例年、ハンデ差が予想のポイントとなる重賞だが、今年は重賞勝ち馬が出走してこなかったこともあり、性(牝馬-20キロ、セン馬-10キロ)による重量差がついただけ。
若いこの時期の重賞では、調子を上げて現級の格付けよりも能力が上と思われる馬を狙うのがポイント。今回はムサシブラザーと見た。とかちダービーまで3連勝。その後、5着、4着だが、今回の出走メンバーでは最上位クラスのB3級-1組で、それほど差のないレース。前走も障害のタイミングひとつで、しかもゴール前では差を詰めていた。同世代同士の今回のメンバーなら能力も勢いも上位だ。
こちらを本命にするか迷ったのがキタノリュウキ。重賞・特別では、ナナカマド賞で6着、若草特別で5着だった以外は3着以内と、常に世代の上位を争ってきた。とはいえとかち皐月賞を勝って以降の上昇度ということではムサシブラザーほどの勢いではないと見て対抗とした。
勢いでいえば目下3連勝中のアラワシキング。とかち皐月賞8着、とかちダービー5着と、◎○とはその時点では差があったが、ここにきての上昇度でどこまで差を詰められるか。逆転の可能性もある。
マルミゴウカイ、サクラダイチは、近走3着以内を続けている安定感を評価。ツルイテンリュウは前走久々の勝利で復調の可能性。
◎7ムサシブラザー
○8キタノリュウキ
▲10アラワシキング
△2マルミゴウカイ
△3サクラダイチ
△4ツルイテンリュウ
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南関東から4頭が遠征してきたが、中央オープン・準オープン経験のある地元馬が強そうだ。
トライアルのかきつばた賞では、直線でブレークビーツ、ブレイズアトレイルの追い比べとなったが、マイペースで逃げたブレークビーツがブレイズアトレイルをハナ差でしりぞけた。とはいえブレイズアトレイルは折り合いを欠くような場面があり、2周目の向正面でペースが上がるまで、鞍上がかなり苦労している様子だった。それでも最後はハナ差。もう少しスムーズにレースが進められればブレイズアトレイルが逆転と見る。
南関東勢では、モンテエンが最上位。中央時代は芝1800~2000mのオープンで入着があり、南関東では勝ち星こそないとはいえ、A級やオープンでたびたび上位争い。久しぶりの芝で能力発揮なら勝ち負けになる。
芝で3連勝中という3歳のサンエイゴールドが、初めての古馬との対戦でどこまでやれるか。◎○▲は、いずれも中央オープン・準オープンの経験馬。このメンバーで互角の勝負なら将来が楽しみだ。
パーティメーカーは近走では追走にも苦労する感じでいいところなし。とはいえ、2400mのペースならさすがについていけないということはないだろう。あとは追い比べとなって力を発揮できるかどうか。2歳時に盛岡芝のジュニアグランプリを勝ってるだけに、ここで一発ということはないだろうか。
チェーザレは、OROターフ特別が3着で、かきつばた賞は8着だったが、それほど悪い競馬ではなかった。連下争いの可能性も。
◎1ブレイズアトレイル
○5ブレークビーツ
▲11モンテエン
△6サンエイゴールド
△7パーティメーカー
△3チェーザレ
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中央オープンから転入初戦となったツクバコガネオーの前走は、ラチ沿いをうまく立ちまわって直線を向いたところで勝ち馬の直後につけたが、直線で突き放されて4馬身差の2着。とはいえそれが今年初戦で馬体重はマイナス19キロ。中央ではオープン勝ちこそなかったものの、ダートの1600〜1800メートルで1秒以内の差で上位入線が多数。一度叩かれての復調に期待する。
ここまで重賞9勝を挙げているライズラインが人気になりそうだ。2500メートルの北上川大賞典も勝ってはいるが、1600〜1800メートルあたりの安定感は抜群。前走は最後メテオライトにクビ差まで迫られたが、道中はそのメテオライトの脚色を確認しながらの競馬で、着差以上の強さだった。北上川大賞典のあと先着された、ナムラタイタン、コミュニティ、ラブバレットという一線級が不在というメンバーだけに、ここは負けられないところ。
中央1000万条件から今季転入したメテオライトは3戦連続2着。中央では1800メートルを中心に使われ、1700メートル以下では3歳時のマイル戦で4着が最高という成績だが、地方のマイル戦は道中の流れがあまり速くならないため対応できる可能性はある。
昨シーズン笠松から転入したエーシンシャラクは重賞では惜しいところで勝利に至らず2着3回、3着2回。今回も連下争いまで。
エアカーネリアンは、昨夏門別から転入後のA級〜オープン特別では5勝を挙げているものの、重賞では2戦して6、7着とあとひと押しが足りない。
◎9ツクバコガネオー
◯3ライズライン
▲7メテオライト
△5エーシンシャラク
△1エアカーネリアン
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昨年のグランダム・ジャパン古馬シーズンで、わずか1ポイント差で2位だったケンブリッジナイスがあらためて女王の座を狙って遠征してきた。昨年のこのレースではエーシンサルサの2着。今回のメンバーにエーシンサルサほどの馬がいるかといえば、Noだと思う。半年ぶりの実戦ということは心配だが、年末の東京シンデレラマイル(3着)、年明けの多摩川オープン(3着)ほどの力が発揮できるのであれば能力上位は間違いない。
兵庫勢は火曜日の金沢スプリントカップでワンツーを決めたように、地区交流の重賞で強さを見せている。なかでも人気のドリームコンサートを競り落として快勝したタガノギャラクシーの新子雅司調教師&下原理騎手の勢いが止まらない。目下のところ、ともに頭ひとつ抜け出して兵庫リーディング。そのコンビで出走するのが、中央未勝利から転入して10連勝中というタガノトリオンフ。2走前の初めての1700メートル戦も6馬身差の圧勝だった。とはいえ距離延長のゆったりしたペースに行きたがる馬を抑えるのに下原騎手はかなり苦労していた。そのぶん、直線はセーフティリードではあったものの、最後は脚が上がっている様子だった。一線級のメンバー相手に1700メートルでどうだろう。まだ底を見せておらず圧勝まであってもおかしくはないのだが。
トーコーヴィーナスが復調気配だ。前走は接戦の3着だったが、相手は今年重賞2勝のアクロマティック。スタート後、チェリーベアハートに執拗に絡まれ前半ハイペースになってもよく粘ったものと思う。とはいえ前回が52キロで今回が55キロ。地元では初めての古馬重賞ということで試金石となりそうな一戦。
高知のブラックバカラは、昨年のこのレースでは10番人気で9着。しかしその後、地元のA-1特別や牝馬同士の準重賞をで勝利を挙げるなど確実に力をつけている。鞍上の永森大智騎手は、スーパージョッキーズトライアルと盛岡のジャパンジョッキーズカップを立て続けに優勝と勢いがある。
のじぎく賞から高知優駿を連勝したディアマルコが再び園田に遠征。古馬とは1キロ差、しかも先行馬が何頭かいての大外枠。楽ではない条件でどんなレースを見せるか。
デンコウガイアは、昨秋は連勝の勢いがあったものの今年になって勝ち星なし。とはいえ前走で復調気配を見せ、牝馬同士なら3着争いも。
◎3ケンブリッジナイス
◯6タガノトリオンフ
▲5トーコーヴィーナス
△7ブラックバカラ
△11ディアマルコ
△2デンコウガイア
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スティールキングに、ホッカイドウ競馬史上5頭目の三冠馬誕生の期待がかかる。一冠目の北斗盃、二冠目の北海優駿では、それぞれジャストフォファン、キングニミッツが2着、3着の着順を入れ替えたという結果。北斗盃では大きく差をつけられたキングニミッツが、北海優駿では2馬身半まで差を詰めたということでは、王冠賞がかつての2600メートルならさらにということも考えられなくもないが、北海優駿よりも短い1800メートルということでは、既存勢力とは勝負付けが済んだと考えてよさそう。北斗盃でのジャストフォファンとの1馬身差も、内回りコースでこそと思えた。ここまでの二冠には不出走の新興勢力との力関係ということになるが、北海優駿の余裕の勝ちっぷりからは、三冠を期待してもいいのではないか。
そして対抗にはキングニミッツ。逆転まではどうかだが、大井から戻って一戦ごとにレースぶりはよくなってきている。前走、JRA未勝利との交流で2着の走破タイムは良馬場で1分56秒5。去年あたりからの古馬1800メートル良馬場の重賞の勝ちタイムを見ると、概ね1分54秒~55秒台の決着となっているので、3歳馬同士なら重賞で勝ち負けになりそうなレベルにはある。
怖いのが中央未勝利から転入して5連勝中のキタサンシャドーだ。前走も楽々と逃げ切って2着馬に5馬身差。一気に世代の頂点に立つ可能性はある。
北海優駿ではゴール前失速して3着だったジャストフォファンだが、距離短縮となるのはよさそう。ただ、盛岡遠征から中2週は気になるところ。
北海優駿4着だったピットブルはどこまで差を詰められるか。
◎9スティールキング
◯5キングニミッツ
▲10キタサンシャドー
△2ジャストフォファン
△7ピットブル
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