、今回は別定2キロ増の58キロはいかにも厳しい。
そこで期待は牝馬のピカンチフラワー。冬季の南関東移籍から戻ってあやめ賞を勝ち、前走イーハトーブマイルでは、早め先頭のユウユウコラソンに真っ向勝負を挑んで2着に食い下がった。距離1400メートルに戻って能力を発揮する。
あやめ賞でピカンチフラワーにアタマ差2着だったのがステイクラッシー。イーハトーブマイルでも2着ピカンチフラワーに次ぐ3着だった。2頭の間にそれほど能力差はなく、ポマイカイより4キロ軽い54キロでの出走なら勝負になる。
前述のとおり58キロを背負うポマイカイは、この牝馬2頭に次ぐ3番手評価。
リュウノドラゴンは、イーハトーブマイルでは7着だったが、続く前走の3歳条件戦で8馬身差の圧勝。水沢1400メートル(良)の勝ちタイム1分29秒0は、シーズン再開の3月以降ではメンバー中最速のタイム。力をつけた可能性はある。
リュウノナポレオンは、2走前の盛岡1400メートル戦で、のちに東北優駿で2着に好走するサンロックンロールにクビ差2着、3着馬には9馬身差をつけた。ここまで2勝は水沢1400メートルでのものだけに侮れない。
◎3ピカンチフラワー
◯10ステイクラッシー
▲6ポマイカイ
△5リュウノドラゴン
△2リュウノナポレオン
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