NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
「アラブ系」という条件のレースもとうとうこれが最後となった。
大井の全日本アラブ大賞典の最後が96年のことで、あのときはまったく別の仕事が押してしまい、品川駅でタクシーに飛び乗って大井競馬場に着いたのが発走の5分ほど前だったのを思い出した。あれからもう13年もたったのかと思うと感慨深い。
最後のレースが7頭立てはちょっと寂しいが、ぼくなどはむしろここに出走している馬よりも、父の馬名を見てさまざまなアラブの名勝負を思い出す。さすがにそれを書き始めると長くなるのでやめておくが。
アラブの最後に際して出てきた強い馬がラストアラビアンとは、馬主さんのセンスのよさを感じさせる。そんな馬がラストのレースで重賞初制覇に賭けるわけだが、近走の直接対決では、やはりフジノコウザンのほうに分がありそうだ。
フジノコウザンといえば、アラブ系として最後の全国交流となった07年のタマツバキ記念アラブ大賞典を4番人気で勝ち、鞍上の池田敏樹騎手とともに重賞初制覇を飾って話題となった。
フジノコウザンがここでも最後のアラブ重賞を制することになるのか。それとも、ザラストアラビアンが最後のアラブ重賞で重賞初制覇を果たすのか。いずれにしてもこの2頭の勝負だろう。
ホワイトモンスターは、今年1月以来勝ち星から遠ざかっているものの近走でも常に上位争い。モナクカバキチは、長らく名古屋や荒尾でも活躍したが、アラブが最後になるにあたってデビューの地、福山に戻ってきた。この2頭が上位2頭に割って入れるかどうか。
◎フジノコウザン
○ザラストアラビアン
▲ホワイトモンスター
△モナクカバキチ