昨年までは8月に行われていたが、7月後半に笠松で行われているクイーンカップと日程が近かったためか、この時期に移設。そしてグランダム・ジャパン3歳シーズンの第5戦として組み込まれた。前日の留守杯日高賞に笠松から3頭が遠征し、グランダム・ジャパンではおなじみのホースケア軍団は使い分けられる格好となった。
スズカウインダーの実績が断然だ。新春ペガサスカップ3着のあと、遠征した園田クイーンセレクションでは、その後にル・プランタン賞を制すメイレディをしりぞけての勝利。ゴールドジュニアは8着惨敗だったが、馬群の中で砂をかぶり、3コーナーあたりから走る気をなくしていた。しかしなんといっても、前走古馬A3B1に編入されての逃げ切り完勝が光る。
唯一他地区から遠征は佐賀のレコパン。前走ル・プランタン賞は、メイレディから4馬身+1/2馬身離されての3着だったが、それは3か月ぶりの休み明け。正月の初夢特選では5馬身差圧勝があり、叩き2戦目での上積みがあれば勝ち負けの期待もできる。
マーメイドジャンプは、デビューから2連勝後に重賞を6戦して2着2回、3着2回。前走若草賞ではクビ、クビ差3着惜敗で、そのときの2着馬メイレディを物差しにすれば、ここでも十分勝負になる。
おそらくここまで3頭の勝負で、伏兵を狙うなら重賞初挑戦のオリオンローザ。中央未勝利との条件交流や、3歳1組特別などでも馬券にからむ好走を見せ、ここまで13戦してすべて4着以内という堅実な成績が目を惹く。
アイヴィトウショウは中央未勝利から転入し、名古屋で5戦していずれも3着以内。上位クラスとの対戦は今回が初めてだが、どこまで迫れるか。
◎スズカウインダー
○レコパン
▲マーメイドジャンプ
△オリオンローザ
△アイヴィトウショウ
遠征競馬で全国区の相手と戦ってきたアルドラが力をつけたと見る。2歳時の兼六園ジュニアカップ、プリンセスカップはともに2着ともう少しのところでタイトルに手が届かなかったが、それ以降は地元に限れば3戦3勝。全日本2歳優駿JpnI、浦和・桜花賞はさすがに相手が強く勝負にならなかったものの、前走やましろ桜まつり特別では、5番手に控え、直線で前をとらえるという堂々とした勝ち方。地元馬同士の対戦で初タイトルを狙う。
ナムラプラトーンは、JRA未勝利から転入して4戦3勝。一度の2着敗戦は、アルドラに直線で交わされてのもの。前走でA1特別をきっちり勝っているだけに逆転を狙う。
ジュウワンブライトは、プリンセスカップとヤングチャンピオンを制した金沢の2歳チャンピオン。その2戦で賞金を稼いだことで、ここ2戦は古馬に格付けされて苦戦。同世代同士の対戦に戻って巻き返すかどうか。ただ、2歳時の最終戦となった1700メートル戦で惨敗しているのが気になるところ。
マツノリバイバル、ラブリーホープ、シンカンイチコらは、3歳になってからのA1特別で◎○と対戦し、1秒以内の差で好走。逆転まで狙えるかどうか。
◎アルドラ
○ナムラプラトーン
▲ジュウワンブライト
△マツノリバイバル
△ラブリーホープ
△シンカンイチコ
昨年の今ごろ、岩手競馬がほんとうに再開できるのかどうかわからず、ようやく5月14日からの再開が正式発表されたのが4月29日のことだった。それを思うと、こうして水沢競馬場で例年どおりに重賞が行われることには感慨深いものがある。
グランダム・ジャパン3歳シーズンの第4戦として行われるこの重賞。笠松から遠征の3頭は、第1戦の若草賞(福山)、第3戦のル・プランタン賞(佐賀)のいずれか(もしくは両方)に出走していて、すでにポイントを獲得。そして南関東からは、地元では重賞にちょっと足りないという3頭が遠征してきて、なかなかに力の比較が難しい一戦となった。
ここは川崎から遠征のミスシナノを狙ってみたい。前走クラウンカップはさすがに相手が強く惨敗だったが、着差が開いたのは雨の不良馬場もあった。3歳になってから勝ち星がないが、特別では常に上位争い。ここを勝って勢いをつけたいところ。
相手には、今回の出走メンバー中、唯一グランダム・ジャパンをすでに2戦しているタッチデュール。2歳時に地元で重賞を2勝したが、3歳になってからは勝ち星なし。とはいえ遠征しての重賞がほとんどで、戦ってきた相手は強い。前走のル・プランタン賞も4着だが、今年の佐賀の3歳世代は例年になくレベルが高い。ほかに重賞で勝ち負けという馬がいない今回のメンバーならチャンスは十分。
北海道、兵庫から岩手に転入し、その初戦となったあやめ賞を圧勝したサブリナラッシュが人気になりそうだ。とはいえ、2歳時のプリンセス特別(笠松)ではタッチデュールの6着で、その後の兵庫の重賞でも差をつけられての敗戦。岩手に来て急激に力をつけたということも考えられなくもないが、ここはちょっと疑ってかかりたい。
地元勢なら、金杯4着以来となるウエディングサクラ、あやめ賞でサブリナラッシュの2着だったドクトルコスモがどこまでやれるか。
北海道と大井で1勝ずつを挙げているラブミーアゴーは、村上忍騎手の起用で一発があるかもしれない。
◎ミスシナノ
○タッチデュール
▲サブリナラッシュ
△ウエディングサクラ
△ラブミーアゴー
△ドクトルコスモ
ばんえい十勝の6年目がスタート。今年も重賞第1弾は、ばんえい十勝オッズパーク杯。
この日のレース一覧を見てちょっと驚いた。全12レースがオッズパークの協賛レースになっている。今後もばんえい競馬に協力していくという意思表示だろう。
例年は開幕週に行われていた重賞だけに、出走全馬がシーズン初出走だったが、今シーズンは開幕が2週早まり、これが2戦目または3戦目という馬同士の対戦となる。
今年も狙うはギンガリュウセイ。結果的に昨シーズンの最終戦となった3月5日のウィナーズカップを7番人気で勝利。出走予定だったばんえい記念はコロナウイルスの影響で残念ながら回避。しかし今季初戦のスプリングカップには、ウィナーズカップとまったく同じ1070キロで出走。結果的に5着に敗れたものの、2番手で障害をクリアして、ゴール前での接戦からはそれほど離されていなかった。引き続き好調だ。
相手はフクドリ。昨シーズンは、北斗賞2着、岩見沢記念4着、北見記念3着、ドリームエイジカップ4着、チャンピオンカップ3着と、もう少しのところで重賞には手が届かず。しかし昨シーズン最終戦の白樺賞を勝ち、今シーズン初戦のスプリングカップはほとんど勝ったようなレースで2着。前走オープン決勝混合も1番人気にこたえて接戦を制した。好調度ではこちらのほうが上かもしれない。
ホクショウダイヤは、昨シーズンのチャンピオンカップで念願の重賞初制覇を果たし、今季初戦のスプリングカップも勝利。今シーズンこそ古馬重賞戦線での活躍が期待される。
カネサブラックはどうだろう。ばんえい競馬では過去に例がないほどの安定感を誇っていたものが、チャンピオンカップで9着に負けたあと5着、9着。期待されたばんえい記念はコロナウィルスの影響で回避となり、マイナス30キロで出走してきた今季初戦のスプリングカップは6着。ここで一気に立て直しているとは考えにくい。
この重量ならホッカイヒカルにチャンスも。
◎ギンガリュウセイ
○フクドリ
▲ホクショウダイヤ
△カネサブラック
△ホッカイヒカル
フルゲート10頭に、高知から3頭、船橋、金沢から各1頭が遠征、笠松では最高賞金の地方全国交流らしいレースになった。
ここは金沢から遠征のジャングルスマイルに期待したい。ダートグレードではちょっと壁が高いかなというのが見えてしまい、前走スプリングカップでもナムラダイキチとの一騎打ちに敗れてしまったが、地方同士でこのメンバーならタイトルを狙えるだろう。2600メートルの北國王冠ではナムラダイキチをクビ差でしりぞけた経験もあり、2500メートルという距離は望むところだろう。
相手には高知のタンゴノセック。南関東では重賞入着級で、高知に移籍後重賞3勝。前走二十四万石賞は、逃げ粘るチュニジアンブルーをゴールギリギリのところでとらえた。辛勝ではあったが、あらためて高知古馬ナンバー1をアピールしたといっていいだろう。高知勢は2008年のこのレースでスペシャリスト、サンエムウルフが1着3着と大健闘。今回は3頭が遠征しているだけに、その再現があるかもしれない。
船橋のタートルベイは、金沢時代に長丁場の北國王冠と中日杯を連勝したが、その後移籍した南関東では重賞で惜しいレースがあっても勝ち星を挙げられないまま。前々走金盃での2着も展開に恵まれた感じで、上記2頭と互角の勝負とまでいくかどうか。
地元勢では、東海桜花賞、東海ゴールドカップと重賞2勝のエイシンフレンチ、オープンで常に上位争いのエイシンブイダンスのエイシン軍団2頭がどこまで迫れるか。
高知勢ではもう1頭、成績にムラがあるものの、高知県知事賞ではタンゴノセックを振り切って制したキングサラディンの大駆けがあるかどうか。
◎ジャングルスマイル
○タンゴノセック
▲タートルベイ
△エイシンフレンチ
△エイシンブイダンス
△キングサラディン