ホッカイドウ競馬のシーズン最初に行われる3歳馬による重賞だけに、休養明けの馬、他地区から戻ってきた馬など、様々に過ごしていた馬たちの対戦ということで力の比較が難しく、過去5年でも1番人気の成績は【1121】と人気はあまりアテにならない。昨年は、1年前のスーパーフレッシュチャレンジを勝って以来というパフォーマンスが1年ぶりのレースをいきなり勝って驚かされた。今年も南関東から戻ってきた馬が2頭いるほかはこれが3歳初出走となるだけに難解だ。
実績的にはやはりロクイチスマイルが筆頭。エーデルワイス賞JpnIIIで3着、兵庫ジュニアグランプリJpnIIで4着と、ダートグレード戦線で好走した。東京2歳優駿牝馬は輸送が続いたことなどもあって10着に敗れたが、そこから立て直して、距離も1200メートルに短縮される今回は力を発揮するのではないか。
怖いのがアテーナだ。リリーカップを取消して昨年7月以来の実戦だが、デビュー戦は2着に2秒3差をつける大差圧勝。続く2歳オープンは1番人気に支持され、直線では一旦先頭に立ったものの、うしろから来た馬に差されて4着。しかしこれは前3頭が競り合ってのもの。スピードがあるのは間違いなく、どれだけ仕上がっているかだろう。
ハイタッチはJAR芝のコスモス賞で、その後の皐月賞馬ゴールドシップにコンマ4秒差の5着と好走。しかし栄冠賞ではブービーの13着、ブリーダーズゴールドジュニアカップでは最下位に敗れているだけに、ダートの適性がやや疑問。
ゲンキは、JRAの芝と北海道2歳優駿JpnIIIで惨敗した以外の4戦はいずれも3着以内と上位争い。2歳時に重賞を争った馬たちが抜けた今回のメンバーなら上位争いも可能。
フレンズアートはリリーカップでレイモニの4着。2歳時は5戦してすべて5着以内と安定した成績。8月以来の実戦で上積みがあれば。
サクラシエラは重賞・特別の経験はないものの、6戦してすべて4着以内と大崩れがない。初めての重賞でどこまで。
◎ロクイチスマイル
◯アテーナ
▲ハイタッチ
△ゲンキ
△フレンズアート
△サクラシエラ
大高坂賞では、ようやく高知勢を相手に重賞制覇を果たしたクラマテング。続く前走ファイナルグランプリではグランシュヴァリエと真っ向勝負で9着に敗れたが、今回は地元同士の対戦で、しかも得意の2000メートル超の長距離戦となれば負けられない一戦。このレースには4連覇がかかる。
近走好調な馬が何頭かいて相手は難しいが、兵庫から転入4戦目、今回が重賞初挑戦となるサマースピードを狙ってみたい。転入して2連勝後の前走はゲットワンダーにうまく逃げ切られたが、中団よりうしろを追走し、3~4コーナーでは一気に前をとらえる脚を見せた。今回はゆったり流れる長丁場で、早めに仕掛けていけば勝負になるのではないか。
グラスヴィクターには兵庫の田中学騎手が騎乗する。中央から転入後13戦10勝。負けた3戦はいずれも重賞だが、前走ファイナルグランプリはグランシュヴァリエに離されたとはいえ2着を確保。福山では前走が初めての1800メートルで、今回はさらなる距離延長が不安だが、それさえ克服すれば上位争いも。
ゲットワンダーは、4連勝で前走A1・2組特別を勝利。重賞初挑戦の今回はさらに相手強化で、いきなり勝ち負けまではどうか。
ナリタチャレンジは、福山大賞典ではクラマテングにハナ+半馬身差まで迫る3着と好走。名古屋に遠征した梅見月杯での7着はともかく、大高坂賞、ファイナルグランプリは着順こそ3、4着だが、勝ち馬からはともに1秒以上の差をつけられた。今回も連下争いまで。
フレアリングマリーも、福山大賞典ではクラマテングにあわやハナ差まで迫る激走。しかしその後のレースぶりから、今回もよほど恵まれないと厳しい。
◎クラマテング
◯サマースピード
▲グラスヴィクター
△ゲットワンダー
△ナリタチャレンジ
△フレアリングマリー
グランダム・ジャパンのシリーズに組み込まれた効果だろう。他地区から5頭の遠征があり、馬券的にも興味深い一戦となった。
3か月ぶりの実戦にはなるが、道営から転入して2連勝のレコパンに期待してみたい。転入初戦ではエスワンプリンスを相手にしての勝利。エスワンプリンスといえば飛燕賞を圧勝し、ここまで6戦5勝2着1回。唯一先着を許したのがこのレコパンだ。地元の意地も見せたいところ。
実績最上位は兵庫から遠征のメイレディだろうか。2歳時には牡馬相手に兵庫若駒賞を制し、しかし重賞では2着が4回もある。たしかに強敵相手ということもあったが、一方で1番人気も2回あった。実力があることはたしかだが、勝ちきれない面もあるのかもしれない。そういう意味では期待しながらも相手評価まで。
ガイヤクインは、花吹雪賞を圧勝し、飛燕賞は離された3着とはいえ牝馬では最先着だった。福山に遠征した若草賞は案外だったが、地元に戻って巻き返したいところ。
ガルシーズンは、花吹雪賞4着に飛燕賞5着と牝馬同士ならガイヤクインに続く存在。
福山期待のクーヨシンは、地元の同世代同士ならほぼ無敵だが、他地区が相手となるとやや苦戦。佐賀への遠征で馬券圏内に食い込みがあるかどうか。
不気味なのがトリックトート。佐賀でデビューするはずが出走を取り消し、大井に移籍して新馬戦を勝利。しかしその後は今ひとつの成績で、佐賀に戻って2戦目の前走を勝利した。その前走は古馬B2級を勝利。3歳牝馬がこの時期にB級戦を制したという実力なら一発があっても不思議はない。
◎レコパン
○メイレディ
▲ガイヤクイン
△ガルシーズン
△クーヨシン
△トリックトート
昨年、ダート交流重賞戦線を賑わしたエーシンクールディが4か月ぶりの復帰戦となる。主戦の岡部誠騎手が落馬負傷のため、今回は兵庫のリーディング木村健騎手が呼ばれた。その意気込みを買ってこの馬から。昨年秋以降は、レディスプレリュード、JBCレディスクラシック、クイーン賞JpnIIIと、牝馬同士とはいえ一線級を相手に常に先行するスピードを見せた。特にレディスプレリュードでは直線でも先頭であわやという場面があった。今回は牡馬が相手とはいえ地方同士。笠松転入後、地方同士ではまだ負けていない。
ジーエスライカーも、大井時代はさきたま杯JpnIIで2着などダートグレードで善戦していた。JBCスプリントJpnIでもハナを切って直線まで先頭と、スタートダッシュの速さなら中央馬相手でもヒケをとらない。中央に移籍しての1戦は9着だったが、勝ち馬から1秒差とそれほど離されていない。1400メートルは守備範囲で、名古屋の短い直線なら粘り込む可能性も。
エーシンエフダンズは、中央時代は芝の短距離で活躍したが、兵庫に移籍して笠松、福山で重賞勝ちとダートにも慣れてきた。ただこれまでのレース内容から、◎○の2頭が相手では苦戦するかもしれない。
そのほかで重賞を勝っているのは、新春盃のロードグリンだけというメンバーだけに上記3頭の争いとなろう。連下に食い込む可能性としては、中央オープンから転入して名古屋のオープンで2着2回のダイワマックワン。やはり中央オープンからの転入で2戦目の変わり身に期待してマヤノツルギまで。
◎エーシンクールディ
◯ジーエスライカー
▲エーシンエフダンズ
△ダイワマックワン
△マヤノツルギ
新年度の第1回開催に行われている重賞で、例年であればここが冬季休催明け初戦となる馬がほとんどだったのが、今年は3月にも開催が行われたことで、3月に1走または2走している馬たち同士の対戦となった。
やはり今回もジャングルスマイルとナムラダイキチの一騎打ちという様相だ。
11月の北國王冠では3コーナーから2頭がびっしり叩き合ってジャングルスマイルがクビ差で勝利。12月の中日杯でも2頭の一騎打ちとなり、今度はナムラダイキチが2馬身半突き放した。ちなみに両レースとも3着には大差がついていた。これまでの対戦からも2頭の間に実力差はあまりない。
それぞれ前走のレースぶりからジャングルスマイルのほうが順調と見て本命にする。3月29日の前走は、内枠からハナを奪うと、軽く追われただけで後続を楽に突き放した。
対するナムラダイキチの3月18日の前走は、中団を追走し、道悪だったとはいえ向正面から追いどおし。粘るヒカルマンテンボシにようやく3/4馬身差をつけての勝利だった。そのひと叩きで変わってくる可能性もあるが、まだ本来の調子ではなさそう。
3着争いの筆頭はヒカルマンテンボシ。中日杯は2強から離されたとはいえ3着を確保。前走もナムラダイキチ相手に最後まで食い下がり、3着馬には3馬身差をつけた。2強以外のメンバーでは能力上位で、金沢転入後、勝ち星がないとはいえ成績は安定している。無理に2強を負かしに行ったりしなければ、順当に3着という可能性が高い。
2強との対戦で何度か掲示板を確保しているコスモシェアト、マーベラスキングらが、馬券圏内の争いに加わってくるかどうか。
◎ジャングルスマイル
◯ナムラダイキチ
▲ヒカルマンテンボシ
△コスモシェアト
△マーベラスキング