
遠征馬が4連勝中と、近年地元勢は分が悪いこのレースだが、今回は底を見せていないヴィーリヤに期待する。中央未勝利からブランクがあって今年兵庫で下級条件から6連勝。前走競走除外は気になるところだが、A2B1特別はややメンバーが軽い5頭立てとはいえ、直線でもまったくの持ったままで7馬身差圧勝。良馬場の1400メートル1分29秒3も好タイム。今回は距離延長の1700メートルとなるが、そのレースぶりからマイル前後の距離までならこなせそう。
もう1頭、期待したいのは大井のキガサ。中央在籍時の2勝はいずれも大井での条件交流で、大井移籍後は勝ち星こそないものの、6戦して2着1回、3着4回。前走牝馬の準重賞では、昨年の関東オークスJpnIIで2着という実績のミスカッレーラに3/4馬身差2着。中央時代から1800メートルを中心に使われているだけに距離にも不安はない。遠征で重賞を勝ちまくる鞍上にも期待だ。
プリムロゼは重賞では運に恵まれずこれまで2着3回。前走1400メートルのB1特別は稍重ではあるもののヴィーリヤを上回る1分28秒8の好タイム。近走は1400メートルを中心に使われているが、昨年は1700メートルの園田オータムトロフィーで牡馬相手に2着の好走。距離にも対応できそう。
グレースルビーは、昨年春に遠征で牝馬重賞を連勝し、グランダム・ジャパン古馬春シーズンで2位。古馬秋シーズンでは、このレース3着に、名古屋の秋桜賞でも3着と善戦まで。その後は4着が最高と結果が出ていないが、特別戦でも重賞常連というメンバーが相手では厳しく、年末の東京シンデレラマイル5着はむしろ評価できる。近走の着順の数字が目立たないだけに、人気がなければ馬券的におもしろそう。
3走前の川崎で牝馬・準重賞3着があるメランポジューム、重賞初挑戦でコウノトリ賞を制した地元のラヴィアンらも上位を狙えそう。
◎7ヴィーリヤ
◯11キガサ
▲9プリムロゼ
△6グレースルビー
△4メランポジューム
△2ラヴィアン
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これまでも読売レディス杯のトライアルとして準重賞で行われていた金沢クイーン賞だが、今年から重賞に格上げされ、第1回として行われる。
お松の方賞1〜3着の4歳馬がいるものの、それらの馬とは未対戦のシスターアクト、ホウオウジュレップを狙ってみたい。
シスターアクトは大井のB3で頭打ちという成績だったが、金沢移籍後はA2〜A1の特別戦を4戦して、1700メートルで3着以内が3回。1400メートル戦では流れに乗れず9着に負けているだけに今回の1500メートルがどうかだが、2走前の良馬場1700メートル1分48秒4、前走の不良馬場1700メートル1分47秒0という走破タイムを評価するなら、重賞初挑戦でもチャンスありと見る。
ホウオウジュレップは、昨年金沢在籍時にC級からA2特別まで勝って7勝をマーク。冬期は大井で3戦し、今年開幕とともに金沢に戻ってB級から再びA2特別まで6戦してすべて3着以内。昨年の読売レディス杯は9着だったが、遠征勢が上位を独占し、あのハクサンアマゾネスが3着だったというメンバー。今回、地元の牝馬同士なら勝負になりそう。
前述のとおり、お松の方賞で1〜3着のハリウッドスマイル、リケアマロン、ポンヌフは挑戦者の立場。
ダイヤモンドラインは昨年以降は2勝を挙げたのみで勝ちきれないレースが多いものの、百万石賞2着、今年の利家盃3着など重賞でも上位争いの実力。長距離での活躍が目立つが、昨年末の金沢ファンセレクトカップ(1500メートル)では重賞5勝のオヌシナニモノに1馬身半差2着があり、牝馬同士のここなら当然上位争い。
◎2シスターアクト
◯5ホウオウジュレップ
▲7ハリウッドスマイル
△8リケアマロン
△9ダイヤモンドライン
△6ポンヌフ
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このレースが地方全国交流となった2018年以降の7回で、南関東4勝、北海道2勝で、地元岩手は2020年にエイシンハルニレが制したのみだが、それにしても名古屋からの転入3戦目だった。その後の4年間では地元岩手所属馬は3着が2回だけと苦戦している。今回も南関東、北海道からの遠征勢が強そうだ。
大井のキエティスムは北海道所属として出走した盛岡・ジュニアグランプリが5着だったが、大井移籍後は1200メートルのみを使わて2勝。前走の勝ちタイム1分12秒2は、重馬場とはいえ重賞レベル。交流となって以降、地元岩手は1勝と書いたが、岩手所属騎手は4勝。遠征有力馬に地元騎手が騎乗することもめずらしくなく、山本政聡騎手は2022年に浦和のスターオブケリーで制している。
2番手評価も大井のヨシノダイセン。デビューから短距離のみを使われ1200メートルで2勝。前走優駿スプリントトライアルは、本番の優駿スプリントに向けて有力馬が出走するだけに、そこでの4着は評価できる。キエティスムの1分12秒2は破格だが、この馬の1分13秒1も優秀なタイム。
北海道のトレヴェナは、ここまで12戦して1勝のみだが、3着を外したのが2回のみ。重賞では他地区遠征も含めて2着・3着が2回ずつ。そのうち2着2回が門別の1200メートル戦だけにこのメンバーなら能力上位。山本聡哉騎手は、交流になって以降、船橋、岩手、北海道の馬で計3勝を挙げている。
もう1頭北海道のエターナルウインドには期間限定騎乗を延長した船橋の山本聡紀騎手。門別では1200メートル以下のみを使われ、3勝はいずれも2歳時だが、2走前の古馬B3B4特別(1000メートル)でクビ+クビ差の3着は評価できる。
地元岩手勢では、1400メートルの重賞2勝を挙げているポマイカイが上位食い込みを狙う。イーハトーブマイルを制したユウユウコラソンは久々の1200メートルがどうか。
◎9キエティスム
◯6ヨシノダイセン
▲11トレヴェナ
△8エターナルウインド
△7ポマイカイ
△10ユウユウコラソン
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昨年の盛岡は度重なる悪天候にたたられ、走路状況悪化により7月下旬以降芝のレースが行われず、予定されていた芝重賞もダート変更で行われた。それゆえ芝のレースは昨年7月21日に行われた、いしがきマイラーズ以来、1年近くぶりとなる。そしてこのサファイア賞は、昨年まで芝2400メートルで行われていたが、今年は芝1700メートルに距離短縮となった。
昨年予定されていた芝の2歳戦も7月14日に新馬戦がわずかに1レース行われたのみで、盛岡の芝を経験しているのは、そのレースを勝ったエイシンダリアだけ。同馬も含め中央で芝を経験した馬がちょうど半数の6頭というメンバー。
そのなかで、芝でもダートでも実績上位なのがゲレル。中央では勝ち上がれなかったものの、札幌芝1500メートルの未勝利戦で0秒2差の3着、0秒3差の5着という惜しいレースをしていた。3歳になって岩手の冬季休催明けとともに転入すると4連勝。5連勝を狙った前走は6着に敗れたが、スタートでトモを落として出遅れ、最初のスタンド前では1頭だけ最後方に置かれてしまっただけに参考外としていいだろう。
岩手デビューのフタイテンホイールは昨年秋に移籍した中央では1勝クラスで結果を残せなかったが、それでも3歳の特別戦やオープンで勝ち馬と1秒ちょっとの差で走ってはいた。岩手に戻っても4着が最高という成績だが、重賞を中心に使われているだけに、今回のメンバーに入れば能力上位。中央の芝で厳しいペースで揉まれた経験を生かせれば勝ち負けまである。
ラヴェイは2歳の北海道所属時に札幌・クローバー賞に挑戦して8着。その後岩手に転入して2勝、2着2回という成績があるが、いずれも水沢のダート。盛岡の芝で能力を発揮できるかどうか。
アイヨトワニは中央で5戦し、そのうち芝での2走がともに勝ち馬と1秒以内の差。岩手転入初戦こそ7着だったが、その後の7戦はすべて3着以内の好走。今回は相手強化となってどこまでやれるか。
ユウユウスプレマンは芝未経験だが、2走前のイーハトーブマイルでメンバー中最先着の4着は評価できる。
冒頭のとおり、この世代で2歳時に唯一盛岡芝で勝利を挙げているエイシンダリアだが、その後のレースぶりからは押さえまで。
◎7ゲレル
◯8フタイテンホイール
▲9ラヴェイ
△5アイヨトワニ
△10ユウユウスプレマン
△2エイシンダリア
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