定量戦のばんえい菊花賞。
ここは素直に格最上位のオレワスゴイが中心。近走まったく成績を残せていないが、当然のことながら同世代同士では重量を課され、自己条件では3歳馬の身で400万条件ではいかにも厳しい。そんななか、唯一の3歳馬として臨んだはまなす賞での2着は評価できる。イレネー記念を勝って賞金を大幅に加算し、さすがに400万クラスに入ってしまうとしばらく勝負にならないのは陣営も織り込み済みだろう。であればこそ、定量で戦えるここを目標としていたはず。2走前から手綱をとっている藤本匠騎手は、10月27日現在、2位の松田道明騎手に10勝差をつけ、今年もリーディング独走態勢に入っている。
相手は、ばんえい大賞典を制し急激に力をつけているライデンロック。オッズパーク杯秋桜賞は4着だったが、勝った牝馬カネヅルより45キロ重く、2着の牝馬ニシキエースより30キロも重い負担重量だった。ライデンロックより5キロ重かっただけのオレワスゴイが最下位に敗れていることを考えれば、むしろオレワスゴイよりライデンロックのほうが上と考えることもできる。
ばんえいプリンセス賞とオッズパーク杯秋桜賞で1、2着を分け合ったニシキエース、カネヅルは、牝馬でもっとも勢いのある2頭。定量戦になって牡馬の2強に食い込めるかどうか。
2歳時ほどの勢いがないホクショウジャパンだが、同世代同士の定量戦なら見限れない。
◎オレワスゴイ
○ライデンロック
▲ニシキエース
△カネヅル
△ホクショウジャパン
それにしても今年のJBCクラシックは豪華メンバーとなった。中央5頭に船橋のフリオーソと、実にフルゲートの半数がGI(JpnI)馬というメンバー構成。フリオーソ以外の地方馬が馬券圏内に食い込むのは容易ではなさそうだ。
ヴァーミリアン、サクセスブロッケン、どちらの実績もここであらためて説明する必要はないだろう。ヴァーミリアンがダートチャンピオンの座を守るか、それともサクセスブロッケンによる覇権交代なるか。
ともに休養明けだけに、どこまで仕上げているかもポイントとなりそうだ。ヴァーミリアンは昨年のJBCもドバイ遠征以来だったが、昨年と今年ではドバイでの負け方が違う。しんがりに敗れたショックから立ち直っているかどうか。ならばサクセスブロッケンの若さに賭けたい。
ボンネビルレコードは、的場文男騎手が乗れないのは残念。とはいえ、内田博幸騎手でも大井所属時代に重賞(金盃)を勝っているだけに心配はなさそう。ただ、ちょっとイヤらしい見方かもしれないが、的場騎手だと走ると言われているものの、もしかして南関東のみで走るという可能性も否定できない。
フリオーソもチャンスは十分あると思うが、なにせメンバーがメンバーだけに順番をつけると△になってしまった。関東圏から外に出たことがないというのも不安材料。
フィールドルージュは、フェブラリーステークス競走中止の影響があるやなしやで、さすがに重い印は打ちにくい。佐賀記念JpnIIIを勝ったチャンストウライは地の利で上位食い込みなるか。
◎サクセスブロッケン
○ヴァーミリアン
▲ボンネビルレコード
△フリオーソ
△フィールドルージュ
△チャンストウライ
JBC3勝目、そしてGI(JpnI)8勝目がかかるブルーコンコルドに死角はなさそうだ。前走休み明けのマイルチャンピオンシップ南部杯JpnIは、直線逃げ込みを図るメイショウバトラーをとらえ2馬身差をつける完勝。8歳の今年もフェブラリーステークスGIでヴァーミリアンの2着、かしわ記念JpnIでボンネビルレコードの2着、そして前走の南部杯と、衰えは感じられない。園田コースは初めてだが、同じような右回りで小回りの名古屋1400メートルで行われた05年のJBCスプリントで5馬身差の圧勝があるだけに、マイナス材料にはならない。
対抗には、岩田騎手で臨むスマートファルコン。白山大賞典JpnIIIを制したあとは、JBCは除外対象だからと武蔵野ステークスGIIIを目指していたようで、たしかにJBCクラシックのほうならあっさり除外されていたが、スプリントの出走枠に入ることができた。これまで1600メートル以上しか経験していないが、折り合いに相当苦労しているように、むしろ掛かる心配がない短距離のほうが力を発揮する可能性がある。
重賞タイトルのないバンブーエールは、中央のダートオープン3連勝でここに臨んできた。特に3歳の期待馬ユビキタスを相手にしなかった前走ペルセウスステークスは圧巻。いきなりのJpnI制覇の可能性もある。
近走いまひとつのリミットレスビッドだが、園田1400メートルの兵庫ゴールドトロフィーを連覇。しかも昨年はトップハンデの59.5キロ。得意の舞台で逆転を狙う。
当初クラシックに出走するのではないかと見られていたアルドラゴンは、前走園田1400メートルの特別で強い勝ち方をしたことから、同じ舞台のスプリントにまわってきた。中央から転入後、園田コースは5戦5勝。こちらもコース適性が味方になりそうだ。
メイショウバトラーは、内で包まれると力を発揮できないタイプで、2番枠に入ってしまったのはいかにも厳しい。
JBCスプリント連覇のかかるフジノウェーブは、大井1200メートルでは圧倒的な強さを見せるものの、1400メートルではいまひとつ。長距離輸送も課題となりそう。
◎ブルーコンコルド
○スマートファルコン
▲バンブーエール
△リミットレスビッド
△アルドラゴン
今年で5回目のこのレース。第2回までは地元兵庫所属馬が制したが、ここ2年は笠松所属馬が連勝。
そして今年も笠松のクィーンロマンスを本命にする。なんといっても昨年はJBCスプリントに出走(14着)していた馬。5月のA2特別以来勝ち星から遠ざかっているが、ここ園田では9月の園田チャレンジカップで3着。そのときの勝ち馬は牝馬のフサイチミライだが、土曜日のJRAスワンステークに出走してここは不在。牝馬同士ならチャンスだろう。07年元旦の名古屋・新春盃以来の重賞勝ちを狙う。
相手にも笠松のオグリオトメ。東海クイーンカップを8番人気で制したときには驚かされたが、その後はそのタイトルにふさわしいレースぶりを続けている。盛岡遠征では、芝のレースとはいえOROカップ4着、きんもくせい賞3着と、岩手芝の一線級と互角の争いをしている。前々走の秋桜賞は6着に敗れたが、このときは古馬と同じ斤量。1キロ軽くなる今回は巻き返しが期待できる。
名古屋のテーマミュージックも久々の重賞タイトルを狙える存在。
東海地区の3頭が上位の予想になったが、3頭ともに積極的に他地区に遠征して全国レベルの馬たちと戦っているだけに、たとえ近走勝ち星から遠ざかっている馬でも、それだけ力をつけていると見るべきだろう。
地元勢では、8戦連続連対の上がり馬ボールドグレイン、ここ3戦連続2着のサンペールウルトラ、両トーホウエンペラー産駒が経験豊富な東海勢に割って入れるかどうか。
◎クィーンロマンス
○オグリオトメ
▲テーマミュージック
△ボールドグレイン
△サンペールウルトラ
楠賞全日本アラブ優駿のときからの回次を引き継いで47回目を迎える楠賞は、サラブレッド3歳による重賞。
ここはトライアルのコウノトリ賞1、2着のディアースパークル、バンバンバンクの争い。とはいえ、そのコウノトリ賞は53キロのディアースパークルが57.5キロのバンバンバンクをハナ差でしりぞけたというレースで、馬齢重賞で2キロ差になる今回はバンバンバンクが頭で堅そうだ。
この2頭に割って入る可能性があるとすれば、中央から転入してまだ底を見せていないミブロボーイとツルマルメジャーの2頭。
のじぎく賞を勝ったアイアンゴールドも近走成績が安定しているだけにどこまで迫れるか。
◎バンバンバンク
○ディアースパークル
▲ミブロボーイ
△ツルマルメジャー
△アイアンゴールド