ホッカイドウ競馬の2歳勢は今年もきわめてレベルが高いと言われ、函館2歳ステークスにこそ出走はならなかったが、10月4日の札幌2歳ステークスにはモエレエキスパートとイグゼキュティヴの2頭が権利を獲った。
今回そのホッカイドウ競馬から、エイブルインレースが遠征してきた。エイブルインレースは札幌・旭川で3戦して2、1、3着という成績だが、モエレエキスパートが札幌2歳ステークス出走を決めたクローバー賞で惜しくも3着。2着のマイネルエルフ(JRA)とはわずかクビ差で、もうちょっと何か展開の利でもあれば、札幌2歳ステークスに出走していたかもしれないほどの実力馬だ。ダートより芝に適性がありそうで、ここに入れば不動の本命だろう。
相手はカミノフジ。出走メンバー中、地元岩手所属馬では唯一の中央経験馬。新潟のマリーゴールド賞は、6頭立ての6着だったが、これは相手が悪すぎた。勝ったツルマルジャパンから3秒離されたとはいえ、芝1400メートルを1分23秒9という速いタイムで走っている。芝1000メートルのJRA認定新馬戦は4馬身差、2戦目の盛岡ダート1200メートル戦は6馬身差と、2戦ともに危なげないレースぶりで勝っているだけに、地元岩手に戻れば断然の成績だ。
連下候補は、ここまで6戦未勝利だが、前哨戦ともいえる芝1600メートルの若鮎賞で2着だったハイメリー。それから、水沢での2戦は勝てなかったが、3戦目の盛岡芝1000メートル戦で初勝利を挙げたアンダージョイナーには、芝の適性がありそうだ。
3連勝中のワタリシンセイキだが、その3勝はいずれも水沢のダート戦。盛岡芝は2戦して勝負になっていないので、ここでは厳しいだろう。
◎エイブルインレース
○カミノフジ
△ハイメリー
△アンダージョイナー
メンバー中唯一の無敗馬、アグリヤングがここまでのところ断然優位。今回のメンバーでは、前走2歳1組戦の直接対決で負かしている馬が6頭。さらに残りの3頭も、2歳1組戦に出走しているいずれかの馬に負けているという相手関係。前走で一度経験している1250メートル戦だけに、今回もスピードの違いで押し切るだろう。
相手筆頭はサンサンサンキュー。ここまで2戦して1、2着。先着を許したのはアグリヤングだけという成績。
そのほか、2歳1組戦でアグリヤングの4着だったマルサンジョイ、ここまで3戦1勝、2着2回のセトスイグンなど。
ただ2歳馬は急激に成長することもめずらしくないので、ここまでわずか2〜3戦での序列どおりの決着にならなくても不思議はない。だからこそ競馬はおもしろいのだが。
◎アグリヤング
○サンサンサンキュー
▲マルサンジョイ
△セトスイグン
佐賀の3歳戦線は、前半戦の活躍馬が怪我や脚部不安などで戦線離脱したり、他地区に転出したりなどで、顔触れがだいぶ変わってきた。フルゲート12頭中、重賞タイトルがあるのは、前走荒炎賞を圧勝したフサイチクローバーと、荒尾から単騎参戦のコトブキムーンの2頭だけ。
期待はやはり、昨年大きな注目を集めてデビュー4連勝を飾ったフサイチサガントスだろう。中央遠征や大井のジャパンダートダービーJpnIこそ残念な成績だが、地元ではここまで8戦5勝、2着3回。九州ダービー栄城賞で1馬身先着されたオリオンザナイトが不在のここは、負けられないところ。
相手は、同じフサイチ軍団で東眞市厩舎のフサイチクローバー。前走荒尾に遠征した荒炎賞は一方的なレースで勝利。ただ、地元佐賀では今回が重賞初挑戦で、一線級との対戦がないのが不安なところ。
九州ダービー栄城賞ではしんがり負けも、その後古馬に編入されB2-2組まで4連勝のオーシャンカラーは、かなり力をつけたようだ。古馬に編入されての格付けではこの馬が最上位なだけに、あっさり勝っても不思議はない。そういう意味でのまさに単穴▲。
マジョノコは、デビューが今年4月と遅かったものの、ここまで6戦5勝、2着1回。まだ底を見せていない。前々走の3歳1組特別ではフサイチクローバーに差し切られているだけに、今回逆転できるかどうか。
古馬のB2-4組まで3連勝中のコマッタモンダも争覇権。
◎フサイチサガントス
○フサイチクローバー
▲オーシャンカラー
△マジョノコ
△コマッタモンダ