地元兵庫でデビューから3連勝のアスカリーブルか、デビューから2連勝で秋風ジュニアを制した笠松のピースキャンドルか、この2頭の争いとなりそう。
ここは、勝ち方に余裕がある地元のアスカリーブルがさらに連勝を伸ばすと見る。前走の2歳一組戦は、2番手追走から3コーナーで持ったまま先頭に立ち、直線で追われてはいたものの後続を寄せ付けず完勝。まだまだ奥がありそうだ。
ピースキャンドルは秋風ジュニアで逃げ切り勝ちも、人気薄の馬に半馬身差まで詰め寄られた。重賞ではないものの出世レースを勝ったことは評価する必要があるだろう。
メイレディも連対圏内を狙えそう。3戦1勝、2着2回で、先着を許したのはアスカリーブルのみ。着差は0秒7、0秒5だけに、逆転できない差ではない。笠松のピースキャンドルがそれほど印象に残るレースぶりではないだけに、前2走に続いてアスカリーブルとのワンツーという可能性も。
経験豊富なビザンローズ、名古屋のミヤシンボーラーは、成長次第では馬券圏内も。
◎アスカリーブル
○ピースキャンドル
▲メイレディ
△ビザンローズ
△ミヤシンボーラー
リーヴザネストに重賞制覇のチャンスが巡ってきた。中央未勝利から昨年夏に名古屋に転入し、ここまで21戦して3着をを外したのは、昨年大晦日の尾張名古屋杯での4着のみ。前走、くろゆり賞では4コーナーで前とやや離れた5番手あたりから直線鋭い伸びを見せ、勝ったフジノアサハタに1馬身半差まで迫った。重賞勝ち馬が昨年のイヌワシ賞を勝ったエーシンエヴァンのみというメンバーなら期待が膨らむ。
ベルモントパッシオは、中央1勝から今年名古屋に転入して着実にクラスを上げ、初のA1特別挑戦となった7月のルビーオープンでマルカハンニバルの2着。重賞初挑戦となった名港盃では、勝ったキングスゾーンからコンマ4秒差の3着。そして前走ペリドットオープンでA1特別初勝利。キングスゾーンやマルカハンニバルなど、重賞で常に勝ち負けを争うクラスのメンバーがいないここなら、この馬にもチャンスは十分。
エーシンエヴァンは、昨年のイヌワシ賞(金沢)を制し、今年も地方同士の重賞なら常に掲示板確保の堅実派。くろゆり賞は、2着のリーヴザネストから2馬身差の3着。前走イヌワシ賞は、勝ったジャングルスマイルが強すぎたにしても、2着のナムラアンカーから1秒5も離された。近走の成績からは上記2頭と比べるとやや劣勢。ただすんなり好位につけて追走できれば粘り込む可能性はある。
中央から転入初戦の馬が2頭、セイウンワキタツと、エイシンフレンチ。ともに中央でのクラスは準オープンで、芝を中心に使われ、しかもレースは違うが前走の出走が4月24日と、共通点が多い。違いといえば、セイウンワキタツが1400メートル前後を中心に使われていたのに対し、エイシンフレンチは2000メートル以上が中心だったこと。地方のダートをこなして、全盛期に近い力を発揮できれば、当然勝負圏内。どこまで仕上がっているか。
マルヨシロワインは、大井から転入して4戦。前走のA2特別が初勝利で、徐々に力をつけているだけに、連下争いには加わってくる可能性はある。
◎リーヴザネスト
◯ベルモントパッシオ
▲エーシンエヴァン
△セイウンワキタツ
△エイシンフレンチ
△マルヨシロワイン
過去12回で笠松勢が5勝。07年は馬インフルエンザの影響で地元金沢所属馬のみで争われたことを考えると、笠松勢は11回のうち半数近くを勝利と強さを示している。今年もその笠松勢が強そうだ。
マーメイドジャンプはデビューから2連勝。前走の2歳1組戦は、向正面から3番手以下を引き離し、メモリーホワイトとの一騎打ち。マーメイドジャンプのほうは終始楽な手ごたえで、直線でメモリーホワイトを置き去りにすると7馬身差をつけた。その勝ちタイムが1分30秒0。タイムが出やすい不良馬場だったことを割り引く必要はあるが、たとえば笠松で10月に行われている重賞・ジュニアクラウンの勝ちタイムが近年は1分29秒台後半から30秒台であるところを見ると、マーメイドジャンプの勝ちタイムも重賞級であることがわかる。目一杯には追われてなかっただけに、展開次第ではさらにタイムを詰めることは可能だろう。
相手も笠松でアウヤンテプイ。認定新馬戦は4着に負けたものの、その後2連勝。特に前走は名古屋への遠征で、1番人気オーリーライアンとの一騎打ちを制し、3着に大差をつけた。まだまだ伸びシロがありそうな、可能性を感じさせるレースぶりだった。ちなみにアウヤンテプイという馬名はどういう意味かと思ったら、南アメリカのギアナ高地にあるテーブルトップマウンテンのうち最大の山で、意味は「悪魔の山」だそうだ(Wikipediaより)。
そのアウヤンテプイに1馬身差で2着に敗れたオーリーライアンも力差はない。展開次第では逆転も可能だろう。
地元金沢勢では、2戦してともに2着のシンカンイチコ。初戦で負かされた相手のドーリーガール、2戦目のドリームパワーは、目下のところともに2戦2勝という素質馬(ドーリーガールはすでに地方登録抹消)。その2頭と、ともに差のないレースをしていただけに、今回出走してきた地元勢では最有力と見てよさそう。
デビュー2戦目を好タイムで制した名古屋のグレンダウザー、デビュー3戦目を快勝した地元金沢のアルドラあたりにも可能性はありそう。
◎マーメイドジャンプ
◯アウヤンテプイ
▲オーリーライアン
△シンカンイチコ
△グレンダウザー
△アルドラ
ハンデに最大50キロ差があり、それを考え始めると、結果はどうにでもひっくり返りそうな感じのメンバー構成。
牝馬で700キロは楽ではないだろうが、今シーズン重賞初出走となるダイリンビューティを中心に狙ってみたい。3走前にA1-1・2組を勝ったという実力に加え、前走紅バラ賞は軽ハンデの馬たちを相手に差のない3着と好走。その紅バラ賞には、はまなす賞を制したツジノコウフクヒメも出ていたが7着。今回は、その紅バラ賞と同じくツジノコウフクヒメと20キロなら、引き続き好走が期待できそう。藤野騎手がホクショウバトルのほうを選んだのが気になるところだが、初騎乗となる安部憲二騎手の一発を期待したい。
相手筆頭にはファーストスター。柏林賞2着に、はまなす賞でも3着と、重賞はもう少しのところで勝てないものの確実に上位には来る。B1クラスで勝ち負けで、今回牡馬で700キロという重量も魅力に映る。
トレジャーハンターは柏林賞で1番人気に支持され4着、レットダイヤははまなす賞で1番人気となって4着。この2頭は実力は確かなだけに、あらためて巻き返しを期待したいところ。
ツジノコウフクヒメは、はまなす賞では負担重量に恵まれたこともあって勝利をものにした。そこに出走していた組との比較では、今回10キロ余分に負担することになってどうか。
ホクショウバトルは今シーズン7月からの始動。重賞は今シーズン初挑戦となるが、A2で3連勝の実力なら、ここでも勝ち負けになる可能性はある。
◎ダイリンビューティ
◯ファーストスター
▲トレジャーハンター
△レットダイヤ
△ツジノコウフクヒメ
△ホクショウバトル
全国交流の2歳重賞だが、遠征馬は北海道から1頭のみ。その1頭、イブニングラッシュが手ごわそうだ。ここまで4戦2勝、2着2回。フレッシュチャレンジで負かされた相手、ステルミナートは、中央芝に挑戦してラベンダー賞2着にコスモス賞4着。ともに勝ち馬からはコンマ2秒差と、展開ひとつでチャンスはあったという実力馬。3戦目にわずかアタマ差で負かされたリカチャンスは、その後に重賞のリリーカップで3着。つまりはこのイブニングラッシュも、ホッカイドウ競馬の重賞で上位を争えるくらいの実力は持っていると考えるべきだろう。距離経験が1200メートルしかないこと、さらには芝を経験していないというハンデはあるが、ホッカイドウ競馬の2歳馬のレベルを考えれば、地元勢に連戦連勝という馬がいないメンバーが相手なら、やはり実力は1枚も2枚も上と考えるべきだろう。血統的にも距離延長と芝でマイナスになる要素はない。また、過去3年連続でホッカイドウ競馬勢がこのレースを制しているということでも、そのレベルの違いはわかろうというもの。
地元勢の筆頭は、今回と同じ芝1600メートルの若鮎賞を制したワタリドラゴン。その若鮎賞で2着にしりぞけたエスプレッソは、それまで3戦3勝で、岩手のこの世代のトップを争っている馬。ワタリドラゴンには地元勢筆頭としての期待がかかる。
キモンパーティーは、その若鮎賞ではやや離されての3着だが、芝1000メートルのデビュー戦は好タイムで惜しくも2着。2戦してまだ勝ち星がないとはいえ、岩手勢同士なら上位を争える力はありそう。
以下もやはり若鮎賞組で、5着のマーライオンパーク、4着のハルトリーゲルら、ともに芝での勝ち星がある馬が有利だろう。
◎イブニングラッシュ
◯ワタリドラゴン
▲キモンパーティー
△マーライオンパーク
△ハルトリーゲル