NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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ユラリユラメイテは、高知三冠+西日本3歳優駿すべてで逃げて、3、2、4、3着と好走してきた。それらのレースで先着された有力馬は今回ほとんどが不在となって、唯一出走しているのが、黒潮菊花賞で11番人気ながら3着だったミラクルドリームだけ(ユラリユラメイテは4着)。前走1800メートルの月見台特別では古馬相手に8カ月ぶりの勝利。今回、初対戦の馬たちとのハナ争いがどうなるかだが、強敵不在のここは重賞制覇のチャンスが巡ってきた。
相手筆頭は、新興勢力のフーイナム。中央では7着が最高という成績だったが、初戦3歳条件戦では逃げて大差圧勝。続く1600メートルの古馬C3戦ではスローな流れを2番手から3コーナー過ぎで先頭に立って楽勝。そのとき稍重でマークした勝ちタイムが1分47秒5。このレースの過去2年は、ユメノホノオ、シンメデージーという全国レベルの馬が勝っていて、しかも不良馬場で1分43秒、44秒という勝ちタイムだったが、それ以前は1分46秒台。前述のとおり今回は世代一線級の馬が抜けたメンバーで、タイム比較でも少しの上積みがあれば勝負になる。
前述のとおり黒潮菊花賞3着だったミラクルドリームは、今思えば11番人気は不思議なほど人気がなかった。中団前にいたジュゲムーンを追いかけるように進出し、2着ジュゲムーンに1馬身差でのゴール。その後も古馬C級で好走しており、今回のメンバーなら実績的にも見劣らない。
リューノスは3歳重賞では結果が出なかったものの、その後C級古馬格付の1300/1400メートル戦で3戦連続連対中。1月には1900メートルの中央との条件交流を勝った経験があり、1600メートルの距離も問題ない。
高知優駿3着だったヤマノアシオトは、その後大井や佐賀への遠征で結果が出ていないが、強敵相手の経験は生かされるはず。
オリーブブランチはキャリア18戦で未勝利だが、高知優駿4着、西日本3歳優駿5着。強敵が抜けて単純に順位が繰り上がれば、馬券圏内の可能性はある。
◎1ユラリユラメイテ
◯7フーイナム
▲4ミラクルドリーム
△2リューノス
△3ヤマノアシオト
△9オリーブブランチ
土佐秋月賞の出走表はこちら

連覇を狙うアエノブライアンは引き続き好調。昨年春に大井から転入して以降、連対を外したのは2回だけ。ともに1750メートル戦で、短距離系の馬が台頭した。転入後、重賞では3勝、2着4回で、その2着に負けたときの勝ち馬はいずれも今回不在。2500メートルの舞台なら連覇濃厚といえそう。
ベルノレイズは中央未勝利からの転入で1400、1800、2000メートルと3連勝で底を見せていない。前走国見岳特別の2分12秒1は平凡な勝ちタイムだが、中央時代は芝2000メートル以上で2着、3着の好走があり、すでに佐賀のダートへの適性は示しているだけに、長距離の舞台ならあっと言わせる場面はあるかもしれない。
コスモファルネーゼは、前走国見岳特別ではベルノレイズの3着だったが、今年佐賀スプリングカップ2着、九州チャンピオンシップで3着など中距離重賞での好走があり、能力は上位。
フレイムソードは昨年、下級条件から連戦連勝で臨んだこのレースで3着。その後はA2の一般戦を勝ったのみで目立った実績はないが、佐賀では年に一度の特異な距離だけに、この舞台で能力発揮という可能性はある。
ダノンターキッシュはここ2戦は差のある敗戦だったが、佐賀王冠賞では2着アエノブライアンに1馬身差3着、九州チャンピオンシップでも4馬身差をつけられたとはいえアエノブライアンの2着で、復調なら上位争いも。
◎4アエノブライアン
◯7ベルノレイズ
▲2コスモファルネーゼ
△3フレイムソード
△8ダノンターキッシュ
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ばんえい大賞典、そして前哨戦の秋桜賞まで6連勝と好調のスターイチバン。それでいて別定重量ではキョウエイエースより30kg、スーパーシンより10kg軽い710kgは有利。障害も安定しているだけに二冠達成濃厚と見る。
スーパーシンはゴール前で甘くなるのが課題。ばんえい大賞典ではスターイチバンを一旦はとらえたかと思ったところゴール上で止まってしまった。そして秋桜賞ではゴール線上で転倒して競走中止。今回はその秋桜賞から30kg増量の720kgとなってどうかだが、土日とも予報では傘マークがあり、馬場が軽くなれば押し切れる可能性はある。
ここにきて見せ場十分のレースを続けているのがウンカイダイマオー。ばんえい大賞典は5着だったが障害は先頭で越えており、秋桜賞でも障害先頭から最後は一杯になりながらスターイチバンの2着。ペースと障害のタイミング次第で一発はあるかもしれない。
この世代唯一オープン格付のキョウエイエースは740kg。過去10年、2019年にメムロボブサップ、2022年にキングフェスタが、ともに730kgのトップハンデで勝っているが、740kgとなると2020年にコマサンダイヤが7番人気で6着があるだけ。その重量設定ではさすがに厳しく、連下まで。
690kgのラポピージュニア、ホクセイテンリュウまで印をつけたが、勝負は上記4頭だろう。
◎6スターイチバン
◯8スーパーシン
▲2ウンカイダイマオー
△3キョウエイエース
△9ラポピージュニア
△1ホクセイテンリュウ
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ヒロシクンは今シーズンも好調で、みちのく大賞典では3歳のリケアカプチーノに負けたとはいえハナ差で、3着ミニアチュールには9馬身差をつけた。あと負けたのはメイショウフンジンに突かれてハイペースとなったマーキュリーカップJpnIIIだけ。今回、ほかにハナを主張してきそうなメンバーもおらず、リケアカプチーノも不在となれば、ここはマイペースでの逃げ切り濃厚といえそう。
相手筆頭は、中央時代の2021年以来、4年も勝ち星から遠ざかっているが、シンヨモギネスに期待。中央2勝クラスで頭打ちになり、川崎を経由しての転入。岩手では、1000メートルのスプリント特別を参考外とすると、1600メートルのA1またはオープン特別で2着3回。その後、青藍賞ではヒロシクン、フジユージーンに続く3着。中央時代の3着以内16回のうち14回が1700/1800メートルで、あとの2回も1600と1900メートルだけに、1800メートルは条件好転といえそう。
ライアンは昨年秋以降、勝つか4着以下かという極端な成績。大晦日の桐花賞は逃げたヒロシクンに厳しい展開となって、ゴール前の接戦を制した。展開次第で勝ち負けまで狙える。
ヘリオスは高知から転入3戦目に、今回と同じ舞台のあすなろ賞を制した。4コーナー手前でミニアチュールと馬体を併せるように先頭に立つと、直線の追い比べではミニアチュールを振り切って2馬身半差をつけた。それ以外もダートグレードを除けば、栗駒賞、シアンモア記念、青藍賞はいずれも4着と、地元馬同士なら崩れていない。この馬も展開次第の面はあるが、9歳でもまだまだ元気だ。
ここ3戦ダートのマイル戦で連続連対と好調のスズカゴウケツ、大井から転入して7着のあと7戦6勝、2着1回と着実にクラスを上げてきたラストマンらも上位食い込みの可能性。
ミニアチュールは今シーズンの勝ち星は牝馬同士のフェアリーカップだけ。シアンモア記念、みちのく大賞典での3着があるが、ともにヒロシクンとは差があり、昨年ほどの勢いにはないとみて見送る。
◎10ヒロシクン
◯11シンヨモギネス
▲4ライアン
△2ヘリオス
△3スズカゴウケツ
△7ラストマン
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