昨年はデビューから10連勝で間違いないと思われたキョウエイリュウが、まさかの第2障害を越えられず競走中止という波乱。今年は確たる中心馬不在の混戦。これはいらないと思える馬が1頭もいないメンバー。
そんなときは素質馬・実績馬から狙ってみる。能検一番時計だったアルジャンノオーは、青雲賞までは順調に勝ちまくったが、ナナカマド賞でまさかの9着。しかし人気を落としたヤングチャンピオンシップできっちり勝ちきった。その後はハンデもあって成績が残せていないが、定量の大一番で能力を発揮すると見る。
ここに来ての急上昇がタカナミ。翔雲賞での障害を越えてからの軽快な走りが圧巻だった。
青雲賞、ナナカマド賞、ヤングチャンピオンシップでいずれも2着だったネオキングダムも実力は上位。
近走が冴えないアバシリサクラだが、ナナカマド賞での勝利を評価。金田騎手の10kg減も大きい。
もう1頭、ここに来ての急上昇がオーシャンウイナー。クラスを上げてもまったく引けをとらず、近4走、3勝2着1回でA-1まで勝ちきった。
ヤングチャンピオンシップ、翔雲賞でともに3着のカイセキングオーも侮れない。
◎7アルジャンノオー
○4タカナミ
▲6ネオキングダム
△3アバシリサクラ
△2オーシャンウイナー
△10カイセキングオー
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地方の小回り1400メートルのスペシャリスト、サクセスエナジーに期待する。ここまで重賞5勝は、すべてコーナー4つのこの条件。58キロという斤量も一昨年のこのレースを制したときと同じだし、昨年末には兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIを58.5キロのトップハンデで制した。さらに3〜5月に好成績を残しているという時期的なこともある。2018年の4歳時はかきつばた記念JpnIIIからさきたま杯JpnIIを連勝。19年は黒船賞JpnIIIを勝ってさきたま杯JpnIIで2着。昨年はコーラルS2着のあと、59キロを背負った天王山S、栗東Sを連勝している。前走フェブラリーS(15着)はこの馬に合う条件ではなく、度外視でいいだろう。
スリーグランドは、川崎の条件交流で初勝利を挙げて以降は掲示板を外さない堅実な成績。前走バレンタインSを逃げ切ってオープン初勝利を挙げた。父がシニスターミニスターで、ヒガシウィルウィンの半弟というグランド牧場血統ということでは、地方の小回りコースもこなせるのではないか。
モジアナフレイバーは、一昨年の東京大賞典GI、昨年の南部杯JpnIでともに3着など、能力ではまったく見劣りはしない。ただ、1400メートルが初めてというだけでなく、小回りコースも初めてなのはどうだろう。ただ、日本レコードでの決着となった昨年の南部杯JpnIでコンマ3秒差なのだから、速い流れにも対応できそう。
テイエムサウスダンも父がサウスヴィグラスでグランド牧場の生産。2歳時には兵庫ジュニアグランプリJpnIIを制しており、地方の小回りコースへの対応も問題ない。すばるステークスを勝って確実に力をつけた。
ノボバカラは昨年のさきたま杯JpnIIを制して衰えのないところを見せた。しかしそこでJpnIIを制したことでの今回別定58キロがどうだろう。
◎1サクセスエナジー
○7スリーグランド
▲8モジアナフレイバー
△11テイエムサウスダン
△9ノボバカラ
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地方全国交流だが、近年の遠征馬はほとんどが兵庫か高知。なかでも兵庫所属馬は過去5年で3勝。3着内馬15頭中6頭が兵庫だった。
今年も兵庫から2頭が遠征。エイシンニシパは昨年こそキングプライドの2着に敗れたが、このレース3勝目がかかる。年末の園田金盃ではジンギに完敗だったが、ジンギといえば11日の名古屋大賞典JpnIIIでは、勝ったクリンチャーは別格としても、それ以外の中央勢とは互角に戦って4着。その馬に負けたのなら仕方ない。年明けの新春賞では際どい勝利だったが、トップハンデ57.5キロを考えれば、8歳では衰えはないと考えてよさそう。地元勢の中心的存在グレイトパール、ウノピアットブリオらが本来の調子でないとすれば、エイシンニシパにはこのレース3勝目の可能性が高いと見る。
強敵となりそうなのは、高知のショートストーリー。山口勲騎手がウノピアットブリオではなくこちらに騎乗するということでも期待がうかがえる。姫路に遠征した白鷺賞は差のある3着だったが、3コーナー手前でジンギを負かしにいってということならむしろ評価できる内容。この馬が頭の馬券も押さえたい。
コスモバレットは、園田金盃、新春賞こそ完敗だったが、好位を追走できた前走の特別戦では、新春賞、白鷺賞でともに2着だったナムラヘラクレスを直線でとらえ2馬身半差をつけての完勝。3着には大差をつけた。そのレースぶりならここでも勝負になる可能性はある。
地元勢では、中島記念3着だったスウィフトハート、佐賀記念JpnIIIで地元最先着だったグレイトパールの上位食い込みを期待したい。
◎11エイシンニシパ
○1ショートストーリー
▲6コスモバレット
△10スウィフトハート
△9グレイトパール
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4・5歳馬限定戦とはいえ、最大100kgキロのハンデ差というのはめずらしい。過去5年のポプラ賞の結果を見ると、昨年以外の4年はトップハンデの馬が勝っているのだが、ハンデ差は最大60キロだった。なかでも2016年にセンゴクエースが4歳ながら最大60キロ差のトップハンデ790キロで勝ったというのはすごい。
今回、たしかに5歳世代は、天馬賞の結果を見ても、メムロボブサップ、アオノブラックの能力が抜けていて、アオノブラックはチャンピオンカップを制して見せた。ただ、4歳牝馬(アバシリルビー)との比較とはいえ、メムロボブサップの100キロ差、アオノブラックの90キロ差というのはいかにも厳しいのではないか。
そうした状況で重量的に恵まれたと思えるのがインビクタ。昨年のポプラ賞がアオノブラックの2着。その後の世代重賞でも、柏林賞2着、銀河賞3着と、ハンデ差を生かして好走。今回は、それらのレースよりも大きくハンデ差がついた。しかも近走オープン-2組で好走しており、前走ウインターカップも6秒9差の4着なら悪くない。チャンスは十分。
ウインターカップで2着だったコマサンブラックもハンデ差を考えると有利。
8月のはまなす賞では、メムロボブサップ、アオノブラックと50キロ差で勝ったのがゴールドハンター。今回は☆の減量もあって、メムロボブサップと90キロ差で、アオノブラックとも80キロ差。このハンデ差はいかにも有利。新人ながら活躍が目立つ金田利貴騎手にも期待だ。
チャンピオンカップを勝ったアオノブラックの勝ちタイムが1分54秒1で、今回はそのときと同じ820キロ。時計勝負なら勝ち負けだが、ハンデ差が大きいメンバーでは流れが速くなるため、勝つまではどうだろう。
カイセドクターは、ばんえい大賞典2着、はまなす賞4着、ばんえい菊花賞2着、ばんえいダービー3着と世代重賞で好走を続けており、ハンデ差を生かせば上位争いまで。
同じくハンデを生かしてチャンピオンカップ4着だったジェイカトレアも入着なら。
メムロボブサップは、この重量差ではさすがに無理はしないと見て無印とした。
◎8インビクタ
○9コマサンブラック
▲6ゴールドハンター
△7アオノブラック
△2カイセドクター
△3ジェイカトレア
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兵庫のジンギが満を持してのダートグレード初挑戦だ。2019年の3歳10月から連続連対を続けているが、本格化を思わせたのはここ2戦。1着賞金が3000万円と一気の増額となった園田金盃で2着に5馬身差、そして年明け初戦として出走した白鷺賞は7馬身差で楽勝だった。クリンチャーより4キロ軽い別定54キロなら可能性はある。
クリンチャーは初めての地方参戦となった佐賀記念では2着のアシャカトブに9馬身差をつけてコースレコードでの圧勝。地方の小回りのダートへの適性を見せた。そのときと同じ58キロだが、今回は重量差が広がってその強さを見せられるかどうか。
メイショウカズサは未勝利から3勝クラスまで4連勝で一気にオープンまで駆け上がった。未勝利戦での足踏みは何だったのかというほどの快進撃。前走は直線で止まってしまったが、それはひとまず度外視。今回、逃げたそうな馬はほかにもいるが、すんなりハナでマイペースなら粘り込む場面も。
ロードブレスは、2走前の浦和記念、前走の川崎記念ですでに経験している57キロだが、今回は別定の重量差が大きくついてどうだろう。
佐賀記念5着だったウインユニファイドだが、今回はそのときより2キロ軽い54キロでどこまで迫れるか。
◎1ジンギ
○7クリンチャー
▲5メイショウカズサ
△10ロードブレス
△6ウインユニファイド
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