2週前のステイヤーズカップが10頭立て(実際にはカオリノーブルが取消したので9頭立て)だったのに対し、こちらは牝馬限定戦とはいえ14頭と頭数が揃った。
ホワイトリーベは今シーズン中央1000万から転入し、いきなり牡馬相手のオープンを2連勝。前走は逃げて直線まで先頭で粘っていたが、最後は交わされて5着。とはいえそれほど差はつけられていない。今回は別定57キロともっとも重い斤量だが、牝馬同士なら負けられないところ。
クロスウォーターは、前走9月9日のオープンで転入3戦目での初勝利。大逃げのモエレソーブラッズから離れた2番手を追走し、直線ではラチ沿いを突いて抜け出す強い勝ち方。昨年3歳時には名古屋・駿蹄賞を制し、今年は東海のA級で善戦していた。前走のようなレースができれば再び重賞タイトルのチャンス。
トワイライトワルツも中央1000万から転入し、オープンで4、3着。前走では最後方追走から直線でホワイトリーベを交わしているだけに、展開次第では一発もありそう。
アースファイヤーは1800メートルのB級を3連勝中。勢いで上位食い込みの可能性も。
牝馬で唯一ステイヤーズカップに挑戦し、3着に食い込んだのがオンワードメモリア。中央未勝利で、北海道でもC1までしか勝ち星はないが、ステイヤーズカップで互角の勝負をした経験を生かしたいところ。
アーペレーヌは昨年の2着馬。1年以上勝ち星から遠ざかっていて、特にここ3戦は中央馬相手に惨敗。ただ地元馬同士なら牡馬相手のオープンで善戦もあり、可能性は捨てきれない。
◎ホワイトリーベ
○クロスウォーター
▲トワイライトワルツ
△アースファイヤー
△オンワードメモリア
△アーペレーヌ
ギオンゴールドに九州3冠がかかる一戦。前々走の黒髪山特別では古馬オープンを撃破。この時期の3歳馬が古馬オープンを勝つのは異例のことで、それだけ力が抜けていると見ていい。死角を探すのが難しく、よほどの調子落ちやアクシデントでもない限り負けないだろう。
ギオンゴールドにとっては、すでにほとんどが勝負付けの済んだ相手ばかりで、それならまだ底を見せていない高知のリワードブライトンの一発に期待をかけてみたい。中央未出走のまま高知に転厩し、デビュー2戦目に臨んだ高知優駿は2番人気と期待されながらも5着に敗れた。経験不足もあり、続く古馬E6戦も2着に敗れたが、それ以降は目下4連勝中。九州ダービー栄城賞で2着だったグランシングの敵討ちとなるかどうか。
格付的には、B2クラスを勝っているマイネサブリナ、スターオブジュディがギオンゴールドに続く存在。
荒炎賞でギオンゴールドに1馬身まで迫ったテイエムヒッカテが、アウェーでどこまでやれるか。ギオンゴールドにとっては、正月の古馬B級戦でアタマ差の辛勝があったが、それ以降のレースではもっとも差を詰められているだけに、イヤな相手かもしれない。
◎ギオンゴールド
○リワードブライトン
▲マイネサブリナ
△スターオブジュディ
△テイエムヒッカテ
今シーズン金沢ナンバーワンの期待がかかるヒカルベガは5月以降出走がなく、ノーブルシーズ、ビッグドンなどは中長距離を中心に使われているため、それらのメンバーが抜けると、金沢の古馬勢は今ひとつ層が薄い。出走してきたのも3頭のみで、やはり東海・兵庫からの遠征馬が中心となりそうだ。
5月に尾張名古屋杯を制しているハードインパルスに期待してみたい。一線級が顔を揃えたオッズパークグランプリ2009はさすがにハードルが高く7着に敗れたが、上位3頭はダートグレードで勝ち負けをしているようなレベルの馬たち。そのメンバーに入って勝ち馬から1秒8差なら悲観する内容ではない。その後、地元名古屋に戻ってA2特別、A3特別と連勝中。オッズパークグランプリで強いメンバーに揉まれた経験が生きるはずだ。
相手には兵庫のラガーリーダー。昨年初頭に中央から移籍し、休みながら使われているものの、オープンクラスで9戦して3着を外したのは1回のみという堅実な成績。今年正月の新春賞2着、前走園田チャレンジカップ2着があり、このメンバーに入れば確実に能力上位。
中央1勝で今年笠松に転入したオーメドックは、その後3着を外さない堅実ぶりで、前走はA2特別を勝った。今シーズン重賞3勝と好調の吉原寛人騎手を起用してきただけに、一発があるかもしれない。
地元勢では、イヌワシ賞で地元最先着4着のナムラグローリーがどこまでやれるか。そのイヌワシ賞を勝った名古屋・マヤノグレーシー、2着の兵庫・キクノアローなどと比べれば、今回のメンバーは一枚落ちるだけに、上位食い込みを狙いたいところ。
牝馬同士の読売レディス杯を制し、イヌワシ賞6着のアウロラプラネットがこのメンバーに入ってどこまでやれるか。
◎ハードインパルス
○ラガーリーダー
▲オーメドック
△ナムラグローリー
△アウロラプラネット
オノユウにとっては負けられない一戦。栄冠賞以来しばらく勝ち星から遠ざかっているが、牝馬同士のレースは今回が初めてで、JRAのラベンダー賞を別とすれば、まだ牝馬には先着されていない。ここ2戦は、直線じりじりとしか伸びずにいずれも2着に敗れているだけに、直線早めに抜け出して勝負を決めたいところ。
3勝しているのはオノユウのみで、続く2勝馬は2頭。しかしいずれも認定ではない未勝利勝ちのあとにようやくアタックチャレンジを勝った程度。ならば1700メートルのフレッシュチャレンジを差し切って1戦1勝のリアクションレートの可能性に期待してみたい。
重賞経験馬では、オリヅルが栄冠賞9着に、イノセントカップ4着。そのイノセントカップと、続く前走のウィナーズチャレンジ(3着)は、勝ち馬からそれほど離されず善戦し、牝馬では最先着を果たしている。今回のメンバーなら十分に上位を狙える。
前走1700メートルのウィナーズチャレンジをまずまずのタイムで4着のホワイトロマン、同じレースで5着のハーミアあたりが連下にからめるかどうか。
◎オノユウ
○リアクションレート
▲オリヅル
△ホワイトロマン
△ハーミア
6月21日の黒ユリ賞に続く、ばんえい3歳牝馬3冠の2冠目。クラス別定戦で、バレンタインカップと黒ユリ賞を勝っているウィナーミミ、ばんえい大賞典を制したワタシハスゴイの2頭が660キロ。ワタシハキレイズキとタワノアヤカが650キロで、そのほかは640キロという負担重量での対戦となった。
ここは3歳になってから重賞2勝と確実に力をつけているウィナーミミから。ばんえい大賞典は牝馬が健闘し、大接戦の上位4頭のうち3頭が牝馬だった。勝ったのはワタシハスゴイで、ウィナーミミは3着だったが、障害を一気に上げられなかったぶん、遅れてしまった。それでいて最後は差をつめているだけに、ここであらためて期待したい。松田道明騎手とのコンビでは、7戦4勝、2着2回、3着1回と抜群の相性。
相手筆頭はワタシハキレイズキ。ばんえい大賞典では、ワタシハスゴイ、ウィナーミミとは20キロ差で単勝1番人気に推されながら、2頭の後塵を拝して4着。今回は10キロ差に縮まっているだけに、負担重量だけを見れば不利。しかしその後は120万〜180万クラスで5戦4勝、2着1回と確実に力をつけている。展開次第では一発逆転も可能だろう。ばんえい大賞典の雪辱を果たしたいところ。
ワタシハスゴイは、ばんえい大賞典の第2障害では一呼吸置いて仕掛け、ひと腰でクリア。最後もよく伸びて接戦を制したように展開がばっちりはまった。ただその後のレースぶりでは、ウィナーミミにはやや劣る感じ。
軽量組では、バレンタインカップ、黒ユリ賞ともに3着と好走のスーパーコマチが自己条件を連勝中。重賞実績もあり、人気がなければ連下として狙ってみるのも面白い。2走前から手綱をとっている新人の菊池一樹騎手にとってはこれが重賞初挑戦となる。
黒ユリ賞5着だったコマクインも、夏から調子を上げてきているだけに、上位食い込みを狙いたいところ。
◎ウィナーミミ
○ワタシハキレイズキ
▲ワタシハスゴイ
△スーパーコマチ
△コマクイン