ダートグレードではちょっと敷居が高くなってきたキングスゾーンがここに遠征してきた。これで35戦連続での重賞出走になる。
重賞の連続出走記録はどのくらいなのだろう。とりあえずコスモバルクはキングスゾーンのさらに上をいき、来週の宝塚記念に出走すると38戦連続重賞出走になる。
思いつくところで調べたところ、ナイスネイチャは34戦だったから、キングスゾーンはこのレースでナイスネイチャの記録を超えることになる。
で、キングスゾーンだが、近走では1月のマイル争覇での勝ち星があるものの、その後は地区重賞でも梅見月杯4着、東海桜花賞2着に敗れている。それでもやはり今回のメンバーなら、そのタフさに敬意を表して中心にしてみたい。
相手はシアンモア記念を制した船橋のリュウノキングダムだが、これとて南関東ではまだ条件馬。キングスゾーンにとってはまだまだ負けるわけにはいかない。
3番手は、あすなろ賞、芝のかきつばた賞と連続2着のカネショウエリートとも思ったが、3走前は笠松に遠征してオグリキャップ記念7着惨敗があった。そのオグリキャップで2着に好走していたのが、名古屋のマヤノグレイシーだ。今回はマヤノグレイシーがアウェーで立場は逆転するが、それを加味してもマヤノグレイシーのほうが実力は上と見る。
あとは昨年終盤から年明けにかけて3連勝でトウケイニセイ記念を制し、前走あすなろ賞を勝っているアンダーボナンザに一発の気配。
◎キングスゾーン
○リュウノキングダム
▲マヤノグレイシー
△カネショウエリート
△アンダーボナンザ
中央勢にGI(JpnI)級がいないだけに、ここはスパロービートの期待と意気込みに賭けたい。川崎所属ながら、地元を使ったのはデビュー戦のみ。古馬1000メートル戦が行われている船橋で、目下6連勝中。前々走、1月の船橋記念で重賞初制覇となったときに、すでに目標が同じ1000メートルのこのレースであることを公言していた。来年のJBCが船橋で開催されることが決まったが、JBCスプリントの設定は1000メートル。高月賢一調教師は「JBCが船橋の1000メートルになったのは、この馬のためじゃないか」とまで言っていた。ここらあたりで恥ずかしいレースはできないだろう。不安点を挙げるとすれば、1000メートルの右回りの経験がないこと。
一応しるしで順番はつけるが、ガブリン、ヴァンクルタテヤマ、ポートジェネラルは差のない評価。
ガブリンは、前走栗東ステークスでは1番人気に推されながら追い込みきれず9着。前々走東京スプリントJpnIII(2着)のように、ペースが速くなって追い込みがきく展開になれば確実に差してくる。地方では直線が大井の次に長い門別コースはプラスだろう。
ヴァンクルタテヤマは、同じ栗東ステークスではトップハンデもあってか12番人気という低評価ながら、直線一旦は先頭に立って2着と好走。前々走、休み明けの黒船賞JpnIII(10着)が走らなすぎただけで、昨年の東京盃JpnIIでは1番人気に推された(3着)実績馬。1000メートルは久しぶりだが、新馬戦を含めて4勝を挙げているだけに、むしろプラスかもしれない。
ポートジェネラルは、東京スプリントJpnIIIであわや逃げ切るかという惜しい4着。スタートダッシュは一級品で、こちらも距離は短ければ短いほどよさそう。高知の馬があっといわせる場面があるかもしれない。
クラフィンライデンは、北海道3歳1冠目、1700メートルの北斗盃で4着に敗れたあと、古馬相手となる1000メートルのエトワール賞を快勝。これで3歳路線ではなくスプリント路線に行くことを決めた。3歳牝馬で51キロ、鞍上は五十嵐冬樹騎手でもあり、地の利を味方にすれば馬券圏内に食い込む可能性も捨てきれない。
オフィサーは初の1000メートル戦。今年3戦がいずれも着外、3カ月の休み明けだけにあまり強気にはなれない。
◎スパロービート
○ガブリン
▲ヴァンクルタテヤマ
△ポートジェネラル
△クラフィンライデン
△オフィサー
7月19日の佐賀・吉野ヶ里記念、8月17日の佐賀・サマーチャンピオンJpnIIIへと続く夏の九州1400メートル路線の緒戦。
佐賀から1頭遠征があるが、地元荒尾勢では外枠に有力馬4頭が固まった。
なかでも昨年の覇者、ケイウンヘイロー連覇の可能性大。JNBシリーズエメラルドカップでは、直線抜け出したところテイエムジカッドに差されたが、安定度ではケイウンヘイローのほうが上。JNBシリーズで2勝を挙げたタニノウィンザー不在のここは負けられないところ。
相手筆頭には、当然そのケイウンヘイローを負かしているテイエムジカッド。中央から転入してここまで4戦だが、中央在籍時からたびたび荒尾に遠征してたんぽぽ賞、霧島賞と、九州産馬の両タイトルを獲得している。まだ5歳だけに、今後荒尾の古馬戦線を引っ張っていく存在になる可能性もある。
評価が微妙なのが佐賀から遠征のモエレフェニックス。川崎から佐賀に転厩して今回が9戦目。惨敗も目立つが2月にはA1の天山特別を制した。3月のはがくれ大賞典では、勝ったアルカライズから4馬身+クビ差の3着。この成績なら通用しておかしくない。ただ1400メートル戦が久々となるのが不安材料。
ナセは昨年のこのレース2着。1年半ほど勝ち星から遠ざかっているものの、前走JNBシリーズ阿蘇中岳カップではタニノウィンザーには2馬身離されたものの、テイエムジカッドに先着する2着。一発の可能性はある。
シゲルダイハッカイは中央1000万下から転入し、ここまでA級で3戦して3、3、4着。勝ちきれないものの、レース内容は上記メンバーとそれほど差はない。
◎ケイウンヘイロー
○テイエムジカッド
▲モエレフェニックス
△ナセ
△シゲルダイハッカイ
ベストタイザンがまたまた東海地区に遠征してきた。昨秋から笠松・名古屋に頻繁に遠征し、残した成績は5戦4勝。一度の敗戦も名古屋大賞典JpnIIIの4着。しかもそのときは地方最先着で、東海地区での地方馬相手ならここまで無敵の活躍だ。地元兵庫には古馬の牡馬が出走できる得意の1400メートルの重賞が、ダートグレードを除けば、兵庫の重賞としてはもっとも賞金の低い園田チャレンジカップしかなく、東海地区は相当に走りごこちがよさそうだ。今回も他馬と同重量なら中心は堅い。
相手筆頭は、東海桜花賞でベストタイザンにクビ+ハナ差3着のサンキンスピーチ。キングスゾーン不在の今回はこの馬が先手をとることになりそうで、マイペースに持ち込んで逃げ切りを図りたいところ。
ケイアイカルディナは昨年4月から3着を外さない堅実なレースでA1まで勝ち上がってきた。ベストタイザンとは初対戦。すでに昨秋の笠松・スプリントで重賞を勝ってはいるものの、対戦してきた相手を見ると、いきなりベストタイザンを負かすまではどうか。
マサアンビションは今年10歳。東海桜花賞では、ベストタイザンから離された7着。ただ、前走1600メートルのA1特別を4馬身差で圧勝していて、昨秋の笠松グランプリではベストタイザンに半馬身差の2着と迫っていただけに、警戒は必要だろう。
エーシンアクセランは、好位につけて展開次第では連下の可能性はある。
◎ベストタイザン
○サンキンスピーチ
▲ケイアイカルディナ
△マサアンビション
△エーシンアクセラン
相変わらず混戦が続いている東海地区の3歳戦線。新緑賞を8番人気で制し、続く駿蹄賞も勝ったカキツバタロイヤルが一歩抜け出した格好だ。ただカキツバタロイヤルは暑い時期があまりよくないらしい。
そこで中心にするのはシルバーウインド。1番人気に推された駿蹄賞は直線伸びずに4着に敗れたが、ここまで3着を外したのがわずか2戦。安定感なら抜群だ。2走前、3走前は、ともに1800メートルの競馬で、古馬A3に入って好レースなら能力は上位。
トウホクビジンも一発がありそう。ここ3戦は中央遠征とダートグレードなので結果が出ていないのはしかたない。スプリングカップ、新緑賞は牡馬相手に差のない競馬、その間に福山に遠征した牝馬同士の若草賞は完勝だった。このメンバーであらためて力を見せたいところだろう。
カキツバタロイヤルも、重賞2連勝中だけに好調持続なら勝って当然。
ダイナマイトボディは遠征で大敗はあるが、地元なら常に堅実な成績。父レギュラーメンバーは、東京ダービーであっと言わせたサイレントスタメンと同じだ。
金沢から遠征のエムザックローマン、福山から遠征のアグリヤングは、ともに地元では圧倒的な成績を残しているが、東海地区とのレベル比較でどうか。
エムザックローマンは、金沢ではまだ底を見せていないが、南関東での成績と対戦相手を見ると、あまり強気にはなれない。
アグリヤングは、牝馬戦ではあるがトウホクビジンが勝った若草賞のメンバーをモノサシにすれば、トウホクビジンよりもはるかに強いとは言い難い。
この遠征馬2頭は連下候補。ただ堅くは収まりそうもないメンバーだけに、馬券は手広く狙いたい。
◎シルバーウインド
○トウホクビジン
▲カキツバタロイヤル
△ダイナマイトボディ
△エムザックローマン
△アグリヤング