ショウリダバンザイの昨シーズンは、より大きなタイトルを狙っての遠征では結果を残せなかったものの、グランダム・ジャパンのシリーズも含めて地方馬同士の対戦では5戦して馬券圏内を外すことは一度もなかった。とはいえ連覇を狙った道営記念3着は、やや消化不良だったか。昨年あたりからホッカイドウ競馬には中央オープンや準オープンからの転入馬が目立つようになってきたが、地元生え抜きとしてがんばってほしいところ。
地元生え抜きといえば、同世代のクラキンコは血統的にもさらに期待が大きい。3歳時の活躍からすれば、古馬になってからはちょっと物足りない成績。4歳時の一昨年はコスモバルク記念と星雲賞、昨年5歳時には星雲賞と、重賞タイトルは3つ。開幕後の春先は毎年調子がいいようで、今年も4月から十分に調教で乗り込まれいる。
シャイニングアワーは中央オープンから昨年転入し、道営スプリントを制すなど短距離を中心に活躍。冬期に移籍した南関東でも大井1200メートルのA2特別を制した。ホッカイドウ競馬では重賞レベルにあることは間違いなく、距離をどこまでこなせるか。
ビューティーリヨは一昨年3歳時に王冠賞を制したが、昨年は重賞で3着が2回。タイトルに手が届くまでもう少しのところにいる。
ハタノゼフィロスは中央500万下から昨年秋に転入して、A1やオープンを5戦してすべて3着以内。重賞初挑戦で上位食い込みを狙う。
怖いのはダイワバーバリアン。中央時代はニュージーランドトロフィーとNHKマイルカップでともに2着。1年以上のブランクがあって古馬で1戦し、さらに1年5カ月のブランクがあって、今回が転入初戦。初ダートでもあり、今回は様子見の一戦か。
◎12ショウリダバンザイ
◯13クラキンコ
▲4シャイニングアワー
△5ビューティーリヨ
△9ハタノゼフィロス
△1ダイワバーバリアン
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昨年スタートした"そのだ金曜ナイター"では、これまで重賞が行われたのは初日の摂津盃のみ。この兵庫大賞典は、それ以来のナイター重賞。重賞常連が顔を揃えて楽しみな一戦となった。
昨年のナイター初日に行われたその摂津盃では、1番人気のホクセツサンデーを、エーシンアガペーが2馬身半突き放して勝利。今回も期待はエーシンアガペーだ。前走のA1特別ではホクセツサンデーに3/4馬身差で敗れているが、そのとき1キロ差だった斤量差が今回は2キロに広がる。エーシンアガペーにとっては条件が揃った。
ホクセツサンデーにとっては、そのA1特別は半年の休養明けの一戦。上積みがあれば2キロ差になっても逆に連勝の目はある。
エリモアラルマは、前走六甲盃で重賞初制覇。3走前の福山・マイル争覇ではエーシンアガペーに1馬身+クビ差で3着があり、実力的にそれほど差はない。
ニシノイーグルは、昨年12月の園田金盃では見事な追い込みを決めてオオエライジンを差し切った。新春賞でも後方一気の競馬で勝利。しかしその後3戦して勝ち星がなく、前走六甲盃でも5着とやや失速ぎみ。ここで巻き返せるかどうか
ストライビングは、六甲盃ではエリモアラルマからコンマ3秒差の3着。前走はA2特別勝ちで、オープンクラスでも通用する力はある。
2番人気に支持された六甲盃で9着惨敗だったダイナミックグロウは、巻き返しのかかる一戦。
◎2エーシンアガペー
◯3ホクセツサンデー
▲4エリモアラルマ
△6ニシノイーグル
△1ストライビング
△5ダイナミックグロウ
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ピッチシフターは、道営から転入後、地方では負けなしの3連勝。道営での2歳シーズン終了後、普通なら南関東に移籍してもいいレベルだが、関係者に話を聞いたところ、南関東で埋もれるよりも東海地区のほうが勝てるチャンスがあるということでの名古屋移籍となったそうだ。今回、明けて3歳になってからの地元初戦となるが、まだまだ負けるわけにはいかない。
ユーセイクインサーは、この世代の産駒でブレイクしているタイムパラドックス産駒。2歳時のライデンリーダー記念ではピッチシフターにクビ差まで迫って苦しめた。前走新緑賞では牡馬の重賞上位クラスを負かしており、今回は雪辱を狙う。
グランダム・ジャパン3歳シーズンでは、留守杯日高賞で2着だったエイシンルンディーが一歩抜け出した格好だが、ウォータープライドはここを勝って10ポイントを加算すれば単独2位に浮上する。
新春ペガサスカップで、そのウォータープライドの2着だったアイビスティは、前走古馬B級4組の一般戦を勝利。古馬相手に揉まれて力をつけている可能性はある。ちなみに馬主は、父のメイショウサムソンを現役時代に管理していた瀬戸口勉元調教師。
エガオデコタエテは、前走3歳1組特別を制して4連勝中。急激に力をつけている。
ナデシコウインは、道営から転入後、笠松・名古屋で5戦していずれも3着以内。前走の3歳1組特別では、その後にスプリングカップを制するエストレーモに2馬身半という決定的な差をつけて制しており、充実ぶりがうかがえる。
◎11ピッチシフター
◯2ユーセイクインサー
▲1ウォータープライド
△3アイビスティ
△12エガオデコタエテ
△9ナデシコウイン
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東海ダービーに向けての一戦。翌日に東海クイーンカップが行われるだけに、名古屋・笠松のこの世代の牡馬トップクラスが集まった。
道営から転入してきたエストレーモは、名古屋で9戦してすべて3着以内と堅実な成績。重賞初挑戦だったスプリングカップを制し、前走古馬A級4組に格付けされての勝利は評価できる。
3歳の条件戦で5連勝中だったトライアンフバイオは、前走重賞初挑戦となった新緑賞で2着。勝った牝馬のユーセイクインサーには差をつけられたが、2番手追走から直線見せ場をつくった。
ゴールドブラザーは、この世代の産駒が大活躍のタイムパラドックス産駒。2月にゴールドジュニアを制したが、その後、スプリングカップではエストレーモの2着で、トライアンフバイオが2着だった新緑賞では6着。成長力ということでは、上記2頭にやや劣る。
ホウライジェントルは、2歳時に金沢の兼六園ジュニアカップを制したが、3歳になってからは重賞で善戦まで。
ウインホーリーは、中央未勝利から転入して初戦を2着のあと3歳の条件戦を3連勝。いきなりここに入って勝ちきるまでにはどうか。
コスモカリヨンも重賞では入着までという実力。
◎1エストレーモ
◯8トライアンフバイオ
▲11ゴールドブラザー
△10ホウライジェントル
△12ウインホーリー
△5コスモカリヨン
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すでにダートで3勝を挙げているコパノリッキーが、ダートなら能力上位と見る。前走伏竜ステークスは、スタートでやや出負けして中団追走となったが、3~4コーナーでは絶好の手ごたえで外から上がってきた。最後、2着3着馬とは着差がそれほどなかったが、ずっと外々を回らされながらも最後余裕があったことを考えれば、完勝といっていい内容だ。3勝のうち2勝が1800メートルと、距離を経験しているアドバンテージも大きい。
相手にはソロル。前々走ヒヤシンスステークスでは、コパノリッキー(3着)に先着しての2着。直線追い込んできた末脚は、ダートでの能力の高さを示していた。伏竜ステークスでは4コーナー手前で手ごたえが一杯になったが、3走前の黒竹賞で同じ中山の1800メートルを勝っており、また血統的にも距離適性は十分。
ベストウォーリアはダートのみ4戦して2勝。前走は初めての1600メートル戦だったが、さらに距離が延びてどうか。父も母の系統も、アメリカのマイル以下で活躍した血統。ただ、コースをよく知る岩田騎手がどう乗りこなすか楽しみな部分はある。
バッドボーイは今回が初ダート。2歳時は重賞でコディーノ、エピファネイアなどこの世代のトップホースと芝で差のない競馬をしてきた。ダートと小回りの園田コースがこなせるかどうか、やってみないとわからない部分はある。
ノウレッジはデビュー勝ちがダートだが、その後は芝を使われてきた。末を生かす脚質で、園田の小回りのダートはどうだろう疑問符がつく。
残念ながら地方馬は厳しいと言わざるをえない。重賞タイトルがあるのは、高知で金の鞍賞を勝ったマインダンサーのみ。地元勢は菊水賞で牝馬のユメノアトサキにちぎられた馬たち。中央のダート2勝以上の馬たちや、芝の重賞で善戦してきた馬たちが相手では、力が違いすぎる。
◎9コパノリッキー
◯8ソロル
▲5ベストウォーリア
△1バッドボーイ
△3ノウレッジ
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