7月から123期、124期が本デビューを迎えます。競輪ルーキーシリーズ2023を3開催走り、そのうちの2開催で優勝を飾った竹野百香選手(三重124期)に、ルーキーシリーズの振り返りや、本デビュー後の目標などを伺いました。
山口:ルーキーシリーズのお話から聞かせてください。3開催走りましたが、振り返っていかがでしたか?
竹野:3開催とも自分の力を出せて良かったです。本デビュー後はきっとうまくいかないと思うので、たくさんのことを学んで強くなっていきたいです。
山口:最終戦、松戸の優勝インタビューでは「内容も重視している」と仰っていましたね。
竹野:はい。私は競輪選手養成所でもずっと先行で戦ってきたので、ルーキーシリーズでも先行したいなと思ってレースをしていました。
山口:養成所の卒業後、ルーキーシリーズで対戦して印象の変わった選手はいましたか?
竹野:上がってきている選手もいれば、逆の選手もいました。意外な選手が強くなっていた時は、自分もそれに負けないように頑張らないといけないと感じました。
山口:デビュー戦が宇都宮で、いきなりナイターでしたね。夜のレースはどうでしたか?
竹野:夜にバンクを走るのは初めてでした。他の選手からは「夜はスピードが出るように感じるよ」と聞いていて、実際に走っても、普段と全然違ったので楽しかったです。
山口:2開催目は地元の四日市でした。決勝は惜しくも2着でしたね。
竹野:仕掛ける時にもっと勢いをつけていけば良かったなと反省しました。外並走されてしまい脚がなくなり、差されてしまったので次にいかせるようにしたいです。
山口:地元のご声援はいかがでした?
竹野:知り合いもたくさん応援に来てくれたみたいです。声援も宇都宮に比べてたくさんいただけたので、一生懸命走りたいと思い気合いを入れていました。
絶対勝ちたいと思っていたので、決勝2着は本当に悔しくて、次に四日市を走る時は勝てるように頑張ります。
山口:目標の選手はどなたかいらっしゃいますか?
竹野:三重の先輩の太田美穂選手(三重112期)や奥井迪選手(東京106期)です。自力が強い選手の走りを勉強しています。
山口:お二人は、先日のG1パールカップでも自力を出していましたね。
竹野:はい。大舞台でも格好良い走りができるのは凄いです。
山口:本デビューしても戦法は自力主体でいきたいですか?
竹野:はい。格好良い走りができたら良いなと思うので、自分も格好良い選手になれるように頑張りたいです。
山口:竹野選手は、自転車を始めたきっかけはなんだったんですか?
竹野:中学まではバスケットボールをしていたんですが、高校入学の時にバスケット以外もしたいなと、兄がしていた影響で自転車競技部に入りました。
山口:師匠・舛井幹雄選手(三重71期)との出会いは?
竹野:高校1年生で膝を故障してしまい、半年間自転車に乗れませんでした。その時に松阪でやっていた舛井選手のクラブに参加したのがきっかけです。
山口:その頃から選手を目指していたんですか?
竹野:いえ、最初は意識していませんでした。本格的になりたいと思ったのは高校3年生の時です。自転車競技で高校3年間、結果が出せなかったのが悔しくて、そこから選手になりたいと思いました。
山口:養成所時代はどんな目標を持っていたんですか?
竹野:なるべく成績上位にいたいとは思っていました。養成所に入るまでは、練習で好タイムは出るけど実際のレースは弱かったんです。なので養成所では「競走で勝てるような選手になろう」と意識をしていました。
山口:戦法もいろいろ試したんですか?
竹野:いえ、先行一本でした。
山口:すごい!養成所よりももっと先、プロのレースを見据えていたんですね。
竹野:養成所の先生方からは「先行をした方が脚もつくから良いよ」と教えてもらったので、その言葉を信じてやっていました。
山口:滝澤所長から、竹野選手は先行しての1着回数が一番多かったと伺いました。手ごたえも感じましたか?
竹野:先行で逃げ切れた時は自信になりました。
山口:それでは卒業記念レースは悔しいレースでしたね。
竹野:そうですね。先行もできす、捲りにいってもあわされてしまったので、とても悔しかったです。
山口:在所成績は1位で卒業でした。意識はしていましたか?
竹野:そこは全くしていませんでした。先行でやっていたら、いつの間にか1位になっていた感じです。走り方重視でやっていたら、結果がついてきた感じでした(笑)
山口:今の練習状況ですが、太田選手と一緒にされているんですか?
竹野:太田姉妹とは練習グループが違うのでいつも一緒ではないですね。誘っていただけるときは一緒なんですが、基本的には師匠のグループで練習をしています。
師匠は練習中は厳しいですが、普段はとても優しいです。それに教え方も丁寧で、すごくわかりやすいです。
山口:本デビューへ向けて強化するところはどこですか?
竹野:きっと今の自分だと全部が足りないと思うので、全部強化したいですね。
山口:ルーキーシリーズの竹野選手の走りについて、周りの選手からの評価はどうでしたか?
竹野:皆さんからお褒めの言葉をいただき嬉しかったです。
山口:それでも「全部が足りない」と感じるんですね。
竹野:はい。三重のガールズの先輩選手と一緒に練習していて「今の自分では到底敵わないな」と感じるんです。全部を上げていかないとだめですね。
山口:同タイプの選手がいるから、より感じるんでしょうか。
竹野:そうだと思います。美穂さんも強いですし、妹の瑛美さん(120期)もトップスピードがすごくて、すぐ上をいかれてしまいます。先行しても強いので、今は歯が立たないです。
山口:良い環境で練習しているんですね。
竹野:周りに強い選手がたくさんいるので、本当に環境は良いと思います。皆さんを目標にして頑張りたいです。
山口:本デビューまでまもなくですが、今の練習状況はどのような感じですか?
竹野:ホームバンクの松阪が今は改修で使えないので、基本的には街道をメインにしています。今は新人なので、イベントで呼んでもらうことも多くあり、その時は休みを取って、それ以外は練習にしています。
山口:ルーキーシリーズでの賞金はどう使いましたか?
竹野:全部、借金の返済にあてました(笑)親に借りていたものであったり、返せる範囲ですけど。今は実家を離れて一人で暮らしているので生活費も稼がないといけないから、まだまだ厳しいです(笑)
山口:それは大変です!(笑)
竹野:お金を稼がないといけないので、早く走りたいです(笑)1か月レースがないのはきついです。
山口:本デビュー戦、7月10日からの和歌山では活躍を期待しています。
竹野:ありがとうございます。
山口:選手になった反響は周りのお友達からはありましたか?
竹野:私は養成所の試験に一度落ちているんです。でもそこで諦めず2回目で合格して選手になったので、友達は「諦めずに頑張って良かったね」と言ってくれました。四日市のルーキーシリーズも見に来てくれていて、すごく応援してくれています。
山口:本デビューへ向けて、不安なこと、逆に楽しみなことはなんですか?
竹野:不安なことは、自分と先輩選手の差がどれくらいあるのかということです。楽しみな部分は、強い選手がたくさんいるので一緒に走れるのは楽しみです。
山口:和歌山はモーニングですね。
竹野:朝は苦手なので、頑張って早起きします。
山口:太田瑛美選手も一緒の開催です。
竹野:練習でもすごく強いので、本番で私も恥ずかしくないレースを見せられるように頑張りたいです。
山口:対戦する選手のレースは見ますか?
竹野:はい、見ます。ただ周りの選手がどう走るかよりも、私は自分が先行できるかを重視したいので、あまり気にしないかもしれません。
山口:2戦目、富山では昨年オッズパーク杯ガールズグランプリを勝った柳原真緒選手(福井114期)もいます。いきなりトップ選手と対戦があるのはどうですか?
竹野:緊張するばかりです。でもせっかく一緒に走れるので、自分のレースをしたいですし、少しでもお話してアドバイスをいただきたいなと思います。話せるかな・・・・・・(笑)
山口:頑張ってください!それでは最後にオッズパーク会員のお客様へメッセージをお願いします。
竹野:本デビューした後もしっかり自力で風を切って走りたいと思います。これからも応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
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