昨年のこのレースでは、2番手から4コーナーで先頭に立ったファイアーフロートに対し、クリスタルボーイは4番手から直線で追いかけたものの1馬身半届かずという結果。展開的なことだけで、実力的には差がないような競馬だった。クリスタルボーイはここ2戦惨敗が続いたが、笠松グランプリは激しい先行争いに巻き込まれてのもの、兵庫ゴールドトロフィーはスタートで出遅れて競馬にならずと、ともに敗因ははっきりしている。逆転も可能と見る。
ファイアーフロートも、JBCクラシックでの9着はさすがに相手が強く、高知県知事賞では逃げたものの6着に沈んだのは、やはり距離だろう。適距離に戻って連覇の期待がかかる。
新興勢力ではバーチャルトラック。重賞ではファイアーフロートやサクラシャイニーなど、目の上のコブともいえる存在がいてタイトルにはもう少しのところで手が届いていないが、着差からは逆転できない差ではなさそう。
昨年のこのレース3着で、目下6戦連続連対中のマウンテンダイヤにもチャンスは十分。
しばらく勝ち星から遠ざかっているオオミカミもどこかで巻き返してくる可能性はある。
◎6クリスタルボーイ
◯8ファイアーフロート
▲11バーチャルトラック
△1マウンテンダイヤ
△12オオミカミ
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A1・A2混合で、1750メートルで争われるS2重賞の球磨川賞。
出走8頭中5頭の前走が1月12日の有明海特別で、そこを勝ったマイネルパルフェに勢いがある。昨年5月以来久々の勝利となったが、その間にも、吉野ヶ里記念3着、九州大賞典4着、中島記念5着など、S1重賞でも確実に上位に入線。今回のメンバーなら崩れることはないだろう。
相手筆頭は、その有明海特別で3着だったプルシャンブルー。2走前の宝満山賞での惨敗は、勝ったのがプルーフポジティブでは相手が悪かった。その勝ち馬を追いかけたシゲルカイチョウとともに3コーナーあたりからずるずると後退する結果となった。しかし南関東から転入後、宝満山賞以外の2戦では上位争いを演じているだけに、ここでも十分勝負になる。
コスモガラサも有明海特別では僅差の4着。勝ち切れないレースが続いているが、大崩れもない。
やや格は落ちるが、マイネルハートレーも連下なら。シゲルリンゴは、中島記念、有明海特別と、ここ2戦は離されての敗戦が続いているが、11月の九州大賞典で2着があっただけに怖い存在。
◎8マイネルパルフェ
◯5プルシャンブルー
▲4コスモガラサ
△3マイネルハートレー
△6シゲルリンゴ
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12月14日に行われた前哨戦のレディースカップからは、最下位のアグリローズが抜けて、セイコークインが加わったというメンバー。
昨年の覇者で、レディースカップでも2着だったダイリンビューティが中心。そのレディースカップでは同じ重量でニシキエースに僅差で勝利を奪われたが、今回は10キロ差がついてということでは有利。6歳以下の若い馬たちが6頭もいるなかで、700キロ台後半のこの重量なら経験豊富なベテランに分がある。過去5年の連対馬10頭中8頭が7歳以上というデータもある。
相手筆頭は5歳のセイコークイン。スピードレースの地吹雪賞を勝ち、続く天馬賞では740キロを曳いての3着は価値がある。前走では大敗したが、10コースに入った上に第2障害の天板に脚を掛けたところで止まってしまったため参考外。
ニシキエースは、このレースには過去4回出走して5着2回、6着2回と相性はよくない。ただ前哨戦のレディースカップでも過去に3着が最高だったのが、昨年は初めて勝利。ダイリンビューティより10キロ重い770キロは負担になるが、昨年秋に5連連続連対した好調は続いていると見る。前走8着大敗は第2障害でヒザをついてしまってのもの。
キュートエンジェルは、レディースカップは5着だったが、ここ2戦連続して連対で調子は上向き。
レディースカップでは7着だったアアモンドマツカゼだが、前走オープン・A1混合のガーネット特別でホッカイヒカルに僅差の2着は価値がある。
クインカップを制したナナノチカラは、その後の2戦は人気にこたえられていないものの、いずれも着差はわずか。巻き返しは可能だ。
◎7ダイリンビューティ
◯5セイコークイン
▲8ニシキエース
△10キュートエンジェル
△2アアモンドマツカゼ
△3ナナノチカラ
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この開催で最上級のクラスで組まれたのは1400メートルのこのレース。中央から転入3戦目となるプルーフポジティブが中心。前走、年末開催の、いわば"残念"中島記念として組まれた宝満山賞を逃げ切り5馬身差の圧勝。中島記念組もいるものの、いずれも勝ち馬から大きく離された馬ばかりで、既存勢力との比較では能力上位。あとは転入初戦の馬たちがどうかということになる。
その相手になりそうなのは、兵庫のA級1組から転入初戦となるタガノブリガデイロ。9月には1400メートルの重賞、園田チャレンジカップで3着があり、園田最終戦こそやや離されての7着だったが、それまでは勝ち馬から
1秒以内の差で掲示板は確保していた。オープンの一線級がいない今回のメンバーなら十分に通用しそうだ。
バルーンは北海道から転入初戦だった前走九州オールカーマーでは1番人気に支持されたものの見せ場をつくれず6着。転入2戦目での変わり身に期待。ただこの馬にこの距離はちょっと忙しいかもしれない。
600キロを超える大型馬として人気のクリーンが転入してきた。南関東では2013年10月の勝利を最後に、その後は2秒前後かそれ以上の差をつけられての惨敗続き。ただそのすべてがオープンクラスなだけに、ここなら通用する可能性はある。
ジェットヴォイスも1年以上勝ち星から遠ざかっているが、S1重賞で一線級と戦ってきているだけに連下までならあるかもしれない。M&Kジョッキーズカップ参戦にともなっての騎乗となった山本聡哉騎手がどんなレースを見せるかにも注目。
◎8プルーフポジティブ
◯7タガノブリガデイロ
▲3バルーン
△1クリーン
△6ジェットヴォイス
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3歳馬によるS2重賞で、同じ開催で花吹雪賞が行われているため牝馬は上級クラスが抜けて3頭、そして牡馬が5頭という8頭立て。
キングプライドは2歳10月に1勝を挙げたのみだが、前走は1着賞金が重賞並の佐賀若駒賞に出走。その後に花吹雪賞を制するユズチャンが2着で、それに続く3着という成績ならこのメンバーでは能力上位。中距離の経験が少ないというメンバーの中にあり、すでに1800メートル戦を経験していることもプラスになりそう。
トゥータフは北海道時代に2着3着が計9回あったものの勝てないままで、佐賀に移籍後も3戦して4着が最高という成績。とはいえ前走初夢特選は初めての1750メートル戦で4着ながら勝ち馬とはコンマ4秒差。しかも先着された3頭はすべて花吹雪賞出走組だけに、今回、メンバー的にはだいぶ楽になった。
サテスファクションは、ホッカイドウ競馬のシーズン終盤でようやく1勝を挙げ、今回が佐賀初出走。1200メートルまでしか経験がないのは不安ではあるが、北海道では終盤に向けて徐々に力を発揮していただけに、ここでさらに上昇を期待できそう。
チェリーワイルドは、北海道からの転入初戦こそ大敗だったが、2戦目の前走で変わり身を見せて勝利。そこで2着だったリョウマアキコまで連下争いなら。
◎7キングプライド
◯3トゥータフ
▲6サテスファクション
△5チェリーワイルド
△8リョウマアキコ
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