楠賞は、03年までは"アラブのダービー"として歴史を築いてきたが、04年からはサラブレッド3歳以上の重賞として一新。その04年から07年が別定戦、08、09年が馬齢重量戦、昨年からはハンデ戦として行われている。馬齢重量戦だった年はともかく、昨年、そして別定だった07年以前は実績馬が強く、05年を除いてもっとも重い斤量の馬が勝っている。05年にしても他馬より4キロ以上重い重量を背負ったロードバクシンが2着に入っているだけに、斤量差はあまり気にする必要はなく、素直に実績を評価してよさそうだ。
3歳で56キロは楽ではないかもしれないが、ホクセツサンデーに勢いがある。今年8戦して4勝、2着3回、3着1回。何よりここ2戦は古馬A2特別で4馬身差、5馬身差といずれも完勝という内容で連勝。もはやオープンでも通用する実力といってよさそう。1870メートルは2戦してともに2着だが、兵庫チャンピオンシップJpnIIで中央馬相手ならむしろ評価できるし、もうひとつは兵庫ダービーで、いまや全国レベルで活躍しているオオエライジンの2着。MRO金賞では3着に敗れたが、勝ったナムラダイキチは13日の北國王冠でジャングルスマイルにクビ差まで迫ったほどの実力。2着のアムロも笠松のA3特別で圧勝と、いずれもそれぞれの地区で古馬のトップクラスと互角に戦えるだけの実力の持ち主。ホクセツサンデーも、古馬相手の重賞での活躍が期待できそうだ。
実績最上位は、当然トップハンデのキヨミラクル。昨年7月22日のA1特別以降、すべてオープン級のレースで4着以内という堅実な成績。昨年のこのレースでもコンマ3秒差の3着だった。今年正月の新春賞以来の重賞勝ちがかかる。
サワノファインも昨年9月23日以降はすべて5着以内。重賞勝ちはないが、姫山菊花賞5着、園田チャレンジカップ4着。近走の成績にA1特別の勝ち星があまり見当たらないメンバーなら、順番が回ってくる可能性はある。
前走姫山菊花賞でコンマ5秒差とそれほど差のない5着のタガノバロット、グランダム・ジャパン3歳チャンピオンのマンボビーンも52キロなら、馬券圏内に食い込む可能性も。
◎ホクセツサンデー
◯キヨミラクル
▲サワノファイン
△タガノバロット
△マンボビーン
今シーズンの金沢競馬は、最終日が12月27日。近年は年明けまで数日間開催があったが、年末年始は雪で中止になることもめずらしくなかった。そういう意味でも年内中に開催を終えるのは賢明だと思う。これにともない、年明けに行われていたプリンセスカップもこの日に移動。そもそもここ何年かは牡牝混合のヤングチャンピオンのあとに牝馬限定のプリンセスカップというのは違和感があった。今年のようにプリンセスカップ→ヤングチャンピオン(12月13日)という順番のほうがしっくりくる。
中心はジュウワンブライト。1500メートルは全馬経験がないが、1400メートルでは常に自分の持ち時計できっちり走る。そして前走、2歳特別での勝ちタイムは、今回のメンバーの持ちタイムで最速。牝馬同士なら上位争いは間違いない。
実績ではアルドラのほうが上かもしれない。デビューからの2戦、JRA認定競走はいまひとつの成績だったが、3戦目からは4戦連続連対。兼六園ジュニアカップでの2着に加え、その4戦では牝馬には先着されていない。先行するジュウワンブライトに、アルドラの追い込みが届くかどうかという展開になりそう。
ラブリーホープは、8戦中7戦で3着以内を確保。唯一掲示板を外したのが兼六園ジュニアカップでの7着。とはいえ上記2頭とは差のない競馬もしているので、割って入ることができるかどうか。
同様にシンカンイチコも兼六園ジュニアカップ(9着)以外の4戦は3着以内と安定した成績。さらにドリームパワーは、ここ2戦でシンカンイチコと1勝1敗で、実力に差はない。
◎ジュウワンブライト
◯アルドラ
▲ラブリーホープ
△シンカンイチコ
△ドリームパワー