今シーズンは勝ち星が遠かったギンガリュウセイだが、ここに来て2連勝と調子を上げてきた。昨年の北見記念では5番人気ながらニシキダイジンの2着。今シーズンの古馬重賞で狙うと決めた馬。高重量戦となるこれからがまさに狙いだろう。1着の◎ではなく、あくまでも連軸としての◎。
調子を上げてきたと言えば、フクイズミも同様、ここに来て2連勝。ばんえいグランプリは30キロ差のニシキダイジンに僅差の3着。今回は40キロ差と、負担重量的に楽になるだけに、普通に考えればこの馬が筆頭。
5歳2強の1頭、キタノタイショウは前走で8着に負けたものの、オープンの一線級ともたびたび互角のレース。特に北斗賞での3着時は、上記2頭に先着。別定重量での加増がなく、基礎重量で出走できることも有利だ。
今季絶好調のニシキダイジンだが、それだけに今回はメンバー中唯一、別定でプラス20キロを課せられ、840キロという負担重量だけに苦しむ場面はあるかもしれない。
5歳2強のもう1頭フクドリ、そしてホクショウダイヤは、ともに重賞で上位争いにからんでいるだけに、ここでもチャンスは十分。ともに別定10キロ加増の負担重量は微妙だが、それでも上位争いに食い込めれば本物だ。
◎ギンガリュウセイ
○フクイズミ
▲キタノタイショウ
△ニシキダイジン
△フクドリ
△ホクショウダイヤ
せきれい賞を制した北海道のマチカネカミカゼがここでも最有力。そのせきれい賞は、地元の芝巧者ボスアミーゴを半馬身差でしりぞけての勝利。中央時代の芝での2勝が1600メートルと1800メートルなら、むしろ距離適性はせきれい賞よりこちら。前走、札幌日経オープンは、着順こそ9着だが勝ち馬からコンマ6秒差。昨年のこのレースの勝ち馬、コスモヴァシュランが中央芝のオープン特別に4度挑戦していずれも1秒以上の差をつけられているだけに、その比較でもマチカネカミカゼのほうが力は上と考えられる。
相手には、地元の意地を見せたいボスアミーゴ。昨年のこのレースは5着だったが、07~09年は3年連続して2着と悔しい結果が続いた。今シーズンはここにきて芝で3戦連続連対と好調。せきれい賞の雪辱を果たしたいところ。
3歳のダブルオーセブンにも期待できそう。道営から船橋に転厩し、中央に挑戦した共同通信杯GIIIではあわやの5着。今年再び道営に戻り、中央に挑戦した前走、札幌日経オープンではマチカネカミカゼに先着の8着。こちらも芝でこそという馬だ。
笠松のエイシンタイガーは、中央の芝オープンでの活躍馬。地方での3戦は、やや離されての敗戦が続いているが、芝に戻ってどうか。ただ、実績が1400メートルまでしかないのが気になるところ。
盛岡の芝重賞を3勝しているコスモヴァシュランだが、今回は道営勢が手強そう。年齢的なものか、昨年ほどの勢いがないだけに、勝ち負けまではどうか。
◎マチカネカミカゼ
○ボスアミーゴ
▲ダブルオーセブン
△エイシンタイガー
△コスモヴァシュラン
2歳時はデビューから3連勝で九州ジュニアグランプリを制したリョウマニッポンだが、半年の休養から復帰した今春はいまひとつの成績。しかし九州ダービー栄城賞の3着できっかけをつかんだのか、その後は古馬B2特別で2、1、2着。古馬B級でレースをしている馬がほかにいないことからも実力最上位と見る。
恐いのが高知から遠征のセトノジェントル。中央未勝利から転入して、10戦7勝、2着2回、3着1回。そのうち福山への遠征でも3戦3勝という成績から、ここでも勝負になって不思議はない。ただ地方では1400メートルまでしか経験がないのが気になるところ。
スペシャルドリームは、九州ダービー栄城賞7着や、7月の古馬C1戦での大敗などあまり目立つ馬ではなかったが、JRA小倉遠征を挟んで、8月に古馬C1戦初勝利を挙げると、前走ではやはり古馬C1戦で7馬身差の圧勝。ここにきて急激に力を付けている可能性はある。
ドゥルキスは、中央未勝利から転入して3歳戦を僅差の決着で3連勝。3歳馬同士とはいえ、はじめての重賞でどこまでやれるか。
ジョールーチェは荒尾の古馬C級で4連勝中。特に前走は6馬身差の完勝という内容なだけに、同じく初めての重賞でどうか。
◎リョウマニッポン
○セトノジェントル
▲スペシャルドリーム
△ドゥルキス
△ジョールーチェ
ギンガセブンといえば、人気薄で3着に粘った関東オークスがキョーレツな印象だった。その後、南関東の古馬B級でイマイチの成績だったとはいえ、高知に転厩初戦のA-2選抜が快勝だったので、秋桜賞ではエーシンクールディと馬連複1点勝負をしたのだが、惜しくも3着。とっても悔しい思いをした。エーシンクールディからは5馬身+クビ差。兵庫の重賞で勝ち負けのキーポケットに先着なら、ここでも十分勝負になるだろう。
強敵はプラネットワールド。前走、1番人気に支持された建依別賞は、3コーナーで先頭に立って後続を寄せ付けず、まさに快勝というべきレース内容で重賞初制覇となった。ただ今回1900メートルという距離なら、ギンガセブンのほうに分があると思うのだが。
トレノ賞と福山の金杯を制したマルハチゲティだが、1番人気に支持された前走のA-1特別でギンガセブンの4着に敗退。この3頭の勝負付けはまだ済んでない感じなだけに、どんなレースになるか楽しみなところ。
スウィングベルは、中央未勝利から転入して福山遠征も含め20戦17勝。4走前のヴェガ特別では、1~2コーナーでハナを奪ったもののプラネットワールドに早めに来られて9着に沈んだ。ただ大敗はこの一戦のみ。初めての重賞と、1900メートルという距離が課題だが、このメンバーに入って食い下がれるかどうか。
イーグルビスティーは、福永洋一記念を6番人気で制し、続くA-1特別も連勝したものの、その後はいまひとつの成績。しかし建依別賞ではプラネットワールドの2着と好走した。ここ一番で力を発揮するタイプなのかもしれない。
◎ギンガセブン
○プラネットワールド
▲マルハチゲティ
△スウィングベル
△イーグルビスティー
道営ホッカイドウ競馬は、「ブリーダーズゴールドカップJpnIIが終わると後半戦に突入し一気に秋が来る」と言われる。たしかに古馬の中長距離戦線も、このステイヤーズカップ、瑞穂賞(10月19日)、そして道営記念(11月17日)というスケジュールを見るとそう思わざるをえない。
昨年の道営記念で期待を裏切り5着に敗れたクラキンコにとっては、そのシーズン最後の大一番に向けて落とせない一戦。前走、ブリーダーズゴールドカップJpnIIでは中央との力の違いを見せつけられたが、地方最先着は確保した。2600メートルは王冠賞を制した舞台。父クラキングオーは、当時は札幌2400メートルだったが、ステイヤーズカップは01年と02年に連覇。北海優駿、王冠賞に続いて、このレースにも父仔制覇がかかる。
強敵となりそうなのが、連覇を狙うマキノスパーク。南関東ではB級で勝ちきれなかったが、復帰初戦となった2000メートルのオープンを快勝。昨年後半同様、秋の古馬中長距離重賞3戦を目指して戻ってきた。
リアライズトロイカは星雲賞でマイペースの逃げを打ち、あわやそのまま押し切るかというところ、クラキンコがようやくクビだけとらえたところがゴールとなった。長距離戦だけに、マイペースの単騎逃げに持ち込まれるとこわい。
昨年の王冠賞でクラキンコに3/4馬身差まで迫ったのがサムライジャパン。今シーズンはB4~A4の条件特別で7戦してすべて3着以内という堅実な成績。初めての古馬重賞でどこまでやれるか。
09年の道営記念を制したコパノカチドキは、それ以来勝ち星がないとはいえ、昨年の道営記念では半馬身差の2着、今年のコスモバルク記念でもクラキンコから0秒3差の3着と重賞でも善戦。復活を期待したいところ。
ロードキャニオンは、中央の芝中長距離で準オープンまでは勝ったが、重賞では頭打ち。今年夏に転入してオープンで3、3着。門別のダートに慣れてくれば上位食い込みも。
◎クラキンコ
○マキノスパーク
▲リアライズトロイカ
△サムライジャパン
△コパノカチドキ
△ロードキャニオン