3歳牝馬の重賞、フロイラインカップ。
ここ10年ほどでホッカイドウ競馬に新設された重賞は、カタカナ名が多い。それゆえ、どれがどういう条件のレースなのか、いまだに覚えられない。単にぼくの頭の中がオヤジ化してるだけなのかもしれないが。
で、フロイラインとはなんぞや?
Yahoo!辞書によると、「未婚女性に対する敬称。令嬢。お嬢さん。姓または姓名の前に付ける」だそうだ。しかも、ドイツ語。知らんて、そんなの。
しかしなるほど、それで3歳牝馬のレース名にしたわけね。
というわけで、15頭のお嬢様方による1200メートルの重賞。実績からはウィナーズダンスが断然。2歳時から重賞に顔を出していて、シーズン終了後は中央に移籍。その中央では2歳500万クラスで3着が最高で、ホッカイドウ競馬のシーズン開始とともに戻ってきた。そして3歳オープン戦を2連勝中。3歳重賞戦線でもっとも好成績をおさめているのが、北斗賞でやや離された3着のモルフェキイでは、やはりこの馬が中心だろう。
そのモルフェキイがここで一発と言う場面もあまり想像できないので、ならば未知の魅力ということでスティッチを2番手に。2歳時はフレッシュチャレンジ1戦(3着)のみで、今シーズンは3歳未勝利からのスタートとはいえ、2、1、2、1着という安定した成績。門別1000メートルが1分2秒0ではちょっと足りないかもしれないが、このメンバーに入ってタイムを縮められれば。
ビービールミナスは、北斗賞7着、北海優駿6着だが、牝馬同士のここで巻き返したいところ。
未知の魅力という意味では、地方では一度も3着を外していないタマキチャンにも可能性はありそう。
◎ウィナーズダンス
○スティッチ
▲モルフェキイ
△ビービールミナス
△タマキチャン
こちらもお嬢様方の重賞、のじぎく賞。
メンバー中唯一の重賞勝ち馬、1月の園田クイーンセレクションを制したバージンサファイヤの実績が抜けている。中央遠征では惨敗だが、福山に遠征した若草賞では笠松・トウホクビジンの2着。地元兵庫の牝馬には一度も先着されていない。
相手筆頭はストロングヒロイン。バージンサファイヤは別格として、3歳A級を勝っているのはこの馬だけ。さらに、前走兵庫ダービーでは6着とはいえ、勝ったカラテチョップから1秒差は評価できる。牝馬同士では、この上位2頭の力が抜けていると思う。
3番手以下は混戦。ハードフォーレルは、デビューした北海道でフレッシュチャレンジを圧勝。兵庫では勝ち星はないものの、3歳A級特別で牡馬を相手にそこそこ善戦している。
リチェルカーレは近走冴えないものの、園田クイーンセレクションでバージンサファイヤからコンマ3秒差で4着の実績。チキリウオッカは、5月27日のA級特別で牝馬最先着の4着。ケコレモンもA級特別で▲以下の上記3頭と差のない競馬。3連単の3着争いは混戦だ。
◎バージンサファイヤ
○ストロングヒロイン
▲ハードフォーレル
△リチェルカーレ
△チキリウオッカ
△ケコレモン
高知の活躍がすごい。
昨年、スペシャリストが笠松・オグリキャップ記念とこのレースを連勝、今年3月の福山・ファイナルグランプリはセトノヒットが1番人気で制した。さらに大井・東京スプリントJpnIIIではポートジェネラルがあわや逃げ切るかというレースで惜しい4着。北海道スプリントカップJpnIIIでも2番手を追走し、レコード決着の5着と好走した。
というわけで今回も高知のフサイチバルドル。黒船賞JpnIIIでは、勝ったトーセンブライトはちょっと強すぎたが、2着のフェラーリピサからは2馬身差の3着と好走。その後マイルのA1特別を連勝中。2250メートルという距離は不安だが、力で押し切ってくれるだろう。スペシャリスト、セトノヒットに続きたいところ。
相手筆頭は昨年の2着馬、兵庫のスマイリングフィル。昨年のこのレース以降、12戦して3着をはずしたのは3回のみと好調持続。ただ昨年の1800メートルから2250メートルに距離延長となったのはこの馬にもマイナスかもしれない。重賞はこれまでに2着が3回で、初重賞制覇がかかる。
ユーガットテーストは中央1000万から今年兵庫に移籍して5戦1勝、2着2回。2400メートルの兵庫大賞典は4着も、先着されたのはチャンストウライ、ベストタイザン、アルドラゴンと、全国区で活躍する兵庫の3強だった。ここでいきなりの重賞制覇があっても不思議はない。
高知のもう1頭、アタゴビッグマンにもチャンス。クラスが下がってE級を楽勝で連勝中なのは当然として、ダイオライト記念JpnII、オグリキャップ記念、かしわ記念JpnIなどに遠征した経験が生きるはず。昨年のオグリキャップ記念ではスペシャリストが勝ったばかりでなく、サンエムウルフが3着に入り、高知勢が1、3着と奮闘。今回その再現もあるかもしれない。
福山勢は、交流レースではまだ劣勢だが、ファイナルグランプリで2、3着のナムラベンケイ、クラマテングには奮起してほしいところ。
◎フサイチバルドル
○スマイリングフィル
▲ユーガットテースト
△アタゴビッグマン
△ナムラベンケイ
△クラマテング
ばんえい3歳牝馬3冠の緒戦。ウィナーミミ、ワタシハスゴイ、タワノアヤカの3頭が180万円クラス、それ以外の7頭が120万円クラスで、10キロのハンデ差がついた。
ばんえい競馬の若駒には、ときに急激に力をつける馬がいる。しかしそうした馬の場合でも、ばんえいの賞金体系ゆえ、なかなかクラスが上がらず注目されにくいことがある。今回、そういう気配を感じるのが、目下2連勝中のヒマワリカツヒメだ。60万円クラスを卒業したばかりだが、今の実力はそれよりも上と見る。
もう1頭、魅力を感じるのがスーパーコマチ。2月に行われたバレンタインカップは、1着ウィナーミミ、2着ワタシハスゴイとほとんど差のない3着。当時は全馬同重量だったのが、今回、上位2頭がプラス10キロのハンデとなれば、有利になるのはスーパーコマチだろう。近5走、今年デビューの新人ジョッキーが手綱をとっていたのが、今回は名手・藤野騎手に乗り替るというのも狙い目だ。
バレンタインカップの上位2頭、ウィナーミミ、ワタシハスゴイも10キロのハンデなら力で押し切ってしまう可能性もある。
コマクインは、シーズン当初ムラ駆けが目立ったのが、ここに来て成績が安定してきた。
ビフカミツエも格下だが、ここ3戦連続連対と好調だ。
とにかく若い3歳牝馬の争いだけに、実績よりも勢いを重視したい。
◎ヒマワリカツヒメ
○スーパーコマチ
▲ウィナーミミ
△ワタシハスゴイ
△コマクイン
△ビフカミツエ
スプリングカップを圧勝した金沢のニュースター候補・ヒカルベガの名がないのがなんとも残念だ。さらには、金沢名物の長距離重賞では必ず押さえておかなければいけないテンリットルもいない。テンリットルはすでに11歳。今季2戦してともに2桁着順の惨敗では、さすがに厳しいのだろうか。
ヒカルベガ不在なら、昨年の5冠馬ノーブルシーズにとっては負けられないところ。今シーズンは4戦して2着3回。そのうち2度先着されたのがヒカルベガで、前走は不覚をとってヤクモソニックに差し切られた。そのときはノーブルシーズ56キロ、ヤクモソニック55キロだったのが、今回はそれぞれ56キロ、57キロと逆転。ノーブルシーズにとってはいかにも有利だ。3走前に9着惨敗があるが、これは距離不足で参考外としていいだろう。
相手はビッグドン。約7カ月ぶりとなった前走のA2特別を7馬身差の圧勝。9歳だが往年の力をみせてほしいところ。
ヒカルクロフネは、前々走初のA1特別挑戦で、早め先頭から押し切った。前走は3〜4コーナーから後退して9着惨敗。今回57キロに加え、初の2300メートルが不安材料だが、重賞初挑戦のここが試金石となりそうだ。
ヤクモソニックは、前走が金沢転入戦以来9カ月半ぶりの勝利。ややフロック的な勝利だったが、今回上記以外のメンバーが近走いまひとつの成績なだけに、展開次第では馬券圏内に食い込む可能性は十分ある。
◎ノーブルシーズ
○ビッグドン
▲ヒカルクロフネ
△ヤクモソニック