有力馬3頭出しの真島元徳厩舎では、イッシンドウタイに大井の真島大輔騎手を配してきた。川崎所属時に騎乗していたということもあったのだろう。佐賀で重賞は勝っていないものの、重賞級のメンバーとの対戦でも3着以内を一度も外していない。前走韓国岳賞では、結果的に最下位に沈んだケンシベリーノと前半競り合い、道中は3番手以下を大きく離していたためオーバーペースかにも思われた。ところがイッシンドウタイは後続を寄せ付けないまま、2着のデリッツァリモーネに7馬身差をつけて圧勝した。2歳時、門別のサンライズカップ以来、じつに7年ぶりの重賞制覇を狙う。
このレース4連覇がかかるのがキョウワカイザー。昨年までの3連覇は真島正徳騎手だったが、怪我で休養中だった今年の佐賀スプリングカップからは別の騎手が騎乗している。そもそも真島正徳騎手は、最近の重賞では自厩舎(真島元徳厩舎)の有力馬とかぶることも多かった。夏が弱いため夏の休養は毎年のことで、前走を勝って臨むのも毎年のこと。ただ今年は秋の復帰後になかなか調子が上がってこなかったのがどうか。
そして今回真島正徳騎手が手綱を取るのが、なんと7年前の3歳時にこのレースを勝っているウルトラカイザー。吉野ケ里記念も含め近7走で6勝、2着1回と絶好調だが、4着に負けた佐賀スプリングカップ以来の1800メートル戦というのが気になるところ。
佐賀で長らくの期間限定騎乗から今は船橋に戻っている岡村健司騎手が呼び戻されて騎乗するのがデリッツァリモーネ。昨年度までのS2重賞勝ちはあるが、中島記念は初挑戦。ちなみに岡村騎手は期間限定騎乗での活躍が素晴らしく、今年の佐賀リーディングでは今でも2位となっている。
今回と同じ1800メートルの佐賀スプリングカップをコースレコードで勝っているキングプライド。佐賀と高知の"ダービー"に加えロータスクラウン賞も制したスーパージェットは、九州大賞典でも2着と古馬とも互角の勝負。いずれにも勝利が期待できる混戦。
◎10イッシンドウタイ
○9キョウワカイザー
▲3ウルトラカイザー
△8デリッツァリモーネ
△6キングプライド
△12スーパージェット
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ロジストームは今シーズン船橋からの転入初戦となった赤松杯がいきなりベンテンコゾウの2着。その後、A級特別4戦2勝、2着1回と、常に上位を争った。大敗が2度あるが、それは休み明けとJpnIの南部杯。ベンテンコゾウやエンパイアペガサスなどトップクラスが不在となって、メンバー的にも重賞制覇のチャンスが巡ってきた。
タイセイファントムは10歳の今年もトウケイニセイ記念を制して、赤松杯、シアンモア記念では、それぞれベンテンコゾウの3着、2着。さらに栗駒賞ではラブバレットにクビ差2着があった。2カ月ぶりとなった前走は3着に敗れたものの、トウケイニセイ記念連覇に向けて上昇を期待したいところ。
グランユニヴェールは南関東A級から転入。2戦目となった絆カップは4着だったが、北海道の2頭が強力だった。今回のメンバーなら能力的に見劣りはしない。
ホッカイドウ競馬のシーズンが終了して転入したのがスカイロックゲート。夏以降はやや冴えない成績だったが、北海道のA級で勝ち負けだったという実力ならいきなり通用してもおかしくない。
コスモロングソードは盛岡芝での活躍が目立つが、今シーズン水沢1600メートルでも2勝を挙げているだけに軽視できない。
イーグルカザンは昨年のこのレース以来勝ち星から遠ざかっているものの、ほとんど掲示板内の好走を続けているだけに、あっと言わせる場面もあるかもしれない。昨年も6番人気での勝利だった。
◎5ロジストーム
○1タイセイファントム
▲9グランユニヴェール
△10スカイロックゲート
△3コスモロングソード
△2イーグルカザン
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結局ここまで重賞勝ちがないナガラオリオンにいよいよチャンスが巡ってきた。金沢のA1特別では敵なし4戦全勝。地元重賞は2戦して勝つことができなかったが、日本海スプリントはスタートでタイミングが合わず、900メートル戦では致命的な出遅れだった。イヌワシ賞は逃げて直線でも先頭で、完全に勝ったかと思われたところ、北海道のモズオトコマエにとらえられた。中央時代はダートの短距離を使われていたが、移籍後は2000メートル前後でも能力を発揮していて、今回は地元馬同士ということであれば、念願のタイトルを獲ってシーズンを締めくくりたいところ。
メジャーシップは金沢では重賞初挑戦となるが、ナガラオリオンの2着が2度。逆転まではむずかしそうだが、ここまで金沢で7戦してすべて4着以内という堅実ぶりなら2着争いの筆頭。
ヤマミダンスは、ここ3戦は差のある敗戦が続いているものの、最内枠でうまく立ち回れば上位争いのチャンスも。
近走大敗が続いたムーンファーストだが、白山大賞典JpnIIIはさすがに相手が強く、北國王冠は距離が長かった。勝つまでは難しいだろうが、今回の条件、相手関係なら巻き返しはあってもおかしくない。
マイネルリボーンも9月のイヌワシ賞以降は勝ち馬から2秒以上の差をつけられる敗戦続き。とはいえ春は百万石賞を勝つなど実力は確か。その能力が発揮できる状態にあるかどうか。
このレース連覇がかかるのがメイジン。ただその後は遠征も含めて重賞はすべて着外。とはいえA1特別では好走していて、年末の大一番で復活という可能性は考えておきたい。
◎8ナガラオリオン
○10メジャーシップ
▲1ヤマミダンス
△4ムーンファースト
△7マイネルリボーン
△2メイジン
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タガノヴェリテは中央オープンから転入し、地方同士では4戦して2勝、2着2回。白山大賞典JpnIIIは大きく離されての9着と大敗だったが、それが実力ではない。その白山大賞典JpnIIIで3着と好走したカツゲキキトキトとは前走東海菊花賞で再戦し、直線唯一差を詰めて2馬身差の2着だった。今回、下原理騎手はタガノゴールドとタガノヴェリテとどちらに乗るのかと思ったが、果たしてヴェリテのほうだった。ならばこちらを中心とすべきだろう。
マイタイザンは今年休養を挟んで4連勝と充実。東海菊花賞はスタートから直後でカツゲキキトキトに突かれる厳しい展開。そのぶん最後は苦しくなってタガノヴェリテにも離される3着だった。地元でマイペースの逃げに持ち込めればチャンスは十分。
タガノゴールドも中央から移籍して2連勝と地方では底を見せていない。JBCクラシックJpnIは9着だったが、地方馬最先着。中央時代はオープンで頭打ちだったことを考えれば好走といっていい。管理する新子雅司厩舎の所属ゆえ手綱がまわってきた笹田知宏騎手がどう乗りこなすか。
キクノソルは中央オープンから移籍し、園田ではここまですべて3着以内に好走。ただ特別戦で1勝したのみと勝ちきれない印象はある。兵庫大賞典ではマイタイザンの2着があり、能力面でも差はない。
勝ちきれないといえば2着が4回続いたエイシンニシパ。◎○▲と接戦を演じているが、前走東海菊花賞ではまったく見せ場なく敗れたのが気になるところ。
今年のサウスウインドは、重賞で常に上位争いをしていた昨年までの勢いが感じられない。マイタイザンとハナを争うのかどうか、そのあたりの兼ね合いも難しい。
エイシンミコノスは3走前のA1特別でタガノヴェリテを負かしていて、続く摂津盃でもタガノヴェリテにコンマ4秒差の3着と好走。ただどちらも斤量の恩恵があり、定量戦のここではやはり分が悪い。連下争いまで。
◎10タガノヴェリテ
○6マイタイザン
▲3タガノゴールド
△9キクノソル
△8エイシンニシパ
△7サウスウインド
△4エイシンミコノス
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個人的なことだが、毎年楽しみにしているダービーグランプリ。延期となったことによって香港から戻りの日に当たってしまい、残念なことに現地には行けなくなってしまった。そして登録のあった他地区所属馬も何頭かの回避があって遠征馬は3頭。で、9頭立て。出否を迷っていたようだった船橋のヤマノファイトはさすがに浦和記念JpnII(5着)からは出走してこなかった。
そうなると中心は岩手に戻ったチャイヤプーン。船橋から岩手に戻っての初戦、不来方賞では、サンエイキャピタルにクビ差で2着と負けてしまったものの、3着ムゲンノカノウセイには8馬身差をつけた。そういえばデビューから負け知らず5連勝中のサンエイキャピタルが脚部不安のため休養中となっているのも残念。そのぶんもチャイヤプーンには頑張ってもらいたい。
相手は兵庫の2頭だが、西日本ダービーを制したコーナスフロリダが上位。ダービーグランプリの開催が取止めとなったときは延期して行われるかどうか決まっていなかったが、実施されることを期待して地元戦は使わなかったらしい。
そして地元の楠賞4着からここに臨むのがクリノヒビキ。ここまで3頭の争いだろう。
そのほか地元勢では、不来方賞3着だったムゲンノカノウセイ、中央1勝から転入したマグマが馬券圏内に食い込めるかどうか。
◎9チャイヤプーン
○1コーナスフロリダ
▲7クリノヒビキ
△6ムゲンノカノウセイ
△8マグマ
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