圧倒的な強さで連勝を続けるマジックカーペットが、順調に一冠目の菊水賞に駒を進めてきた。デビューからほとんど一方的なレースばかりで5連勝。前走1700メートル戦も、他馬より重い56キロを背負うも、2番手追走から持ったまま3コーナー過ぎで先頭に立つと、4コーナーを回ったところで軽く気合をつけられただけ。直線半ばからは手綱を緩められての楽勝だった。これといった上り馬や新興勢力も見当たらず、無事に一冠目を通過することだろう。
問題は相手探しで、その筆頭にはブレイヴコール。これまでマジックカーペットにもっとも迫ったのがこの馬。園田ジュニアカップで1馬身差の2着だった。年明け初戦となった1400メートル戦では、他馬を引きつけての逃げから直線で振り切っての逃げ切り勝ち。そこを叩いて臨む一戦で上積みも期待できそう。
2歳時には兵庫若駒賞を制し、園田ジュニアカップで3着だったのがナチュラリー。3歳になってからは中央へ2度の挑戦があり、その間に1400メートル戦でマジックカーペットとの対戦があって3着。強い相手に揉まれて力をつけている可能性はある。
3月16日にマジックカーペットの2着のあと3歳特別戦を制しているエアラコメット、マイタイザンの弟として注目されるイオタイザン、特別戦で4戦連続2着のハザードマップらも対抗格としては差がない。
◎2マジックカーペット
◯3ブレイヴコール
▲1ナチュラリー
△6エアラコメット
△9イオタイザン
△11ハザードマップ
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日本の競馬場としては最西端、今や九州唯一となった佐賀競馬場に、なんと開幕前の北は北海道から兵庫まで5頭が遠征してきた。グランダム・ジャパンの盛り上がりを示しているといってもいいだろう。
ここは満を持しての地元出走となるハクユウロゼに期待する。佐賀若駒賞を圧勝したあとは中央の芝1200メートル戦に挑戦し、2戦とも着順こそ8着だったが、両レースとも上り34秒台の脚を使って中央勢とも遜色のないレースをしていた。佐賀若駒賞で距離も経験しており、さらに芝で揉まれたスピードを生かしてということであれば、おおいに期待できそう。
相手には兵庫のスターレーン。目下5戦連続2着で、そのうち4戦が重賞。名古屋への遠征競馬も経験しており、距離も経験済み。前走でようやく門別時代の馬体重に近いところまで戻してきて、さらに馬体が充実すれば一気のブレイクもあるかもしれない。
オヒナサマは、佐賀若駒賞がハクユウロゼの2着。そのハクユウロゼが不在となった花吹雪賞を制した。前走は4着に敗れたが、この時期の3歳牝馬が古馬のB級に入ってということであればマイナス要因ではない。420キロ前後の小柄なメンバーが多い中で、前走492キロという馬体も目立つことだろう。
園田の3歳特別で善戦しているラブエンジェルコン、飛燕賞を制したコパノレイミー、笠松でゴールドジュニア2着があるサイレンスミラーなども上位を狙う力はありそう。
◎9ハクユウロゼ
◯12スターレーン
▲3オヒナサマ
△5ラブエンジェルコン
△8コパノレイミー
△6サイレンスミラー
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ナムラタイタンが11歳になっての初出走だ。昨シーズンも4戦のみと、レース数を絞って使われていることもあり、もしかするとこの馬はいつになっても衰えることがない、まるで仙人のような馬になるのではないかという印象すらある。
今回のメンバーでナムラタイタンを負かす可能性があるとすれば、アントニオピサだろう。桐花賞は1馬身3/4差の2着だが、勝ったナムラタイタンにはまだまだ余裕があった。とはいえアントニオピサには冬休み明けの特別開催をひと叩きされているというアドバンテージがある。ナムラタイタンの仕上がり次第では逆転の目もあるかもしれない。
怖いのは中央準オープンから転入初戦となるイーグルカザン。昨年から今年にかけて一度も掲示板に載っていないとはいえ、勝ち馬からは1秒前後の差。近走は1200メートル戦を中心に使われているが、かつてはマイル前後の距離を中心に使われていた。1600メートルならおそらく距離的に問題なく、あとは水沢のダートが合うかどうか。
ナリタスーパーワンは、桐花賞は6着だったが、1600メートルのトウケイニセイ記念では3着。2着のアントニオピサにクビ差と迫る好走だった。昨秋に転入して不良の水沢で2戦したのみで、馬場が良くなっての変わり身も期待できる。
明けて4歳になったサンエイホープも上積みに期待したいところ。
◎9ナムラタイタン
◯8アントニオピサ
▲7イーグルカザン
△2ナリタスーパーワン
△4サンエイホープ
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B級馬による1800メートルのS2重賞。
ジャズコンボは転入後、C級からスタートして目下6連勝中。前走初のS2重賞挑戦となった佐賀弥生賞も完勝。1800メートルで2分を切る勝ちタイムも、S2重賞としては優秀なもの。B級卒業は時間の問題だろう。
好調馬が何頭かいるなかで、対抗はテイエムマケンゲナ。昨年夏に中央未勝利から転入して、なかなか勝ちきれないレースが続いていたが、2走前のすみれ賞でようやくの初勝利。前走こそジャズコンボの5着だったが、B級の特別やS2重賞で好走を続けている。1800メートル戦で2分を切るか切らないかという走破タイムを見ても能力は上位。
パイロットは昨年12月以降、B級戦で7戦4勝で、すべて3着以内。とはいえ昨年秋以降使われているのは1400メートルのみ。久々の1800メートルという距離が課題となりそう。
テイエムトッピモンは、すみれ賞を含めここまで3戦連続で2着。当然上位争いにからんでくる。
前走佐賀弥生賞でジャズコンボに2馬身差2着だったアユメライトアップも引き続きの好走が期待できそう。
◎3ジャズコンボ
◯7テイエムマケンゲナ
▲6パイロット
△2テイエムトッピモン
△8アユメライトアップ
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アンティクイーンは昨年、門別のフレッシュチャレンジを勝ったものの、その後は3戦連続8着。しかし笠松に転入後は2連勝。その2戦とも1400メートル戦で、1分30秒を切るタイムは、この時期の3歳馬としては重賞で勝ち負けが期待できるレベルにある。その後の中央芝挑戦は度外視でき、勝ち星は1400メートル以下だが、200メートル延びただけの1600メートルならこなせるだろう。
1月にゴールドジュニアを制したのが、牝馬のセレニティフレア。前走若草賞は4着だったが、1、2着は高知、兵庫からの遠征馬だった。今回は名古屋からの遠征組が2頭いるが、それ以外は地元馬同士の争いとなればチャンスは十分。
ハリアーは今回が早くも24戦目。9月の笠松転入初戦を勝って以来、勝ち星から遠ざかっているものの、3歳特別戦なら上位争いできるだけの力はあり、ここでも連下なら狙えそう。
ともにフリオーソ産駒のサザンオールスター、フリーゴーイングは、重賞になるとやや力不足という成績で、このメンバーに入ってどこまでやれるか。
◎8アンティクイーン
◯4セレニティフレア
▲2ハリアー
△10サザンオールスター
△6フリーゴーイング
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