リーダーズボードが新春ペガサスカップ以来4か月ぶりの復帰戦。地元では9戦9勝、それもほとんどが一方的なレース。兵庫ジュニアグランプリJpnIIでも見せ場があっての3着という実力。2歳時は使いづめだったため疲労回復のための今回の休養。いずれはダートグレードを狙う期待馬だけに、今回もどんな勝ち方を見せるか。
ドクターナイーヴはスプリングカップこそ3着に敗れたが、前走新緑賞は1番人気にこたえての勝利。トーホウボンバーに3/4馬身まで差を縮められたとはいえ、ゴール前で手綱を緩めてのもの。中央から転入後、8戦6勝、2着3着各1回と崩れたことがない。
トーホウボンバーも中央から転入後、9戦して8連対。ただここ3戦連続して2着と勝ちきれない面はある。
スウィフトダンサーは、前走古馬に編入されてB級5組を勝ったという実力は認められるが、3歳になって3回出走した名古屋・笠松の重賞では5着が最高と、メンバーが揃うと力が発揮できない面はある。
ピースフルリバティは、2歳時の若獅子特別でリーダーズボードの2着。このときの3馬身差は、リーダーズボードに対しては地元馬でもっとも少ない着差(同じ3馬身差がもう1頭いるが今回は不出走)。そのときの1分43秒8というタイムも、リーダーズボード以外では名古屋1600メートルのメンバー中最速の持ちタイム。2着は狙える力はある。
リーダーズボードが負けることはないだろうが、こうした抜けて強い馬が1頭だけいる場合は、それに真っ向勝負を挑む馬と、そうではない馬がいて、2着以下は実力通りに決まらないようなことも少なくなく、また1800メートルはほとんどの馬にとって初距離でもあり、予想は難しい。
◎5リーダーズボード
○11ドクターナイーヴ
▲8トーホウボンバー
△2スウィフトダンサー
△6ピースフルリバティ
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A級馬57kg、B級馬55kg、C級馬53kg(牝馬2kg減)で年に2回行われるクラス別定の重賞。かつては勢いのあるB級馬の活躍が目立ったが、最近ではA級馬の勝利が続き、昨年4月にB級馬が勝ったのが2009年5月以来。今回は9頭立てで8頭がA級馬。とはいえ唯一のB級馬ゴールドピューマも3連勝中と侮れない。
例年、一線級の出走が少ない重賞なのだが、エーシンバサラは名古屋のトップに近い位置を争えそうな1頭。中央500万からの転入初戦となった新春盃で3着と好走。A3特別を勝って、前走A1特別は新春盃の勝ち馬ノゾミカイソクにアタマ差まで迫っての2着。ここを勝って勢いをつけたいところ。
ゴールドピューマは9戦連続連対中で、B1特別まで3連勝でここに臨む。B級やC級の馬でこのレースで好走するのは、この馬のように上のクラスにいっても好勝負が期待できそうな馬。ちなみに昨年4月にB級からこのレースを制したキクノグラードも、同2009年5月のハードインパルスも、3連勝でこのレースに臨んでいた。
前走でA3特別を勝っているトキノサコン、ブレーヴスキーや、昨年8月にA1特別で2着があり、その後もA3あたりでは常に上位争いをしているボンドストリートらにもチャンスはありそう。
◎6エーシンバサラ
○4ゴールドピューマ
▲1トキノサコン
△3ブレーヴスキー
△8ボンドストリート
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今年も中央から参戦の5頭はいずれもダートでの勝ち鞍がある強力なメンバー。一方地元勢は一冠目の菊水賞を圧勝したニホンカイセーラが出走してきたが、その菊水賞は兵庫のこの世代のトップ3かトップ4が抜けての争いだっただけに、このメンバーに入るといかにも厳しい。
ホッカイドウ競馬出身で中央に移籍したランウェイワルツは、前々走ヒヤシンスステークスこそ7着だったが、前走伏竜ステークスは直線一気の強い競馬を見せた。ヒヤシンスステークスの敗戦は、右回りでやや走りずらそうな感じもあった。ダートの右回りに限ればここまで4戦3勝、2着1回。あとは小回りの園田コースをこなせるかどうかだが、それはすでにこのコースを経験しているマキャヴィティ以外の中央全馬に共通した不安。そういう意味で川原正一騎手を起用してきたのかもしれない。
エスメラルディーナはフィリーズレビュー3着で桜花賞の出走権を手にしながら、ダートのここを獲りにきた。スピードがあるのは間違いなく、デビュー戦でダートの経験もあり、桜花賞回避はダートへの期待の高さと見る。
エキマエは芝の1戦以外はダートの1600~1800メートルに限って使われここまで3勝。ただ12番人気で制したヒヤシンスステークスのレベルに疑問が残る。
マキャヴィティは、兵庫ジュニアグランプリJpnIIでメンバー中最速の上りで追い込み、ニシケンモノノフに半馬身差まで迫っての2着。ニシケンモノノフが、その後中央のダートで結果が出せないという現状で、さてマキャヴィティもこのメンバーに入ってどうだろう。
高知のクロスオーバーは、中央挑戦のチューリップ賞以降の2カ月でこれが5戦目という強行軍。それでも中央の芝や、船橋・マリーンカップJpnIIIで古馬と対戦したという経験値の高さから、中央馬相手でもヒケはとらないレースを見せるかもしれない。
◎6ランウェイワルツ
○11エスメラルディーナ
▲5エキマエ
△4マキャヴィティ
△8クロスオーバー
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いずれダートグレードのタイトルを獲るのではないかと期待されているオオエライジンだが、佐賀記念JpnIII、名古屋大賞典JpnIIIは期待ほどの結果を残せず、兵庫所属ということでは、タガノジンガロにかきつばた記念JpnIIIで先を越されてしまった。とはいえ、大井に移籍(不出走)して、兵庫に戻って以降地方同士ではまだ負けがなく、ここは地元同士の一戦だけに、負けられないところ。強い勝ち方を見せて、またダートグレードへの挑戦を期待したい。
ハルイチバンは、昨年3歳時は菊水賞、兵庫ダービーで、それぞれ勝ったユメノアトサキの3、5着と弾けきらず。しかし古馬格付けとなって2戦目の8月以降、3着を外さない安定した成績で徐々にクラスを上げると、4歳になっての重賞初挑戦となった前々走の六甲盃を逃げ切ってホクセツサンデーに4馬身差をつける強い勝ち方。前走のA1特別でも1番人気にこたえ貫録の逃げ切り勝ち。今回は六甲盃不出走組が人気になりそうで、ここであらためて兵庫の古馬頂点を争うこととなる。
エーシンクリアーのはがくれ大賞典は、早めに仕掛けた田中学騎手の好騎乗が光っての勝利だが、エスワンプリンスの凡走もあり、メンバー的にはやや軽かった。古馬になっての勝利はその1勝だけで、ここはあらためて力が試せされる一戦。
新春賞を連覇したニシノイーグルは、末脚を生かせるかどうか、常に展開次第。スマイルヴィジットは2連勝でいよいよA1特別を制したが、52キロという軽量もあり、ここはまだ胸を借りる一戦。
◎8オオエライジン
○7ハルイチバン
▲6エーシンクリアー
△10ニシノイーグル
△4スマイルヴィジット
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ライズラインは、2歳時は若駒賞と南部駒賞を制したほか、明けて正月の金杯まで3着を外さず、岩手のこの世代を牽引した1頭。その後は大井に移籍したが、南関東の一流馬の壁は厚かった。ただそこで強いメンバー相手に厳しいペースを経験して力をつけた可能性はある。内枠に入り、アッと言わせた若駒賞のときのような逃げ切りに期待だ。
シグラップロードのスプリングカップは、直線大外から豪快に差し切っての完勝で重賞初制覇。2歳時はライズラインやラブバレットと差のない競馬をしながら重賞では勝ち切れなかったが、ひと冬越しての成長が感じられる。
ラブバレットは年明けの金杯を制して2歳シーズンは重賞3勝。しかし岩手の2歳最優秀馬のタイトルはライズラインに譲った。1番人気と期待されたスプリングカップは4着だったが、早めに勝負にいってのもの。ライズラインとは力差がなく、これまでのところ展開ひとつで後先が変わっている感じ。それだけに今回は巻き返しがかかる一戦。
ユナイテッドボスは、冬休み明けの初戦では、シグラップロードや、その後にあやめ賞を制したアイスカチャンをしりぞけての勝利。続くスプリングカップでは、4コーナー6番手から直線伸びを見せ、ラブバレットをとらえての3着。この馬も成長を感じさせる1頭。
フラッシュモブは、転入初戦のあやめ賞では早め先頭に立ってアイスカチャンに惜しくもハナ差の2着。期待された留守杯日高賞では末脚不発で4着。テンに行けず、追い込み一辺倒な脚質だけに、展開に左右される面はある。人気がなければ馬券的に狙っておもしろそうな馬ではある。
◎2ライズライン
○10シグラップロード
▲4ラブバレット
△8ユナイテッドボス
△1フラッシュモブ
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