前走絆カップで2着に敗れたラブバレットだが、約3カ月ぶりの休み明けに加え、そもそも盛岡のマイル戦は得意ではない。一昨年も絆カップで4着に敗れながら笠松グランプリを制している。ラブバレットの父ノボジャックにはJBCの種牡馬登録がなく、JBCスプリントに出走するためには追加登録料が必要。そのため当初から目標は笠松グランプリに置いており、ここへ向けてのひと叩きとして適当なレースがなく、不得意でも仕方なく絆カップを使っているということのよう。レコード決着となったクラスターカップJpnIIIでタイム差なし2着という実力ならトウケイタイガーにもヒケはとらない。
トウケイタイガーもコーナー4つの1400メートルは得意とするところ。ゴールド争覇ではカツゲキキトキトに差されて2着だったものの、相手も調子を上げていた。メンバー中唯一のグレードタイトル馬として負けられないところ。
浦和から兵庫への転厩2戦目となるエイシンヴァラーにも一発が期待できそう。中央では今年1月に中山のジャニュアリーSを勝ったという実力。浦和に移籍しての大井2戦では結果が出なかったが、前走園田初戦は逃げ切り圧勝。その1400メートルの勝ちタイム1分26秒4は、不良馬場だったとはいえ、トウケイタイガーの同コースの持ちタイム1分27秒8(稍重)より1秒以上速い。
高知のカッサイは、遠征経験こそ少ないが、園田FCスプリントでは2年連続2着に入るなどスピード能力は高い。
◎9ラブバレット
○6トウケイタイガー
▲1エイシンヴァラー
△10カッサイ
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ハヤブサマカオーはデビューからダートで2連勝。しかもそのレースぶりは圧倒的なもので、デビュー戦が2着に大差、2戦目のなでしこ賞は、水の浮く時計の出やすい馬場だったとはいえレコード勝ち。しかもデビュー戦が1700メートルで、2戦目が1400メートルと、コーナーを4つまわるコースも、1400メートルも経験している。あとは小回りの園田コースに対応できるかどうかというだけ。
ソイカウボーイは、シーズン前の能検で1番時計を出して評判になった馬。しかし脚元の不安でデビューが遅れ、それでも門別のダートではここまで3戦3勝。前走サッポロクラシックカップでは、中団追走から直線では並ぶ間もなく外からまとめて交わし去るという圧巻のレースだった。シーズン前半に無理をしていないだけに、まだまだ成長の余地はありそうだ。
今シーズン限りで引退する北海道の桑原義光厩舎から、リコーパイソン、モリノラスボスと2頭が遠征。ホッカイドウ競馬のシーズンは終了したが、今月12日にもJRAの福島2歳ステークスでリュウノユキナが2着に好走している(その後、船橋に移籍)。リコーパイソンは9月にウィナーズチャレンジ勝ち。モリノラスボスは、芝ではあるものの盛岡のジュニアグランプリを勝った。それぞれスマートファルコン、エスポワールシチーという、ダートグレードで活躍した種牡馬の産駒だけに、血統的なことでも期待したい。
ショコラパフェは門別で2歳オープンを勝っての転入初戦。地元の期待はこの馬。
レナータは福島ダートの新馬戦を勝って、1戦1勝での挑戦。ハヤブサマカオー以外の中央馬はすべて1勝だが、その1勝馬の中で新馬勝ちはレナータだけ。未知の魅力と、園田で岩田康誠騎手とうことでは、ひょっとしてという期待はできそう。
◎8ハヤブサマカオー
○4ソイカウボーイ
▲6リコーパイソン
△12ショコラパフェ
△2レナータ
△10モリノラスボス
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地元岩手には"ダービー馬"が2頭存在し、高知と西日本のダービーを制したフリビオンを含め他地区から6頭が遠征。ダービーグランプリというレース名にふさわしいメンバーが集った。
その中で今年夏以降の充実ぶりが際立つスーパーステションから狙ってみたい。2歳時は門別で重賞3着が2度あったものの、勝ち星はフレッシュチャレンジのみ。しかし3歳になって急成長。3歳での重賞初挑戦となった王冠賞では、ベンテンコゾウの北海道三冠を阻止したばかりか、2着のストーンリバーに7馬身差をつける圧勝。その後も古馬A3~A2戦を3連勝。3歳での門別の成績は7戦6勝、2着1回。やや地味な成績だった2歳時からは一変。前走も2番手につけて逃げ馬をかわいがるような感じで4コーナー先頭に立つと、追ってきたパーソナルマキを楽々と突き離し、ほとんど追われることのないまま7馬身差の圧勝だった。レースぶりから2000メートルへの距離延長も問題なく、あとは小回りの水沢コースがどうかというところ。
相手には大井のクラキングス。9月の古馬B1特別(デイリースポーツ賞)では4コーナーで先頭に並びかけると、直線での追い比べで食い下がる2頭を競り落とした。前走競走中止の影響は心配だが、デイリースポーツ賞のパフォーマンスからはヒガシウィルウィンが不在の3歳馬同士なら十分勝負になる。
押し出される形でベンテンコゾウは▲。王冠賞ではスーパーステションの3着に敗れ、残念ながら北海道三冠はならなかったが、それ以来の復帰戦となった古馬とのA級特別(霜月特別)は楽勝。スーパーステションにリベンジなるかどうか。
フリビオンは地元の三冠(黒潮菊花賞)には目もくれず西日本ダービーに遠征。不安視された初輸送も問題なく、見事に直線差し切っての完勝。今回はさらなる長距離輸送で臨むことになる。
ベンテンコゾウ不在となった岩手で二冠を制したのがキングジャガー。大井から岩手に戻っての今シーズンは、初戦のスプリングカップこそ2着に敗れたものの、それ以降は4連勝と、こちらも底を見せていない強さを感じさせる。
勝ちそうな馬、勝たせたい馬が複数いて、馬券をどう買うかは悩みそうだ。
◎11スーパーステション
○6クラキングス
▲5ベンテンコゾウ
△1フリビオン
△2キングジャガー
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昨年新設された、高知デビュー馬限定の2歳重賞。
高知デビュー馬では、高額の新馬戦が設定された一昨年はディアマルコ、そして昨年はこのレースも制したフリビオンが、ともに全国レベルで活躍している。賞金や手当が上がったことによって、高知には高素質馬がどんどん入厩してくるようになった。さて、今年の2歳馬からも、ディアマルコやフリビオンのような活躍馬が出てくるかどうか。
デビューから4連勝のネオプリンセスに、5戦3勝2着2回のヴァリヤンツリがいて、あとは1勝か未勝利というメンバー。2頭の実力が抜けているのは明らかだが、直接対決ではネオプリンセスが3馬身差をつけての楽勝。さらにネオプリンセスが古馬C3に格付けされての前走1300メートルの勝ちタイム1分23秒1は、ヴァリヤンツリの同距離の持ちタイムより3秒ほども速い。この2頭の◎○という評価は動かしがたい。
3着争いは、ヴァリヤンツリに2秒以内の差で2着、3着に好走しているネイティブゴールド、レマンコということになる。
競馬だから何があるかわからないが、2頭の能力が抜けていて馬券的な妙味は薄いレース。ネオプリンセス、ヴァリヤンツリが将来的に全国区で活躍することを期待しながら見るレースといえそうだ。
◎1ネオプリンセス
○2ヴァリヤンツリ
▲6ネイティブゴールド
△3レマンコ
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2歳馬によるJRA認定のS2重賞。
カペラ賞上位組に、門別のウィナーズチャレンジ勝ちという実績で転入初戦のヨシノファルコンが挑むという構図。
ここはやはり北海道で重賞を戦ってきたヨシノファルコンの能力が抜けていると見る。デビュー3戦目にはウィナーズチャレンジを制し、牝馬限定戦とはいえフルールカップでは勝ち馬から1秒2差。中央の芝にも挑戦し、門別最終戦となったサッポロクラシックカップでは6着。あとは1200メートルまでしか経験がない上に、血統的にも短距離のタイプだけに、距離がもつかどうか。
そしてカペラ賞組の比較だが、1番人気で2着に敗れたスターオブソレイユにあらためて期待する。カペラ賞では逃げたエスワンノホシを早めにとらえに行き、直線先頭に立っていたが、うしろでマークしていたエリザベスセーラにとらえられてというもの。逃げ馬に鈴をつけにいくという損な役回りだった。
ただ今回はヨシノファルコンという強敵がいることで、スターオブソレイユがそれを負かしに行くということになれば、再びエリザベスセーラの直線での差し脚が生きる展開になる可能性も十分考えられる。
ニッポンタイショウは門別でアタックチャレンジ2着があって転入し、カペラ賞では3着。九州ジュニアチャンピオンで3着だったエコーズスリー。カペラ賞では逃げて4着だったエスワンノホシ。これらは連下争いに食い込めるかどうか。
◎11ヨシノファルコン
○3スターオブソレイユ
▲12エリザベスセーラ
△2ニッポンタイショウ
△1エコーズスリー
△7エスワンノホシ
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