笠松の2歳といえば、まずラブミーチャンに触れねばなるまい。もちろん全日本2歳優駿を勝ったばかりなので、ここには出てこないが。
29日の東京大賞典で、よほどの勝ち方をする地方馬でも出てこない限り、来年の地方競馬の話題はラブミーチャンが独占しそうなほどの人気だ。笠松の公式サイトによると、2月12日のゴールドジュニアで地元にお披露目をしたあと、JRA桜花賞のトライアルに向かうそうだ。そのゴールドジュニアには、どのくらいのファンが来場するのか今から楽しみだ。
さて、ライデンリーダー記念だが、ラブミーチャンのように連戦連勝という馬や、重賞勝ち馬がいないばかりか、メンバー中唯一の3勝馬マルヨサイレンスもその後は名古屋のレースで惨敗というメンバー構成で混戦必至。
ならば新興勢力から。ということで、ホッカイドウ競馬から移籍2戦目のホワイトロマンを狙ってみる。勝ち星はデビュー戦のフレッシュチャレンジのみだが、2歳オープンでは勝ち馬から1秒差の入着が2度。転入初戦は、同じく北海道からの転入組コロニアルペガサスの2着だったが、ラチ沿いの狭いところから抜け出すのに苦労していた。それがなければ、好勝負になっていたのではないだろうか。北海道で1700や1800メートルのレースを経験しているのもプラスだ。
相手には、やはり秋風ジュニアを勝ったマルヨサイレンス。その後名古屋ではいいところがないが、笠松コースに限ればデビューから3、2着のあと3連勝中。
3番手には、これもやはり北海道から転入のプティフルリール。笠松ではプリンセス特別3着の1戦のみで、未知の魅力はある。
ワイドサンデーはデビュー戦でラブミーチャンの2着で、3着馬には9馬身もの差をつけた。前走12月15日のJRA認定未勝利戦をまずまずの好タイムで走っているだけに、いきなりここで通用しても不思議はない。
プリンセス特別で1番人気に推されながらも5着に敗れたバトルアツヒメだが、今回のメンバーなら馬券圏内は十分に狙えそう。
◎ホワイトロマン
○マルヨサイレンス
▲プティフルリール
△ワイドサンデー
△バトルアツヒメ
ばんえいダービーは、02~05年には4年連続で牝馬が勝っていたが、その後ここ3年は牡馬が勝利。しかしその近3年も牝馬が2、2、3着と馬券検討の上では無視できない存在となっている。
ご存知のとおり、ばんえい競馬では牝馬の負担重量はマイナス20キロ。思うに、この一律マイナス20キロというのは、ソリの重量が軽ければ軽いほど割合的に有利だし、また牡馬よりも成長が早い牝馬の場合、若いうちはこのマイナス20キロというのが大きなアドバンテージになりそうに思うのだが、どうだろう。
定量戦のここは、やはりメンバー中、格付け最上位のキタノタイショウを信頼する。ばんえい菊花賞を制したあとも、450万特別でイッスンボウシから差のない3着、そして前走のオープン決勝混合では4歳のウメノタイショウにタイム差なしの惜しい2着だった。7月以降4着を外さない安定したレースぶりも光っている。同世代同士の定量戦なら、力は一枚も二枚も上だろう。
対するのは牝馬のワタシハスゴイ。ばんえい菊花賞は4着だったが、上位を占めたこの世代の牡馬3強ともほとんど差がなく、5着以下を離していた。その後、350万特別、ばんえいオークスを連勝。ばんえい菊花賞当時より力をつけている可能性はある。
ホクショウバンクは、ばんえい菊花賞3着のあと、350万特別や450万混合などで、5戦して3勝、2着2回と好調を持続。重賞でもこれまで4戦して2勝、3着2回と崩れたことがなく、ここでも勝ち負けにからむことは間違いない。
ばんえい菊花賞2着のアオノレクサスは、その後270万特別で今ひとつのレースが続いているだけに、上記3頭と比較すると今回はやや分が悪そうだ。
◎キタノタイショウ
○ワタシハスゴイ
▲ホクショウバンク
△アオノレクサス
3連覇を狙うワンパクメロと、前走九州大賞典でそのワンパクメロをしりぞけた3歳の上がり馬ミヤノオードリーの一騎打ち。
ここは前々走の雷山特別でもワンパクメロをしりぞけているミヤノオードリーに期待する。今年前半の3歳馬同士のレースでは、飛燕賞3着のほか、トップクラスでそこそこの競馬はしていたものの、勝ち切れないレースの連続だった。しかし夏にJRA小倉の芝500万特別に挑戦。2戦してともに7着と掲示板には載れなかったものの、勝ち馬からは0秒6差、0秒5差とまずまずの競馬をしていた。そして地元に戻って出走した九州3歳の3冠目、ロータスクラウン賞では向正面で先頭に立つと後続をぶっちぎっての圧勝。さらに古馬との対戦でも、雷山特別、九州大賞典と連勝。芝の厳しいペースで鍛えられ、急激に力をつけたと見てよさそうだ。
対するワンパクメロは、今年は10月に1800メートルのA1特別で1勝を挙げたのみ。一昨年、昨年ほど順調にはきていない。前走2500メートルの九州大賞典ではミヤノオードリーにゴール前で半馬身まで迫ったが、2000メートルに戻って同じような末脚を使えるかどうか。
九州大賞典3着のヘイアンレジェンド、前走雲仙岳特別でそのヘイアンレジェンドを負かしたアルカライズが連下候補で、2強の一角を崩せるかどうか。
◎ミヤノオードリー
○ワンパクメロ
▲ヘイアンレジェンド
△アルカライズ
このメンバーならラヴェリータにチャンスが巡ってきた。ハンデの54キロも恵まれた。前走ジャパンカップダートGIでの13着は、3歳牝馬にはあまりにも厳しいレースだっただけに度外視していいだろう。武蔵野ステークスGIIIでは、出遅れて4コーナーでも後方2番手という位置から押し上げ、勝ち馬から0秒4差の5着と健闘。上がり3ハロンは、メンバー中最速の36秒2という脚を使った。出遅れグセが気になるところだが、昨年の勝ち馬スマートファルコンも出遅れたものの岩田康誠騎手が冷静にレースを運んで圧勝した。岩田騎手といえば、06、07年はリミットレスビッドで、昨年はスマートファルコンで、このレース3連覇中。今年はラヴェリータで4連覇の期待がかかる。
相手にはリミットレスビッド。10歳でも前走JBCスプリントJpnI3着の走りを見れば、さすがに上積みはないだろうが、衰えも感じさせない。昨年のこのレースは3着に敗れたが、そのときが59キロ。今回57.5キロは恵まれた印象だ。登録段階では福永祐一騎手の予定だったが、落馬負傷により地元兵庫の木村健騎手で臨む。
トーセンブライトは、今年3月の黒船賞JpnIIIでは3コーナーから絶好の手ごたえで先団に取りつき、直線あっという間に突き放すという圧巻のレースを見せた。その後勝ち星がないとはいえ、1200~1400メートルではそれほど差がなく上位に食い込む安定したレースをしているだけに、今回も堅実に走ってくるはず。
地方の筆頭格は地元のベストタイザン。1400メートルのスペシャリストで、昨年こそ9着だったが、一昨年は勝ったリミットレスビッドから0秒2差の4着と好走した実績がある。今回もそのときと同じ54キロ。馬券圏内の可能性は十分にある。
ヴァンクルタテヤマはサマーチャンピオンJpnIII連覇など、勝つときは強いレースをするが、負けるときはあっさり。しかも過去の成績を見ると冬はあまり得意ではないようだ。トップハンデ58.5キロでもあり、今回は厳しいレースとなるだろう。
◎ラヴェリータ
○リミットレスビッド
▲トーセンブライト
△ベストタイザン
△ヴァンクルタテヤマ
マコトスパルビエロは、マーキュリーカップJpnIIIと日本テレビ盃JpnIIを連勝し、今年夏以降、充実したレースぶりを見せた。
昨年のこのレースの覇者、ワンダースピードも今年は平安ステークスGIII、東海ステークスGIIと重賞2勝。
両馬は今年名古屋で行われたJBCクラシックJpnIで、勝ったヴァーミリアンからアタマ、クビ差で2、3着と大接戦を演じた。今回、距離は1900メートルから2500メートルにに延びるが、コース適性はもちろんのこと、どちらも距離延長を問題にするタイプではないだけに、この2頭の争いと見る。マコトスパルビエロは平安ステークスGIII3着、東海ステークスGII4着と、ワンダースピードに負けていたが、その後に力をつけたと見てこちらを本命にする。
昨年のこのレース2着のメイショウトウコンは、それ以来連対がない。前走ジャパンカップダートGIは7着で、マコトスパルビエロ(9着)、ワンダースピード(15着)に先着しているが、いつものとおり後方追走から差をつめただけ。圧倒的に強いレースをしたエスポワールシチーによる厳しい流れで、先行勢で残ったのは4着のサクセスブロッケンのみ。マコトスパルビエロは向正面で2番手に押し上げる積極的なレース運び、ワンダースピードも3番手追走と、両馬にとっては厳しいレースをしての結果と見る。
マイネルアワグラスは、重賞勝ちが昨年のシリウスステークスGIIIのみで、実績的に上記3頭より見劣る。ただ鞍上の松岡正海騎手は日曜日の阪神カップで降着処分となり、今週末は騎乗停止で有馬記念のマイネルキッツにも乗れない。この名古屋グランプリが今年最後の重賞騎乗になる可能性が高く、ここに賭けているかもしれない。
地方勢では、トライアルの東海菊花賞をヒシウォーシイが逃げ切り圧勝。昨年の東海ダービー以来の重賞勝ちとなった。マイペースで逃げの形に持ち込み、中央の有力勢が牽制し合えば、直線の短い名古屋コースだけに粘り込みもあるかもしれない。06年に9番人気で2着となったレッドストーンはそのパターンだった。
◎マコトスパルビエロ
○ワンダースピード
▲メイショウトウコン
△マイネルアワグラス
△ヒシウォーシイ