昨年まで「九州皐月賞荒尾ダービー」として行われていたが、今年から単に「荒尾ダービー」となった。なった、というより戻ったと言ったほうがいいだろうか。三冠目が九州菊花賞からロータスクラウン賞(佐賀)に変わっているので、一冠目もわざわざ「皐月賞」を名乗る必要もない。荒尾ダービーだけのほうがまぎらわしくなくていいと思う。
さて、その荒尾ダービーだが、九州地区交流(現在は四国も)となった2000年以降、8年連続で佐賀勢が勝利。荒尾勢は2度の2着があるのみと、佐賀勢が圧倒という結果となっている。
かといって、佐賀から必ずしも世代最強馬が荒尾ダービーに遠征してくるというわけではなく、過去8回で荒尾ダービーと九州ダービー栄城賞の二冠を制したのは2002年のカシノオウサマしかいない。ちなみにカシノオウサマは、その後九州菊花賞(現・ロータスクラウン賞)を制し、九州三冠馬となった。
今年は佐賀から3頭が遠征。地元荒尾勢は、2歳時の九州ジュニアグランプリ2着のテイエムワッゼエ、正月の門松賞3着のエイコウピュアーあたりが実績上位で、重賞勝ち馬がいないというメンバーでは、やはり佐賀勢を中心にせざるをえない。
中心はキングサンディ。九州ジュニアチャンピオンを制し、前々走の飛燕賞では勝ったパラダイスセントからクビ+半馬身差の3着。前走はすでに古馬B2に格付けされてのレース(4着)で、このメンバーに入ってはまさに格が違う。
相手は、飛燕賞でキングサンディにアタマ差4着のミトノコウモンダ。ちなみにこのミトノコウモンダという馬名については、飛燕賞の予想のときに書いているので興味のある方はどうぞ。
荒尾勢で一発があるとすれば、スズナリジッコウ。2歳時はデビューから2連勝した程度で、九州ジュニアグランプリでも勝ち馬から2秒7も離された5着と目立った成績ではなかった。しかし今年2月の九州産限定のたんぽぽ賞では11番人気ながら地方最先着、勝ち馬から0秒4差の4着と好走。その後2連勝し、前走ル・プランタン賞では荒尾からは単騎の遠征で、着順こそ7着だったものの、勝ち馬とは1秒1差とそれほど負けていない。先に挙げた荒尾の2頭より力をつけていると見るべきだろう。
荒尾ダービートライアルのスイートピー賞を勝っているテイエムワッゼエも見限れない。
◎キングサンディ
○ミトノコウモンダ
▲スズナリジッコウ
△テイエムワッゼエ