NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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2月の黒ユリ賞はゴール前バテ比べという様相の大混戦。障害6番手までに越えた6頭が残り10メートル手前で横一線となって、そこからもまだ二転三転があり、ホクセイヒラリがゴール前で抜け出した。その上位6着馬までが揃って出走してきた。この世代、牡馬のトップ3に対して牝馬は劣勢だが、この6頭が上位という力関係には変化があまりないようだ。
そうしたところで期待は近走好調のパワフルクィーン。障害はきわめて安定しており、黒ユリ賞でも障害先頭で、2着でゴールかと思ったところ、ソリの後端が寸前のところで止まって4着だった。障害トップ抜けからの押し切りが期待できる。調教師試験に合格した藤本匠騎手は、この日が最後の騎乗となる。
逆に障害にやや不安があるのがサッコ。黒ユリ賞では障害3番手から一旦は先頭に立ちかける場面もあったが、最後は一杯になって6着。ただ最近では障害を越えてからしっかり脚を使えるようになった。障害ひと腰で前と差のない3、4番手あたりで越えれば差し切る期待も十分。
黒ユリ賞を制したホクセイヒラリは、牝馬では唯一ばんえい菊花賞に出走したが、障害の天板でヒザをついてしまい大きく離れて最下位での入線。そのときが今回と同じ670kgで、果たしてそれが経験となるのか、それとも反動がどうなのかは気になるところ。ただ出走馬中唯一、前走で1100kgを超えていた馬体は魅力といえる。
プロサングエは6月以降、13戦して3着以内を外したのが1度だけ。ここにきての充実ぶりがうかがえる。
黒ユリ賞2着だったウンカイマジックも好調。復調気配だったキョウエイカスミは、前走障害をすんなり越えながらゴール前で一杯になったのはちょっと気になる。
◎5パワフルクィーン
◯10サッコ
▲7ホクセイヒラリ
△9プロサングエ
△3ウンカイマジック
△1キョウエイカスミ
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北國王冠に遠征したリケアカプチーノは、地方同士のレースでは初めて連対を外したが、それでも出入りの激しい展開で波乱の決着となっての3着。先着されたのが長距離実績のある南関東の2頭ということでは、リケアカプチーノ自身も長距離に対する適性を示したといってよい。岩手移籍後はまだ地元馬に先着を許しておらず、みちのく大賞典ではヒロシクンとの一騎打ちを制した実力なら、ここは負けられない一戦だ。
このレース連覇がかかるのがサクラトップキッド。みちのく大賞典ではリケアカプチーノから2秒差の5着と惨敗だったが、マーキュリーカップJpnIIIでは地方馬最先着の4着に食い込んだ。北國王冠では1周目の向正面で動いて先頭に立ち、連れて1番人気のケイアイパープルも一緒に動いてきたため、結果的に共倒れとなってしまった。ゆったり落ち着いた流れになれば、リケアカプチーノに迫る場面もありそう。
意外性ならライアン。南関東で重賞初制覇となった2歳時の平和賞が6番人気で、羽田盃2着のときも13番人気。そして岩手移籍後、重賞初制覇となったせきれい賞も6番人気。昨年末の桐花賞も6番人気ながら直線競り合う有力勢を差し切った。道悪での好走が多く、乱ペースの混戦になれば出番だ。
レールガンはこのレース5年連続での出走で、過去4年は2、3、3、7着。今年3月以来勝ち星から遠ざかっているが、特別戦では2着3着にたびたび好走しており、経験豊富な舞台なら上位食い込みの可能性はある。
一昨年2着、昨年4着のフレイムウィングスも近走好調だ。久々の長距離の舞台で上位食い込みも。
◎5リケアカプチーノ
◯8サクラトップキッド
▲4ライアン
△3レールガン
△2フレイムウィングス
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これまで3回の勝ち馬は、兵庫、大井、高知という遠征勢。今回も南関東から3頭、兵庫・高知から各1頭が遠征してきた。
期待は、飛田愛斗騎手が手綱をとる大井のファーマドール。デビューした門別では2着2回で勝ちきれなかったが、移籍した大井では2歳の一般戦で3戦2勝。前走1600メートル戦の勝ちタイムが1分43秒4。大井コースが白い砂になって以降、過去2年の東京2歳優駿牝馬の勝ちタイム1分44秒6、1分42秒5と遜色ないだけに、全国でも通用するレベルといえそう。
このレースでまだ勝利のない地元勢の期待はサキドリトッケンだ。デビューから連対を外しておらず、九州ジュニアチャンピオン、ネクストスター佐賀、カペラ賞と、重賞3連勝。いずれも直線差し切りというレース内容から、遠征勢が多い組み合わせでも、どんな展開にも対応できそう。その重賞3連勝では、吉原寛人騎手(金沢)、渡邊竜也騎手(笠松)というトップジョッキーが手綱をとってきたが、今回は今年全国リーディングを走る大井の笹川翼騎手だ。
川崎のサラサチャレンジはデビュー戦を勝ったのみだが、園田プリンセスカップでは、目下牝馬重賞3連勝のココキュンキュンに1馬身半差で2着。その後の重賞では4着が最高という成績だが、いずれも勝ち馬は全国レベルの馬たちで、今回は相手が楽になった。
もう1頭、川崎から遠征のイルフロッタントも1勝のみだが、前走ローレル賞では6着サラサチャレンジに1馬身差7着と差はない。
地元でもう1頭、北海道1勝から転入してカペラ賞でサキドリトッケンの3着だったハクアイドゥマンも連下争いなら。
◎2ファーマドール
◯11サキドリトッケン
▲5サラサチャレンジ
△10イルフロッタント
△3ハクアイドゥマン
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