福山アラブ大賞典。
あれ? アラブ大賞典て、去年、つまりは今シーズン、アラブ最後の全国交流レースとしてタマツバキ記念アラブ大賞典をやったはず……。
なるほど。
福山では重賞レースがアラブからサラブレッドに移行していくなかで、たとえば福山ダービーを福山アラブダービーとしたように、3日に行われた福山大賞典がサラブレッドのレースになったため、それを福山アラブ大賞典としたわけね。
というわけでサラブレッドの福山大賞典と同じく、地方競馬の重賞では最長距離2600メートルの福山アラブ大賞典。
昨年は休養をはさんでやや不調だったユノフォーティーンだが、休養明け3戦目となった12月23日のA1特別を勝って復調気配。この馬から狙ってみたい。福山大賞典は、06年7着、07年3着と相性はよくないが、距離的には2250メートルの福山桜花賞を過去に2回勝っているので問題にはならないだろう。距離適性というよりレースの流れが向くか向かないかということだと思う。
相手には、最後のタマツバキ記念を制したフジノコウザンだが、距離が気になるのはむしろこの馬。3歳時、初の1800メートルとなった福山ダービーでは10着と大敗し、2000メートルを超えるレースとしてはこれまでに唯一出走した昨年11月の紅葉賞(2250メートル)も2番人気で6着に敗れた。実績では2番手評価だが、初めての2600メートルでは惨敗の可能性も考えておく必要がありそうだ。
対して長距離得意なのはホクザンファイズ。重賞未勝利だが、一昨年の福山大賞典は5番人気で2着、福山桜花賞では3番人気で3着、昨年の紅葉賞では8番人気で2着と、2000メートルを超えるレースでは人気どおりか人気以上の着順で馬券にからんでいるだけに、アッと言わせる場面があるかもしれない。
昨年、福山アラブダービーと、暮れのアラブ王冠を制したイケノスリリングだが、12月2日に初めて出走した古馬A1特別では1番人気で4着に敗れているように、いきなりこの初めての距離で古馬一線級相手では分が悪そうで押さえまで。
B2からA2まで3連勝中のホワイトモンスターが初の古馬オープンクラスを相手に勢いでどこまで。
◎ユノフォーティーン
○フジノコウザン
▲ホクザンファイズ
△イケノスリリング
△ホワイトモンスター
ところでこのレースには、期間限定所属の内田利雄騎手(フジノコウザン)のほかにも、北海道から船橋に期間限定所属している山口竜一騎手(パスカリランナー)、兵庫の田中学騎手(ムサシボウダイヤ)が騎乗する。
期間限定所属だけでなく、トップジョッキーが他地区の重賞にスポット参戦するのは見ている我々にとっても楽しみが増えてワクワクする。
中堅以下の騎手にとっては騎乗機会が減るかもしれないが、そういう騎手にとっては、騎手の人数が足りない競馬場に期間限定騎乗で乗りに行くという流れもできてきている。
ごく一部の優れたジョッキーだけが中央に挑戦するというだけでなく、地方同士の垣根を低くするという意味でもいい傾向だと思う。