
昨年は高知から大挙4頭(ほかに笠松1頭)の遠征があってシンメデージーが制したが、今年は遠征馬が笠松から1頭のみ。
ジーニアスレノンは、兵庫若駒賞、菊水賞で2着、3着。一戦ごとに力をつけていまや兵庫の世代最強となったオケマルには完敗だったが、兵庫若駒賞では3着ベラジオドリームを10馬身引き離し、菊水賞では逆に2着ベラジオドリームに5馬身差をつけられた。いずれにしてもそのうしろの馬たちとは差があり、兵庫の3歳世代のナンバー2、3を争う存在。オケマル不在のここはタイトル奪取のチャンスだ。
ラズライトタッカーも、園田ジュニアカップ3着、兵庫ユースカップ3着(同着)と重賞で善戦。姫路1800メートルの若駒賞トライアルではベラジオドリームに2馬身半差2着と好走。今回は約3カ月の実戦だが、この馬もオケマル不在なら重賞を狙える位置にいる。
笠松から遠征のスターサンドビーチは、重賞では4着が最高の成績だが、前走準重賞の笠松プリンシパルカップ(1900メートル)では3コーナー先頭から、2着馬に4馬身、3着馬には大差をつけて圧勝。ほぼ同じ距離の今回も引き続いての期待だ。
中央未勝利から転入したピコブルーは3歳の条件特別までだが、4戦2勝、2着2回。前走1700メートル(良)の勝ちタイム1分54秒6は、ジーニアスレノンの菊水賞3着の走破タイムを上回る。相手強化でも可能性はありそう。
前走1700メートルの卯月特別を逃げ切ったキミノハート、今回と同距離の中央未勝利との条件交流で2着2回のレイヤーなどもそれほど能力差はない。
◎1ジーニアスレノン
◯7ラズライトタッカー
▲3スターサンドビーチ
△2ピコブルー
△6キミノハート
△4レイヤー
西日本クラシックの出走表はこちら
好走凡走の落差が大きいセラフィックコールだが、負けたのはすべてGI/JpnI。JpnIIのダイオライト記念を連覇した。小回り長距離戦の末脚勝負というタイプで、前走ダイオライト記念がそうだったように、メイショウフンジンが引っ張る展開で、今回も得意のロングスパートを活かせそう。
GI/JpnIタイトルには手が届いていないものの、実績最上位といえるのがサンライズジパング。ただ前走川崎記念JpnIでは、小回りのコーナーに苦戦して、ディクテオン、メイショウハリオの早めのスパートについていくのに苦労した。それでも直線で盛り返し、際どい3着まで追い詰めた。今度は名古屋の小回りコースをこなせるかどうか。
連覇のかかるノットゥルノは、昨年後続を大きく離しての大逃げでそのまま押し切り、昨年末の名古屋大賞典JpnIIIでも60キロを背負って際どい2着。名古屋コースとの相性は抜群だ。JpnI勝ちの実績で今回も59キロを背負うが、JpnIIゆえ基礎重量が57キロと、相対的な重量差が少ないのは有利。あとはメイショウフンジンに競りかけるのか、佐賀記念のように控えるのかでレース全体の展開を左右することになりそう。
高知のシンメデージーは、名古屋大賞典JpnIIIでは2着ノットゥルノに3/4馬身差と迫って3着、佐賀記念JpnIIIではゴール前でノットゥルノをとらえて2着。ただその2戦でノットゥルノとの斤量差がそれぞれ6キロ、4キロあったものが、今回2キロ差に縮まることでどうだろう。
ハギノアレグリアスは前走の惨敗は熱中症の症状があったとのこと。それを度外視すれば、実績的にはそれほど見劣ることはない。一昨年の名古屋大賞典JpnIIIを勝ったというコース実績もあり、軽視はできない。
メイショウフンジンは佐賀記念JpnIIIのようにマイペースで逃げられればチャンスはありそうだが、今回はノットゥルノが得意の名古屋コースでそれを許すとは思えず苦戦とみる。
地元期待のフークピグマリオンはダートグレード初挑戦。別定57キロでさすがにこのメンバーでは掲示板があれば上出来だろう。今後の経験になれば。
◎6セラフィックコール
○5サンライズジパング
▲10ノットゥルノ
△7シンメデージー
△11ハギノアレグリアス
△8メイショウフンジン
名古屋グランプリの出走表はこちら
コパノエミリアは中央から移籍初戦となった東海クイーンカップを制した。先行2頭前残りの展開ながら、徐々に位置取りを上げて3コーナー手前で先行勢のうしろにとりつくと、直線で力強く差し切った。2歳時は門別→笠松で重賞・準重賞を5戦して2着2回、3着3回。中央に移籍してダート3戦いずれも着外だったが、厳しい相手と対戦して力をつけての重賞初勝利となった。2歳時門別で牝馬限定戦とはいえ重賞で好走していた実績はダテではない。
カワテンマックスはデビューから4連勝。ゴールドウィング賞が2着アップショウグンに1馬身差、新春ペガサスカップはゴール前で迫ったページェントをクビ差で振り切った。そのページェントも重賞3勝を挙げているだけに、東海地区のこの世代では間違いなくトップレベルにある。今回はその新春ペガサスカップ以来4カ月ぶりの実戦でどこまで仕上がっているか。成長があればあっさりというシーンも。
サンヨウテイオウは、2月のスプリングカップまで名古屋・笠松で重賞を5戦して目立った成績はなかったが、その後は特別戦を3連勝と急上昇。特に前走は古馬格付けのB級特別を直線持ったまま抜け出して着差以上の完勝。この3カ月ほどで見違えるほど力をつけた。その前走は2000メートルで、距離延長で力を発揮したと思われ、東海優駿に向けて台風の目となる可能性もある。昨年デビューした望月洵輝騎手はここまで1年ちょっとで、すでに150勝超。重賞初制覇の期待がかかる。
ラガマフィンガールは、東海クイーンカップではコパノエミリアの3着も、中央未勝利から転入して4戦3勝。カムイノウタゲもスプリングカップ5着のあとは3歳1組の特別戦で勝ちきれないながら2着・3着と上位争い。この2頭も上位食い込みの可能性。
◎11コパノエミリア
○1カワテンマックス
▲2サンヨウテイオウ
△3ラガマフィンガール
△6カムイノウタゲ
駿蹄賞の出走表はこちら
園田で走るのは一昨年9月の園田チャレンジカップ以来となるイグナイター。前走リヤドダートスプリント11着は度外視として、昨年のJBCスプリントJpnIは4着だったが、先行2頭が共倒れという展開で、その2頭を追走する3番手から勝ちに行く競馬をして、差してきたタガノビューティーに0秒4差。負けたとはい衰えはないことを示した。さすがにこのメンバーにはいると役者が違う。これといった逃げ馬がいないので、スピードの違いで逃げ切りもある。
相手は悩むところだが、オマツリオトコとした。中央時代にも出遅れが目立っていたが、転入初戦は大きく出遅れて見せ場をつくれず。2走目の前走もタイミングが合わない感じで後方からとなり、それでも4コーナー中団から追い込み、逃げ切ったフクノユリディズに1馬身1/4まで迫った。スタート次第という面はあるものの、イグナイターを追いかけず、むしろ中団〜後方からマイペースで運んで末脚を発揮すれば結果はついてくる。
スマートラプターは中央3勝クラスから転入して2連勝。前走は好位から4コーナー内をうまく立ち回り、2着かという場面があっての4着。2着オマツリオトコとは1馬身+クビ差。良馬場1分29秒9というタイムは、イグナイター以外のメンバーとなら勝負になる。
エコロクラージュは、昨年10月の兵庫ゴールドカップが3歳時以来の重賞勝利で、2走前の兵庫ウインターカップは、北海道から遠征のスペシャルエックスにクビ差2着。直線、前がカベになって外に持ち出す一瞬のロスがなければ勝っていたかもしれない。地元馬同士なら当然上位争い。
イグナイター以外のここまで3頭は展開次第で順序付けは難しい。
昨年のこのレースでタイガーインディの2着だったのがドンカポノ。その後も1400メートルの特別戦では4戦2勝、2着2回と崩れていない。相手強化の休み明け2戦目でどこまでやれるか。
◎6イグナイター
○3オマツリオトコ
▲10スマートラプター
△4エコロクラージュ
△5ドンカポノ
兵庫大賞典の出走表はこちら
ジュゲムーンがいよいよ高知で同世代との対戦。門別4勝の実績で移籍し、全日本2歳優駿JpnI、ブルーバードカップJpnIIIでともに5着はインパクト大。その2戦で先着された地方馬は、NARグランプリ2歳最優秀牡馬ソルジャーフィルド、平和賞を制したウィルオレオールという全国クラスの活躍馬。その2頭は5月1日の門別・北斗盃で一騎打ちを演じ、ソルジャーフィルドがアタマ差で制した。ここまで唯一高知で出走した古馬C2戦も完勝。今回のメンバーで古馬C3を勝った馬はいるが、C2を勝っているのはこの馬だけ。そして佐賀に遠征したネクストスター西日本でも、兵庫ユースカップを制していたエイシンハリアーを寄せ付けず2馬身差で逃げ切り完勝。3着馬には7馬身差をつけた。いよいよ高知でタイトル奪取だ。
相手筆頭にはトサノマイヒメを挙げる。佐賀に遠征したフォーマルハウト賞、地元の土佐春花賞と重賞2勝。デビュー戦の800メートル戦を除けば、前走東海クイーンカップが初めての大敗。前を射程にとらえながら追走していたものの3コーナーから追い通しになってしまった。1600メートルの土佐水木特別でも2着とはいえ、勝ったリケアカプチーノに5馬身差をつけられており、1400メートルまでなら能力上位とみる。
2歳時にネクストスター高知を古馬並みのタイムで圧勝し、デビューから4連勝としたドライブアウェイは、この世代では圧倒的な存在かに思えた。ところが金の鞍賞を出遅れで取りこぼし、兵庫クイーンセレクションは圧勝したものの、ル・プランタン賞で2着に敗れたことで評価が難しくなった。それが距離だとするなら、あらためて1400メートルでどんな競馬を見せるか。
中央未勝利との交流・竜頭盃を制して古馬C3戦も勝ったリューノス、金の鞍賞を制したリケアマキアート、同2着のヤマノアシオトなど、高知のこの世代は役者揃いだ。
◎10ジュゲムーン
○2トサノマイヒメ
▲4ドライブアウェイ
△1リューノス
△7リケアマキアート
△6ヤマノアシオト
黒潮皐月賞の出走表はこちら