ダービーシリーズの前身、ダービーウイークがスタートした2006年からダイヤモンドカップが"岩手ダービー"として行われてきたが、今シーズンからそのダイヤモンドカップは8月に移行し、不来方賞の前哨戦という位置づけとなった。そしてかつては東北3県の交流として行われていた東北優駿が"岩手ダービー"として復活となった。
今季ここまでの3歳戦線を振り返ると、スプリングカップではパンプキンズが逃げ切り、グレートアラカーは3/4馬身まで迫って2着。3着には9馬身差をつけた。続く1900メートルのやまびこ賞は、逃げたパンプキンズをグレートアラカーが3コーナーでとらえると2頭の一騎打ちとなり、直線ではグレートアラカーが突き放し、パンプキンズは7馬身差2着。3着にはさらに7馬身差がついた。牡馬ではこの2頭の実力が抜けている。そして牝馬ではエムワンピーコがデビュー2戦目から6連勝中と底を見せていない。その中には、2歳時とはいえパンプキンズを負かした一戦もある。
この3頭の勝負となりそうだが、距離延長のやまびこ賞で圧倒的なレースを見せたグレートアラカーがここでも最有力と見る。
エムワンピーコも前走初めての1600メートル戦で、直線だけで2着に5馬身差をつける圧勝。ただ今回はそこからさらに400メートルの距離延長ということで、パンプキンズを2番手にとった。
上記3頭には差をつけられて負けているものの、いずれかが崩れたときに馬券圏内の可能性として、サンエイムサシ、リュウノボサノバを挙げておく。
◎8グレートアラカー
○4パンプキンズ
▲10エムワンピーコ
△5サンエイムサシ
△3リュウノボサノバ
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フルゲート16頭が揃ったが地元勢はどうにも厳しそうで、中央4頭と大井のショコラブラン、5頭の争いとなりそう。
なかでも大井から遠征してここを狙ってきたショコラブランに期待する。一昨年のこのレースが、のちにJBCスプリントを制するニシケンモノノフの2着。その時が不良馬場で、今年も前日に雨予報が出ていて渋った馬場はこの馬にはプラスになりそう。やはり水の浮く不良馬場だった前走東京盃でも、着順こそ4着だが、勝ったキタサンミカヅキからコンマ2秒差。大井移籍後初勝利が重賞初制覇となるかどうか。
ヤマニンアンプリメは、黒船賞JpnIII、かきつばた記念JpnIIIともに2着で、重賞タイトルにも手が届きそう。引き続き54キロを生かした競馬ができればチャンスはある。
逆に斤量的に厳しそうなのが58キロを背負うシュウジ。ただダートに転向して2戦のレースぶりは評価できる。
ノボバカラは地元の阿部龍騎手の起用でどんなレースを見せるか。3年前のこのレースでは桑村真明騎手の手綱でダノンレジェンド相手にわずかハナ差及ばず惜しい2着。前走久々に勝利を挙げた勢いもありそう。
タテヤマは2走前の千葉ステークスがシュウジの4着で、前走天王山Sでオープン初勝利。これまでと同じ右回りの1200メートルだけに、地方初参戦でも能力を発揮しそう。
地元勢ではメイショウアイアンが今季2戦目の上積みがあってどこまでやれるか。
◎10ショコラブラン
○12ヤマニンアンプリメ
▲5シュウジ
△3ノボバカラ
△14タテヤマ
△16メイショウアイアン
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北陸・東海・近畿交流の新設重賞で、兵庫から2頭が遠征してきた。
その兵庫の1頭、モズフレミントンが強そうだ。昨年中央から兵庫に再転入すると、B2級から連戦連勝でクラスを上げ、A1特別まで制した。重賞初挑戦となった兵庫大賞典は差のある4着だったが、先着された3頭は重賞を何度も勝っていたりダートグレード級だったりという馬たち。遠征ではあるが相手はかなり楽になった。重賞初制覇を狙える。
ヒルノデイバローは中央オープンから笠松への転入初戦。芝の短距離重賞で2着が3回という実績も昨秋から二桁着順が続いているが、勝ち馬との着差はほとんど2秒以内。能力面では最上位だが、地方の小回りコースや笠松のダートなど未知数な部分があり、中心としては推しにくい。
東海勢では、今年だけでもウインター争覇、マーチカップと重賞2勝を挙げているメモリージルバが10歳でも好調だ。
兵庫から笠松への移籍初戦となるラミアカーサは重賞上位の実績はあるものの、1400メートル以下を中心に使われてきただけに笠松1600メートルをこなせるかどうか。
前走東海クラウンを勝ったサムライドライブだが、4走前にはメモリージルバに、3走前にはメモリートニックに完敗。このメンバーに入るとちょっと厳しい。連下争いまで。
出走取消が2度続いたストーミーワンダーだが、昨年12月以降、重賞の白銀争覇も含めて4戦3勝。状態万全なら上位争いも。
◎7モズフレミントン
〇4ヒルノデイバロー
▲2メモリージルバ
△5ラミアカーサ
△8サムライドライブ
△9ストーミーワンダー
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菊水賞で他馬を圧倒したジンギが満を持しての出走。ここまで5戦4勝、2着1回というほぼ完ぺきな成績でまだ底を見せていない。ロードカナロア×ディープインパクトという血統で地方デビューは意外だが、中央では仕上がりきらず未出走で移籍してきたとのこと。ここは通過点と見たい。レースぶり次第ではジャパンダートダービーJpnIもしくは大井の黒潮盃あたりへの遠征を期待したい。
距離がどうかだが、同厩舎のテツもやれるのではないか。園田ユースカップがジンギとコンマ4秒差の3着。その後中央の芝1200メートル戦に2度出走して5着、7着。勝ち馬からそれぞれコンマ4秒、コンマ8秒という差は好走といっていいだろう。芝のスピード競馬で力をつけたと見る。
中央1勝から転入して菊水賞3着だったエナキョウ。兵庫チャンピオンシップJpnIIでの4着は好走だが、地元馬ではバンローズキングス(3着)に先着された。圧倒的に強い馬がいる場合の2着以下の着順は、それが実力どおりではないことが多い。強い相手に揉まれての上昇に期待できそう。
1400メートル戦ではあったが、ジンギに唯一土をつけたのがアイオブザタイガー。菊水賞こそ意外な惨敗だったが、前走快勝の内容から、マイペースで逃げさせると怖い存在。軽視はできない。
のじぎく賞を制して目下3連勝と好調のチャービル、兵庫チャンピオンシップJpnIIで激走といえる地方最先着3着のバンローズキングスらも上位を狙えそう。
◎4ジンギ
○8テツ
▲10エナキョウ
△2アイオブザタイガー
△5チャービル
△6バンローズキングス
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ここは北日本新聞杯上位3頭の勝負。その北日本新聞杯、勝ったスターキャデラックはすんなり3番手につけると、楽な手ごたえのまま3コーナーで前をとらえにかかり、直線では単独で先頭という横綱相撲。2着ニューホープに半馬身差まで迫られたが、まだ余裕はあった。今回、これといった上り馬や新興勢力もいないことから、スターキャデラックの二冠達成は濃厚と見る。
北日本新聞杯で3着だったロンギングルックだが、前半は他馬に囲まれ出るに出られず。向正面でようやく外に持ち出すと、スターキャデラックを徹底してマークしていったが、ゴール前で息切れ。真っ向勝負を挑んでの結果だけにしかたない。今回も相手候補の筆頭。
ニューホープの北日本新聞杯は、中団を追走して直線脚を伸ばし、ゴール前で勢いの鈍ったロンギングルックをとらえての2着。ここも展開次第ということはありそう。
チクリは中央未勝利から転入して6戦して5連対。前走3歳A1特別はすんなりハナをとると後続を突き放しての楽勝だった。ここにきて力をつけている。上記北日本新聞杯上位馬の間に割って入る可能性は十分。ただ5着に負けたのが1700メートル戦だったので、距離延長は心配。
ここまで4頭の勝負と見る。
◎10スターキャデラック
○11ロンギングルック
▲1ニューホープ
△2チクリ
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