1着賞金1000万円だけあって、南関東から2頭のほか、金沢、兵庫、佐賀から5頭の遠征があり、楽しみな一戦となった。
ラブミーチャンは、当初は武豊騎手に騎乗を打診していたが、武騎手は同日、ドバイに遠征しているファリダットに騎乗することになって実現に至らず、条件交流に騎乗する福永祐一騎手が乗ることになった。ラブミーチャンは昨年の笠松グランプリでは直線でエーシンクールディに交わされ1馬身差をつけられての2着。NARグランプリ年度代表馬に選出されて、あらためての地元出走となるだけに、負けられない一戦だ。
佐賀からエスワンプリンスが遠征してきた。昨年3歳時は九州ダービー栄城賞を制し、予定していたジャパンダートダービーJpnIには間に合わなかったものの、同じ大井の黒潮盃に遠征してまことに惜しい3着と好走した。距離は1400~1600くらいがいいとのことで、秋は笠松グランプリを目指していたものの、脚部不安が癒えずに断念。地元のオープンクラスには短距離の番組が少ないので、満を持しての遠征となる。
ナイキマドリードが元気だ。年末の浦和・ゴールドカップから年明けの船橋記念を連勝。前走報知グランプリカップは久々の1800m戦ながら、それほど差のない3着と好走した。気になるのが重賞勝ちが浦和と船橋に集中していること。たとえば大井では、出走のほとんどがダートグレードということもあるが、連対したのは重賞初挑戦だった10年のアフター5スター賞のみ。右回りはあまりよくない可能性があり、3番手評価。
勝負になるのは以上3頭で、いずれかが崩れたときの3着候補が以下。
半年の休み明けとなるファイナルスコアーは、昨年、川崎マイラーズ2着に、武蔵野オープン勝利という実績。
トウショウクエストは、中央準オープンから金沢に移籍し、2戦してともに2着だったが、笠松の白銀争覇で強い勝ち方を見せた。
メモリージルバは中央未勝利だが、前走東海クラウンまで7連勝中と底を見せていない。
◎ラブミーチャン
◯エスワンプリンス
▲ナイキマドリード
△ファイナルスコアー
△トウショウクエスト
△メモリージルバ
フルゲート10頭に、金沢、笠松、名古屋、兵庫から計6頭の遠征馬。いずれも重賞勝ちがあり、このままグランダム・ジャパン古馬シーズンの一戦といってもいいようなメンバーが揃った。
昨年のグランダム・ジャパン古馬シーズンでは、もうちょっとのところで女王の座を逃したロッソトウショウがここでも中心。昨年は、初重賞の読売レディス杯こそ3着だったが、その後は遠征競馬で重賞を3勝。地方同士のレースでは負けていない。長距離輸送によるイレ込みの心配もあったが、最近ではだいぶ慣れてきてもいるようだ。今回は2カ月半ぶりの実戦でどこまで仕上がっているかがカギとなりそうだ。
エーシンアガペーは、兵庫サマークイーン賞ではロッソトウショウに2馬身差をつけられての2着だったが、レース内容的には接戦だった。その後にそのだ金曜ナイター初日の摂津盃で重賞初勝利。しかし兵庫クイーンカップでは5着に負けているように、常に持てる力を発揮するタイプではない。それでも1カ月前にマイル争覇を制したと同じ舞台だけに、再びの好走も期待できる。
マンボビーンは、2011年のグランダム・ジャパン3歳シーズン女王。昨年の兵庫クイーンカップでロッソトウショウに3/4馬身差2着など重賞でも常に善戦するものの、重賞勝利は3歳時以降遠ざかっている。今回も突き抜けるまではどうか。
地元の期待はフレアリングマリー。前々走クイーンカップを圧勝して、前走マイル争覇では5番人気ながらエーシンアガペーに1馬身差2着と好走した。今回は牝馬同士だが、相手関係的にはそのマイル争覇よりも厳しそう。
アルドラは昨年の金沢2冠馬で、ダービーグランプリでも差のない3着。TCK女王盃JpnIIIはさすがに相手が強かったが、そうしたところで揉まれて力をつけている可能性はある。
◎ロッソトウショウ
◯エーシンアガペー
▲マンボビーン
△フレアリングマリー
△アルドラ
球磨川賞と唐津湾賞のほぼ再戦というメンバーで、今回は距離が2000メートルに延びた。
ここも唐津湾賞1、2着馬の争いとなりそうで、その唐津湾賞はグランデスバルを直後でマークしたアティロンが直線でとらえて勝利。ただ今回は斤量が2キロずつプラスで、アティロンにとっては54キロを背負うのが久々なだけに、今回はグランデスバルが雪辱するのではないかと見る。
サイアーエフェクトは、前走唐津湾賞はやや離されての4着だったが、球磨川賞は直線鋭い末脚を発揮し、混戦の2着争いの4着。アティロンにも先着した。勝ち切れないレースが続いているものの、その末脚がハマればこのメンバーでも上位に食い込む力はある。
マイハマドリームは、九州大賞典や中島記念など一線級のメンバーの重賞では厳しいが、その下のクラスの特別や重賞なら常に善戦。球磨川賞も混戦の2着争いで3着に入っているだけに、ここでも馬券圏内は狙えそう。
グレイホークは唐津湾賞で3着。ただ特別だと苦戦する傾向にあるので、△まで。
◎グランデスバル
◯アティロン
▲サイアーエフェクト
△グレイホーク
△マイハマドリーム
エーシンサンダーはここ1年半ほど、ほぼ完璧な成績でオープンまで駆け上がってきた。負けたのは、昨年5月の尾張名古屋杯2着と、距離不足とも言えた11月の笠松グランプリでの7着のみ。その後、大晦日の東海ゴールドカップは楽々と逃げ切り勝ち。前走東海クラウンは7馬身差の圧勝で、ここにきてさらに充実した印象だ。
元日の尾張名古屋杯を含めて6連勝中のネオンオーカンもまだ底を見せていない。尾張名古屋杯は格下相手だったとはいえ、逃げ粘る伏兵馬を直線できっちりとらえた。前走ガーネットオープンも、単独で逃げたパラダイスラビーダを直線でつかまえると3馬身差をつける完勝。まだまだ上のクラスとも戦えそうだ。
ミヤジメーテルは、昨年夏の名港盃を制し、その後もたびたび重賞で善戦。年明けの名古屋記念2着、前走アメジストオープン完勝と、好調持続でここに望む。
エイシンナナツボシは道営記念2着の実力。園田で2戦して勝ち星は挙げられなかったものの、このメンバーなら上位争いに加わる力は十分にありそう。
コスモエスプレッソは新春盃を制し、昨年10月以降3着を外さない堅実な成績。ただ前走のアメジストオープンではミヤジメーテルに差をつけられて2着に負けているように、対戦してきた相手を考えると勝ち負けまではどうか。
◎エーシンサンダー
◯ネオンオーカン
▲ミヤジメーテル
△エイシンナナツボシ
△コスモエスプレッソ
ナナノチカラが急激に力をつけてきた。2歳時の特別では、白菊賞9着、いちい賞6着と目立った存在ではなかったが、12月以降は4戦して3勝、2着1回。勢い、実力ともに牝馬同士のこのメンバーなら最上位。
アグリナデシコは、ここ3戦はまったくいいところがないが、2歳時はいちい賞2着、北央産駒特別1着、ヤングチャンピオンシップ2着と、特別や重賞で力を発揮している。今回は、全馬が初めて経験する600キロ台の重量だけに巻き返す可能性は十分。
コウシュハクイーンもここ2戦はイマイチだが、白菊賞2着、いちい賞1着、ナナカマド賞3着と、2歳時からトップクラスで好勝負してきた。何よりレベルの高い十勝産駒特別でも3着と健闘。3走前にはナナノチカラの2着に敗れたものの、5キロ重い重量でのコンマ3秒差。前2走には目をつぶって本来の力を発揮すれば勝ち負けまである。
セイコークインは、前々走で3歳A-2戦を勝ったものの、A-1では結果を残せていない。とはいえ、着差はそれほどあるわけでもない。またクイーンフェスタは昨秋以降勝ち星が遠ざかっていて、12月以降は馬券がらみもないものの、惜しいレースは続けている。穴をあけるならこの2頭。
◎ナナノチカラ
○アグリナデシコ
▲コウシュハクイーン
△セイコークイン
△クインフェスタ