史上初、サマーナイトフェスティバルの連覇を達成し、二年連続の夜王に輝いた松浦悠士選手(広島98期)に喜びの声、そして後半戦に向けての抱負を伺いました。
大津:サマーナイトフェスティバル優勝おめでとうございます。
松浦:ありがとうございます。
大津:史上初の大会連覇となりましたがお気持ちはいかがでしょうか。
松浦:率直にといいますかうれしいですよね。
大津:連覇への意識はありましたか。
松浦:まあ、そんなにはなかったですね。そこはもう、自然体でっていうような感じです。
大津:今回の舞台は玉野競輪場でした。
松浦:やっぱり距離も近いですし、コンディション調整ももちろんしやすいというのが大きかったのと、やっぱり地元地区なんでね。
応援してもらえるし、自分の気持ちもいつもよりスムーズに入ったなっていう感じですね。
大津:移動距離が近いとメリットも生まれるんですね。
松浦:関東とか北日本で行われる特別競輪よりは移動距離が少ないですからね。
そういう調整に対してのストレスがないんで、うん。まあ、それで比較的リラックスして入れたって感じです。
大津:連日ファンの方の声援も凄かったのではないですか。
松浦:本当に温かくて僕だけじゃなくて連携する仲間にも応援してくれたりとかはありました。
決勝戦なんかは犬伏くん(犬伏湧也選手・徳島119期)のことをすごい褒めてくれるお客さんも結構いたので、それがすごいよかったなと思います。
大津:今回は福井記念から中4日での参戦となりましたが状態面はいかがでしたか。
松浦:小松島で感じたことを福井記念でしっかり試せてかなり手応えあったので、中4日とかっていうのは全然気にならなくて。福井記念を追加で走ったことによって、サマーナイトがさらに楽しみになったなっていう感じです。
大津:決勝戦は初日や準決勝戦と比べて足の感触や気持ちの面などに何か違うというのはありましたか。
松浦:自分自身はそこまで変わってなかったんですけど、準決勝の犬伏くんの走りを見て彼の強さっていうのを改めて体感したことによって、決勝戦はすごい安心感を得ることが出来ました。
このメンバーだったら間違いなく、しっかりバックは先頭を通過してくれるなっていう感じだったので、準決勝を終えた時点で犬伏くんと決勝戦に連携できるっていうところがかなりいい精神状態で臨めたかなと思います。
大津:小松島記念でも犬伏選手とは連携がありましたが、その時と比べて犬伏選手はいかがでしたか。
松浦:小松島記念のときは距離が長かったのか、このサマーナイトに比べると、ちょっと僕と連携した日だけコンディションが良くなかったのかなっていう感じがあったので、今回の準決勝でしっかり強さを体感してという形ですかね。
小松島記念、そして今回の準決勝戦と連携したことによって踏み方とかペースみたいなところがちょっとわかったなというのが大きいです。
大津:レース前にアドバイスはされたのでしょうか。
松浦:小松島記念のときにちょっといろいろ言い過ぎたかなっていうところがあったんで、準決勝と決勝戦では作戦のことはあんまり言わずに、フォームとか踏み方をしっかり意識して走ろうねってところを伝えました。
大津:スタートですが、中四国勢は少し自重するようなシーンがありましたね。
松浦:前から2番目か3番目っていう形で思ってました。
スタートは待つから、あとはもう僕が取ったところからあんまり考えずにって言ったらあれですけど、難しく考えずに取れたところからしっかり仕掛けようねっていうところだけでしたね。
大津:前受けを嫌った理由はなんだったんでしょう。
松浦:雨の走路だったのでやっぱり前受けをして、勝負所で後ろに下がってしまった時にけん制なんかされたときには、やっぱり巻き返しが難しくなってきたりするんで。
なので前から2番目、3番目で前の動きを見極めてから行こうっていう感じでしたね。
大津:赤板周回辺りからレースが動くのですが、犬伏選手の動きはいかがでしたか。
松浦:他の選手が動き出した瞬間に、犬伏君も動きそうになって一回落ち着いてくれって思ったのですが、山田さんの動き見る形になったんですごいいい動きしてくれたなと思いました。
ただ、道中から森田君(森田優弥選手・埼玉113期)の後ろにいたのは気付いたんで隙を見せたら、ちょっと怖いなっていうのは感じていました。
大津:ジャン辺りからの犬伏選手の仕掛けはどうでした。
松浦:ホームのかかりは抜群によくて、まあもうこれは他のラインは来れないなっていう感じでした。
準決勝よりも距離が短かったんで、しっかりゴールまで残るなっていう感触は持ってたんですけど、ちょっとホームで踏みすぎたのかバック辺りから垂れてきたので、もうちょっと我慢してくれっていう感じでしたね。
大津:中団から山田選手(山田英明選手・佐賀89期)も仕掛けてきましたが、どのように感じでらっしゃいましたか。
松浦:これは流石に山田さんもいけないだろうと思って、ちょっとこう振ったら止まってくれました。
大津:場合によっては、併せて縦に踏む準備もしていたのですか。
松浦:あそこでは基本的になかったですね。
新田さん(新田祐大選手・福島90期)が僕の後ろだったら行かなきゃいけないかなとは思ってたんですけど、山田さんはあの飛び付くときにやっぱり脚力を消耗しているんで振ったら止まるなという感じのかかりだったので。あとはしっかり後の様子を見極めてっていう形です。
大津:最後は岩本選手(岩本俊介選手・千葉94期)も物凄い勢いで伸びてきましたね。
松浦:ちょっと飲み込まれるかもっていう感じでしたけど、何とか寄せて勝ったって感じですね。
大津:ゴール後、犬伏選手と手を取り合って喜ぶ姿が印象的でした。
松浦:2コーナー辺りで、「とったすか!?」って言われて、「とったよ。ありがとう」って言ったら犬伏くんがヨッシャーって喜んでくれたんですよね。
それがすごいうれしかったですね。こういう舞台でこういう結果を出させてくれたといいますか。犬伏君の力があってからこそなので、そこがすごい大物というか。
彼自身初めてのGIIの決勝戦でやっぱり自分が勝ちたいっていう思いで、ちょっと仕掛けが遅くなったりするもんなのですが、しっかり力を出し切ろうっていう気持ちがすごい伝わって、僕がもうちょっとうまくやれたらワンツーできたかなって思う部分もありました。
大津:ゴール後のファンの声援も大きかったですね。
松浦:雨の中だったんですけど、皆さん本当にすごい応援してくれて、雨も気にならなかったですね。表彰式の時も本当にたくさんの方に残っていただいてとても嬉しかったです。
大津:今回の犬伏選手をはじめ、町田選手(町田太我選手・広島117期)や石原選手(石原颯選手・香川117期)といった若手の活躍はどのように感じてらっしゃいますか。
松浦:本当にすごい頼もしいなっていうところが一番大きいですし、連携するのがすごい楽しみですね。走るごとに成長していて、それがすごい試合で感心するっていうか。連携する度にわくわくします。
大津:サマーナイトフェスティバルが今年の特別競輪初タイトルとなりました。
松浦:個人的にはやっぱりGIIなので、しっかりGIで結果を出したいっていうところがすごいあるんですけど、GII優勝できるってことはGIでもというところもかなり見えてくると思うんで、後半戦が楽しみになったなというのが率直な感想です。
大津:8月9日からは、西武園でのオールスターが行われます。ファン投票2位に選ばれました。
松浦:去年から今年の前半戦のことを考えると、こんなに票を入れてもらえてうれしいなっていうのがすごい素直な気持ちです。
1位の平原さん(平原康多選手・埼玉87期)との差ももう少しでしたけど、今年賞金王になって、来年一位に選んでもらうぞっていう気持ちに改めてさせてもらえました。
大津:後半戦に向けて松浦選手自身、課題はなにかあるのでしょうか。
松浦:自力が強い選手に対して、自分が自力で戦う時にどうしていくかっていうことがテーマかなと思います。縦脚が必須になってきますね。
大津:それでは最後にオッズパークの読者の皆様にメッセージをお願いいたします。
松浦:たくさん応援していただいているんですけど、今年はちょっと優勝回数が少なくて、ようやくGIIを勝つことができました。
ここからしっかり賞金王に向けてGIタイトルも獲りたいですし、これからもたくさん応援していたたく中で、その応援の期待に応えられるような走りをしていきたいと思ってます。
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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。
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