昨年のオッズパーク杯ガールズグランプリを優勝。先日行われたガールズケイリンフェスティバルでも、勝負強さを見せて優勝した石井寛子選手(東京104期)。
オッズパークのイベントも盛り上げてくださっています。出演した感想と近況をお伺いしました。
山口:今日はたくさん伺いたいことがあるんですが、まずオッズパーク協賛試合での始球式について伺います。今までに始球式はされた事ありましたか?
石井:やったことはないんですが、オッズパークさんが始球式をしているのは知っていました。知ってからは「私も絶対やりたい!」と思っていたんです!
だから、ガールズグランプリを優勝した=始球式だ!と思って、自主練をし始めました(笑)。
山口:凄い気合いが入っていたんですね(笑)。
石井:そうなんですよ。私はそういうイベントとかもしっかりやりたいタイプなので、練習して完璧にやりたかったんです。
球技とかはやっていなかったんですが、学生時代は遠投?みたいなのでMVPをもらったりしていたので、自信はありました。
遺伝子的にも...というのも、実は私、元プロ野球選手の石井浩郎さんと遠い親戚なんです。なので小さい頃から野球に親しみはあったので、うまくやりたかったんです。
ただ腱鞘炎になってしまって......。投げるたびに激痛がはしってしまったので、本番はコントロールがきかずにダメでした。それが心残りです。
山口:では、もう一度優勝してまた始球式するしかないですね。
石井:そうなんです!投げた後に、「腱鞘炎じゃなくて、良い時の状態で投げたい」と思ったので、もう一度始球式をするためにも優勝したいですね。
ただ初めて始球式をさせてもらったので、とても良い経験でした。なかなか出来ることじゃないので、感謝ですね。
山口:お客さんもたくさんいらっしゃる中での始球式はいかがでした?
石井:マウンドがキラキラしていました!緊張するかなと思ったんですが、球場に入った時にキラキラしているのが見えて、わくわくしすぎて全く緊張しなかったです。
お客さんもきっとたくさんいらっしゃったと思うんですが、競輪場に比べて遠いのでそれより、ライトのキラキラやマウンドのキラキラの方が大きかったですね(笑)。
その中で練習通り投げられたら完璧だったんですけどね......(苦笑)。
先日オッズパークの方に「次また私が優勝したら、させてもらえますか?」と聞いたら「優勝した人にしてもらうから」と言ってもらえたので、それをモチベーションにガールズケイリンも頑張ります。
山口:続いてはオッズパークビックバンラジオについてお伺いします。収録を終えていかがでしたか?
石井:7月のゲストだったので、まとめて一か月分の収録でした。なので今までの経歴の話をかなり詳しくさせてもらいました。アマチュアの自転車競技をしていた時からガールズグランプリの優勝、そして先日の始球式の話まで、たっぷりさせてもらいました。
山口:ラジオは緊張はしましたか?
石井:今までに他のところでも何度も出させてもらっているので、始球式に比べたら慣れていると思います。なのでそこまで緊張しなかったですね。
パーソナリティの方も「石井選手、話しやすいですね!本当に面白いお話が聞けました。」と言っていただけたので良かったなと思いました。
山口:楽しいお話ですし、アマチュア時代のお話などは今聞いても興味深いですね。聞かれた方もいらっしゃると思うので、感想も楽しみですね。
そして、レースのお話もお願いします。先日のオールスター競輪でのガールズドリームレース。去年はアルテミス賞レースでしたね。
石井:オールスター競輪の2つのレースは絶対出たいものでした。昨年は8位に選ばれて、選ばれたからには優勝を目指すと決めその通り優勝も出来たんですが、やっぱり「ドリームレース」に出たかったという気持ちが大きかったです。
今年はガールズグランプリも勝ったし、その点ではドリームレースに返り咲けるかなと思っていたんですが、やっぱり結果が出た時は嬉しかったし、ファンの皆さんに感謝ですね。
山口:昨年の事も含めて、ここにかける意気込みも違いますか?
石井:選んでいただいたレースで、結果を出す、勝つというのは凄く大切だと思うんです。きっとこのレースはガールズグランプリの次くらいにファンの人に見てもらえるレースだと思います。やっぱり気合いは入りますね。
山口:ガールズドリームレースの振り返りをお願いします。
石井:初手は2番手で想定通り、狙っていた位置でした。そこから山原選手、奥井選手のどちらかが仕掛けると思っていたので、その番手は死守してから直線に、という狙いでした。
奥井選手の番手を取った所も完璧だったんです。そのあとに、アウトコースに山原選手が併走になっていて、そこから抜け出していけなかったのが敗因ですね。
もう少し自分で早めに仕掛けていければ、碧衣ちゃん(児玉碧衣選手・福岡108期)ともいい勝負が出来たんでしょうが、それをさせてもらえなかったので、みんな強いってことです。スキが無い。
山口:総合的にはいかかですか?
石井:やっぱり悔しいですね。でも今練習している感覚では「これくらい走れたな」という現状確認は出来ました。悪いレースではなかったし、今後大きいレースを走るうえでの課題が見つかりました。
優勝はしたかったけど、このメンバーで3着というのは光栄だし戦っていけるなと思いました。
もう少し自力を付けて、タイムをまだまだ上げたいですね。
ガールズドリームレースを走る選手たちは、このレースに入るまでに自己ベスト(タイム)を更新して入ってきた選手がたくさんいたそうなんです。
実は私も自己ベストを出していたんですね。それで自信を付けて入れたんですが、他の選手もそうだと聞いて「みんなも調子良いんだな」と思いました。
なので負けないように、自力と、捲りのスキルを上げたいです。
山口:まだまだ進化していけそうですね。
石井:大丈夫そうです!年齢は関係ないですね(笑)。
山口:今年はグランプリ女王としてレースをここまで走っていますが、プレッシャーはいかがですか?
石井:それは全くないんです。ガールズグランプリを優勝しましたが、自分としては夢のような感じなんです。なのでずっしりとのしかかっても来てない。ただ、純粋に次も勝ちたい、と思うだけですね。あの景色は素晴らしかったので、その光景はまた今年も見たいです。
良い意味で平常心で走れているんですかね。「女王?私が?」という感じです。
山口:私、個人的にはガールズグランプリを勝って、泣き崩れながら敢闘門に引き上げて来られたのがとても印象的でした。
石井:そうですね。一番(とても力を込めて!)勝ちたかったタイトルだったし、毎年出られたらいいなという気持ちだったので、「まさか自分が1着!?」と引き上げて来る時に思い、本当に嬉しかった瞬間でした。終わってから実感が湧きだして来ましたね。
山口:その実感は、「嬉しい」のが、どこから「また来年も取る!」に変わったんですか?
石井:優勝した日はずっと嬉しかったですね。「やっと取れた!頂点だ!」と思っていました。でも、(優勝後すぐに行う)記者会見の時には「ガールズケイリンコレクション平塚ステージ(5月)へのトライアルレースに向けて頑張ります」と言っていたんですよ。2時間後にはもう次のレースの事を考えていたんですね(笑)。
でも、帰宅した後はお祝いしてもらったので嬉しい気持ちに戻ったんですけどね。切り替えとしてははっきりしませんが、すぐ次のレースを考えていたのは事実です。
山口:今年は初めてトライアルレースが実施されて、コレクションのメンバーが決まりました。石井選手はそれについてはいかがですか?
石井:絶対あった方がいいと思います!(即答でした)今までは、5月のコレクションは3連対率の上位で、出場選手が決まっていたんです。
でもそれって、3着以内に入ればいいので、1着じゃなくても出られる可能性が高い選手もいるってこと。トライアルレースにすると、みんな1着を狙ってガンガン攻めた走りをしてくるから
見てるお客さんとしても面白いと思うんです。普段のレースも3連対率を気にしなくてもいいし、勝負強さとかも出ますよね。
5月は特に、112期の選手も多くていろんな人が出られたコレクションだったと思います。
山口:初めてコレクションを走る112期の3選手はいかがでしたか?
石井:どんどんレベルも上がっていますけど、どの選手が相手だろうと、レースは変わらないですね。毎年、自分がチャレンジャーの気持ちで走っています。
そこは絶対ですね。どんな新人が出てきたとしても、別に私が上だとかは思いません。先輩期であったとしても「今年はこんな子が出てきたんだな。じゃ彼女に勝つためにはどんな事をしなきゃいけないかな」と考えて、研究は怠らないですね。ガールズケイリンの全レース、必ず見ています。
山口:その研究熱心な部分が結果にも表れているんですね。どういうポイントを重視して見ますか?
石井:今、調子が上がっている選手とか、逆に調子を落としている選手も思い切って仕掛けてきたりするので、絶対レースには必要な情報だと思うんです。勝つためには、それは必要ですよね。
山口:レースを研究する、という意味では後輩期の方が有利かな?と素人目には思ってしまうんですが......。
石井:そういう部分もあるかもしれませんが、新人選手はその分走り慣れていない緊張感は絶対あると思います。だから私は104期で良かったなと思います。
今デビューする子たちは、いっぱい先輩期の選手がいる中にぽっと入ってレースをしなきゃいけない。それよりは、自分はもうその中にいて、来てもらう方が走りやすいと思います。
山口:ビッグレースに臨むにあたり、どのように入りますか?
石井:最初の方とか、2年目3年目は苦しい状態が多く、結果も5着とか6着が多かったんです。ただ昨年、スイッチが入ったタイミングがありました。
トレーナーさんも変えたりトレーニングを見直したりした時に、結果も伴ってきた気がして......。それからはコレクションもただ出場するだけではなく、着を狙ってどうしたら勝てるかというのを考えて走れるようになりました。
今は、普段のレースも勝ちたいし、コレクションも勝ちたい。ではそれを達成するにはどのようにしたらいいか、というのを総合的に考えています。
山口:コレクションは一発レースですが、普段のレースと同じように臨んでいるんですね?
石井:そうですね。一緒に走る選手が変わったり、その分考えることはたくさんになりますが、心構えとしては変わらずに走ります。平常心でいつも通りですね。
山口:普段の練習環境はどのような感じなんですか?
石井:昨年1月から中村由香里さん(東京102期)のところで一緒にさせてもらっています。それが今のベースになり、大きく変わった、飛躍した部分だと思います。
ウェイトトレーニングやパワーマックス、そこにプラスしたトレーニングで、自分にはどういう事をしたら良いのかがわかってきた気がしました。
今までは同じ京王閣所属でも別で練習をしていたんです。例えば1年目は私は練習時間が違ったり、西武園に行ったりしていたんです。それが朝の練習に参加出来るようになってからはメキメキメキメキメキメキ!と力がついてきたんです。男子選手と練習出来るのが大きいですね。スピードをもらって練習が出来るんです。
練習でも中村さんはとっても強くて、刺激になります。
山口:中村選手の考え方なども感銘を受けることはありましたか?
石井:「60歳までやる」という中村さんの考えを聞いたとき、即答で「私もやります!中村さんがやるなら私も。」と思ったんです。そういう考えは凄いなと思います。
中村さんが上にいてくれているから「東京のガールズは私が引っ張る」という考えでいなくて良いんです。甘えているんですけど、でも中村さんの存在は大きいです。
102期だし、同じ京王閣の先輩だというのもありますね。中村さんもガールズグランプリを優勝してますし。
今は少し怪我などもあって落ちていらっしゃる部分もあるんですが、私は中村さんから良いところをバンバン吸収させてもらっています。
山口:今の目標は何ですか?
石井:今、11月までグランプリの出場権争いがあるんですが、絶対出ることですね。始球式の事もありますし(笑)。
オッズパーク杯になってから、本当にいろんなイベントをしてもらっていて選手側も面白いです。みんな出たいって言ってますよ。
始球式のイベントはたくさん他のガールズ選手もいたんです。斡旋の入ってない仲のいい選手と一緒だったし、妹の貴子(104期)とも一緒(笑)。純粋にワイワイ楽しめました。
山口:最後にオッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。
石井:ガールズグランプリを優勝して、今年はガールズドリームレースも走れました。またどちらもまた出たいので1年頑張って皆さんの車券に貢献したいと思います。
ぜひ応援よろしくお願いします!
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター/MC/キャスター/声優。
競輪関係では取手競輪中継司会、松戸競輪リポーターをメインに各競輪場で活動中。
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※写真提供:公益財団法人 JKA