過去5年の3着以内馬15頭のうち14頭を占めているJRA勢が圧倒的に優位なレース。唯一地方勢で馬券にからんだのは2010年に2着のブルーラッド(川崎)。そのブルーラッドは前年の浦和記念JpnII勝ちがあっただけに、やはりダートグレード実績がないとJRA勢と互角に戦うのは難しい。
7カ月半ぶりの実戦だが、シビルウォーの連覇が濃厚だ。夏に調子を上げるタイプで、一昨年、昨年のダートグレード連勝もこの時季。休み明けとはいえ美浦のポリトラックで順調に乗り込まれていて、今年は梅雨が明けるのが早く、すでに猛暑となっているだけに、久々でもきっちり仕上がっているに違いない。そして昨年レコード勝ちの得意のコースだ。
グランドシチーは、前走マーチステークスGIIIが重賞初制覇だが、昨年5月のブリリアントステークス以降、9戦して3着を外したのが、今年1月の東海ステークスGIIのみという堅実な成績。その東海ステークスにしても、勝ったグレープブランデーにはちぎられたものの、その後にかしわ記念JpnIと帝王賞JpnIを制するホッコータルマエ(3着)とは同タイムだった。
堅実といえばエーシンモアオバーも同様。昨年の白山大賞典JpnIIIから5戦連続3着以内で、その中には名古屋グランプリJpnIIでの重賞初制覇もあった。シビルウォーが直線勝負の脚質なだけに、マイペースの逃げに持ち込めば粘り込む場面も十分にありそうだ。
ソリタリーキングは、昨年の日本テレビ盃JpnIIまでの3連勝では本格化を思わせたが、その後はいまひとつの成績。平安ステークスGIII(9着)以来2カ月ぶりで、どこまで戻しているか。
ランフォルセは、昨年のダイオライト記念JpnIIでは、ワンダーアキュートやフリオーソを相手にしての勝利。しかしやはりこの馬もその後が冴えない。
最初にも触れたとおり、地方勢はダートグレード実績がないと厳しい。可能性があるのは、そのランフォルセが勝ったダイオライト記念JpnIIで僅差の3着があるトーセンルーチェ。前走帝王賞JpnIでも地方最先着の7着で、6着のローマンレジェンドとは1馬身1/4差。昨年もそうだったが、盛岡のダートグレードは着差が開くことが多く、そうしたときに3着あたりなら可能性があるかもしれない。
◎9シビルウォー
◯2グランドシチー
▲13エーシンモアオバー
△3ソリタリーキング
△4ランフォルセ
△11トーセンルーチェ
マーキュリーカップの出走表はこちら
旭川記念とまったく同じメンバーで争われる一戦。今シーズンの古馬重賞は、ばんえい十勝オッズパーク杯、旭川記念とも、キタノタイショウ、ギンガリュウセイという同じワンツーで決着。ただキタノタイショウにとっては、旭川記念がホクショウダイヤと同重量で、ほかの馬とは10キロ差だったのが、今回は他の全馬が790キロなのに対し、1頭だけ20キロ重い810キロとなるのはいかにも厳しい。
ここは1番人気の旭川記念で5着に敗れたホクショウダイヤが巻き返すと見る。まず負担重量的には、前回の旭川記念ではキタノタイショウ以外の馬との比較では10キロ重かったのが、今回は同じ790キロになったのは有利だ。例年春先は好調で、それで旭川記念では人気なるのだが、09年に2着があって以降は結果につながっていない。ところが北斗賞で巻き返すことが多く、2着1回に3着2回。今回は負担重量的に有利になることもあり、この馬が中心。とはいえ脚質的に勝ちきるまでは疑問があるため、あくまでも連軸。
キタノタイショウが負担重量的に厳しくなったのであれば、やはりここで台頭する可能性が高いのはギンガリュウセイ。
とはいえキタノタイショウも、これまでのレースぶりから、20キロ差なら勝負にからんでくる可能性も十分。
ホッカイヒカルは、800キロを超えると厳しくなるだけに、この800キロ近辺の重量までまでが勝負。
ホリセンショウは旭川記念でも3着と好走し、今シーズンはすべて4着以内と好調持続。旭川記念よりさらに20キロ積んで、初体験の790キロとなるだけに、そこがどうか。
シベチャタイガーは、逆に800キロ前後から、それ以上の負担重量になると出番が回ってくる。
◎1ホクショウダイヤ
◯10ギンガリュウセイ
▲2キタノタイショウ
△7ホッカイヒカル
△8ホリセンショウ
△6シベチャタイガー
北斗賞の出走表はこちら
メトロノースが転入2戦目から1400メートル戦で2連勝中。前走黒髪山特別は、4コーナーで先頭に立つと、デュナメスを寄せ付けず圧巻の内容だった。中央では1年以上の休養明け後、準オープンで結果が残せなくなっていたが、このあとのサマーチャンピオンJpnIIIを考えれば、ここで負けるわけにはいかない。
デュナメスは、前走黒髪山特別では3コーナー手前でメトロノースが仕掛けた時についていけず。それでも3着のホーマンルッツには2馬身半差をつけての2着だった。デュナメスにとっては必ずしも得意な距離ではなく、今回はどこまで差を詰められるか。
ギオンゴールドが久々に佐賀に戻ってきての前走で2着。ただその前走は1750メートル戦で、今回は距離短縮で得意の舞台となる。その前走では、黒髪山特別で3着のホーマンルッツに先着していただけに、◎◯の2頭と好勝負の可能性も。
イーグルショウも今回が南関東からの転入2戦目。前走1400メートルの遠賀川賞は、一線級が相手ではないとはいえ、2着に6馬身差の圧勝。9歳とはいえ、南関東で重賞勝ちの実力を見せた。南関東ではマイル前後を使われていたが、この1400メートルも十分に守備範囲で、ギオンゴールドとも差はない。
メトロノースやギオンゴールドらを相手に、ここ3戦連続で3着のホーマンルッツが今回も連下にからめるかどうか。
コルムケーティーは、南関東のB級特別で活躍という実力。前走黒髪山特別ではスタートで落馬だったが、転入初戦を勝っているように巻き返しがあるかどうか。
◎9メトロノース
◯1デュナメス
▲5ギオンゴールド
△3イーグルショウ
△6ホーマンルッツ
△2コルムケーティー
吉野ヶ里記念の出走表はこちら
南関東から3頭の遠征があり、岩手VS南関東という様相となった、3歳馬による芝のオパールカップ。
先行策をとるようになって好成績のハカタドンタクが、地元岩手の意地を見せるか。ダートでも芝でも安定した成績を残していて、岩手での成績に限れば13戦で3着を外したのは1回だけ。3走前のダートのやまびこ賞では逃げの手に出てあっと言わせ、2走前の芝のはまなす賞では他馬より2キロ以上重い58キロを背負っての勝利。前走岩手ダービーダイヤモンドカップは、中団から一旦は直線先頭のヴイゼロワンに並びかけながらも、最後は突き放されてしまった。これは位置取りと仕掛けのタイミングの差だったかもしれない。今回、地元勢では抜けた存在。南関東勢が重賞で入着までという馬たちだけに、負けられないところ。
オールマイウェイは、はまなす賞でハカタドンタクにクビ+クビ差で3着。盛岡の芝で5戦3勝。一方ダートでは3着が最高という成績だけに、2カ月あいだをあけたのは、おそらくこの芝を狙ってのことだろう。
大井のヴェリイブライトは、2歳時にはハイセイコー記念で2着と好走したが、3歳になってからはクラウンカップの5着が最高という成績。とはいえ、南関東クラシックを目指す王道の路線。東京湾カップ10着も、勝ち馬から1秒2差とそれほど負けていない。芝が初めてだけにどうかだが、実力的にはこのメンバーなら上位。
船橋のメロディアスは、勝ち星は北海道でのデビュー戦のみだが、遠征した盛岡芝のジュニアグランプリで2着の実績。その後は、南関東の重賞や中央の芝への挑戦などレベルが高い相手との対戦が多く勝ち星がないが、そのぶん今回は相手がだいぶ楽になる。ただ前走船橋の3歳特別で惨敗しているのが気になるところ。それと、川島正行厩舎が、南関東とくらべてかなり賞金の低い地方重賞に遠征してくるのはめずらしい。
船橋のブエラは勝ち星こそ2歳時北海道での1勝のみだが、南関東では3歳の特別なども含めて2着が5回。盛岡の芝は2歳時のジュニアグランプリ(6着)で経験があり、当時よりは力をつけていると見る。
ブラックタイガーは、北海道のシーズン終了後に岩手に移籍し、たびたび重賞で上位に好走。今回は初めての芝がこなせればということになる。
◎3ハカタドンタク
◯12オールマイウェイ
▲6ヴェリイブライト
△1メロディアス
△5ブエラ
△7ブラックタイガー
オパールカップの出走表はこちら
3歳馬によるダート1000メートルの新設重賞。
重賞でたびたび好走があり、ここまでの4勝が1600メートル以下というヴェルシュナイダーが、実績的にも、距離適性的にも中心になりそう。
逃げて好成績を残しているリュウノタケシツウが相手。ただ、兵庫時代に2着に逃げ粘った兵庫若駒賞や、前々走8番人気での逃げ切りなど、人気がないときにマイペースに持ち込んでという印象が強いだけに、短距離でどうかという疑問はある。
ドラゴンオサムは前走こそ大敗だが、中央から転入初戦となった前々走はヴェルシュナイダーに4馬身差の2着。中央時代は未勝利も、ダート1200メートルで2着3回があるだけに、この距離で力を発揮する可能性はある。
ハワイアンリゾートは、ここ2戦は惨敗だが、中団~後方から早めにまくってきたときに結果を残しており、そうした展開に持ち込めれば。
サクラタイシは岩手ではまだ勝ち星はないが、門別では1000~1200メートルのみを使われていた(岩手への遠征は除く)。この距離で巻き返す可能性はある。
◎5ヴェルシュナイダー
◯6リュウノタケシツウ
▲4ドラゴンオサム
△3ハワイアンリゾート
△8サクラタイシ
ハヤテスプリントの出走表はこちら