荒尾ダービーがなくなって九州3冠の体系が成り立たなくなってしまったが、代わりの1冠目ともいえるのが、この飛燕賞だろうか。ただ実際にそうは言われないのは、九州ダービー栄城賞まで4か月近くの間隔があるからかもしれない。
これを1冠目とするかどうかはともかく、ロマンチックはどこまで勝ち続けるだろうか。デビュー3戦目から5連勝中。前走花吹雪賞も、ビックナゲットに3~4コーナーで一旦は迫られながらも、結局最後は突き放して楽勝だった。佐賀の同世代同士ならしばらく負けないのではないか。
そのロマンチックとは今回が初対戦となるのがダイリングローバル。道営では未勝利だったが、転入後は5戦4勝、2着1回。前走日峯特選も3コーナー過ぎで先頭に立つと、あとは後続を寄せつけずという強い勝ち方。まだ底を見せていないだけに、ロマンチックを負かす可能性があるとすればこの馬。
ビックナゲットは、1月3日の初夢特選でダイリングローバルをとらえて負かしたが、その後の花吹雪賞ではロマンチックの2着、日峯特選ではダイリングローバルの3着。現状3番手という評価になるが、展開次第で食い込む余地もある。
その日峯特選で2着だったゴールドペンダント、同4着のハクユウマイスター、デビューから3連勝も3歳になってから今ひとつのカシノアルテミスらが連下争いに食い込めるかどうか。
◎ロマンチック
○ダイリングローバル
▲ビックナゲット
△ゴールドペンダント
△ハクユウマイスター
△カシノアルテミス
牝馬同士ならメイライトの実力が断然抜けている。この世代では絶対的存在のカイロスにはかなわないものの、ナンバー2的存在のイワミノキズナとは互角の勝負。実際に前走若駒賞では、イワミノキズナに先着する2着で、牝馬に対しては大きな差をつけている。おまけに古馬B2特別を勝っているとあれば、同世代同士では相当なレベル。デビュー以来3着を外さない安定した成績を残しているだけに、軸としての信頼度も高い。
相手になるのは道営からの転入組で、中でも筆頭はフレアリングレーヌ。12月のなでしこベストセレクションではメイライトに先着(2着)した経験があり、古馬C1で2着という成績も、メイライト以外のメンバーでは上位。道営所属として最後のレースでの勝ち星が1700メートル戦だっただけに、距離的にも問題ない。
スイングリーダーは、前走オッズパーク杯如月賞では逃げ切りでフレアリングレーヌを振り切った。ただそれが福山転入4戦目での初勝利で、ややムラ駆けの傾向があるだけにここでも単穴まで。
ホクセースパートは、なでしこベストセレクションではメイライトとフレアリングレーヌをまとめて負かしている。2頭が前で競り合うハイペースで、ホクセースパートは中団から位置どりを上げてゴール前でまとめて交わし去るという鮮やかな差し切り。ところが続く前々走は5着惨敗。前走はスタートで躓いての落馬。ここに来てリズムがよくない。
ブイアールラッキーは、前走若駒賞こそ差を付けられての4着だったが、その前には3歳1組戦を連勝。牝馬同士なら上位も狙える。
◎メイライト
◯フレアリングレーヌ
▲スイングリーダー
△ホクセースパート
△ブイアールラッキー
新春ペガサスカップ上位馬の争いと見る。
重賞はもう少しのところで勝てていないが、コスモカリヨンに出番が回ってきた。新春ペガサスカップは、人気薄のアイビスティが逃げ、それをマークしていったが、結局それをとらえることができず、うしろから来たウォータープライドにも交わされて3着。マイペースで先行できれば最後まで粘る力はある。
ホウライジェントルは、1番人気に支持された新春ペガサスカップは4コーナー手前で早々と失速しての4着。水が浮くほどの不良馬場が影響したかどうか。巻き返しのかかる一戦。
その新春ペガサスカップを制したのがウォータープライド。中団から徐々に位置取りを上げ、逃げ粘るアイビスティをとらえて1馬身半差をつけた。重賞2勝でデビュー以来3着を外したことがない安定した成績。とはいえ3着に負けた2戦はいずれも笠松。コースの相性を考えるとあまり強くは推せない。
兵庫のホクザンルージュは中央1戦のみで転入し、地方ではいずれも3着以内と安定した成績だが、重賞初挑戦となった園田クイーンセレクションは、勝ったピッチシフターが強かったとはいえ、かなり離されての3着。ピッチシフターがいないここなら上位争いもという可能性もあるが、初めての輸送競馬ゆえ△まで。
ゴールドブラザーは、道営から転入して3戦目の初勝利が6馬身差の圧勝。ここにきて力をつけた可能性もあり、距離延長でさらに力を発揮すれば上位争いまで。
◎コスモカリヨン
○ホウライジェントル
▲ウォータープライド
△ホクザンルージュ
△ゴールドブラザー
8月のレパードステークスGIII以来勝利がないものの、ホッコータルマエの実力が断然だ。なんといっても戦ってきた相手が違う。みやこステークスGIIIでは、ローマンレジェンド、ニホンピロアワーズという、のちのGI馬にクビ、クビ差の3着。ジャパンカップダートGIではローマンレジェンドに先着しての3着だった。相手関係を見た上で、ここは確実にタイトルを獲りに来たと見る。
エーシンモアオバーは、前走名古屋グランプリJpnIIが重賞初勝利。スローペースでトリップが掛かってしまい、途中からハナを譲る形となったが、一騎打ちとなったクラシカルノヴァには最後まで前に出ることを許さずコースレコードでの勝利。ゆったり流れる2000メートル戦だけにマイペースで逃げれられればそのまま逃げこむということも考えられるが、ホッコータルマエより2キロ重いというのはいかにも厳しい。
クリールパッションは2年以上勝ち星から遠ざかっているとはいえ、中央・地方問わずダート重賞でたびたび掲示板圏内を確保。今回、上記2頭以外の中央勢が大敗の多いメンバーだけに、馬券圏内の可能性も十分考えられる。
地方勢では高知から遠征のグランシュヴァリエ。前走、高知県知事賞は、地元メンバーだけのレースならやはりという大差圧勝を見せた。◎◯以外の中央勢は、近走の成績があまりパッしないだけに、馬券圏内も十分に狙える。
キングスエンブレムは、休み明けの名古屋グランプリJpnIIは10着惨敗だったが、そこを叩いての変わり身があるかどうか。
オースミイチバンは、名古屋グランプリJpnIIでは3着だったが、勝ったエーシンモアオバーからは1秒9も離された。今回も中央勢の何頭かが凡走したときに馬券圏内があるかどうか。
◎ホッコータルマエ
◯エーシンモアオバー
▲クリールパッション
△グランシュヴァリエ
△キングスエンブレム
△オースミイチバン
ダンツレパードは、九州産限定ではない阪神の新馬戦4着、未勝利戦3着と好走したあと、小倉の九州産馬限定の未勝利戦を好タイムで快勝。ダートは今回が初めてになるが、素質で押しきれるだろう。
カシノランナウェイは、九州産の新馬戦を勝ったあと、ひまわり賞で2着。その後500万下の平場と特別は惨敗だったが、さすがに一般の500万クラスではハードルが高かった。九州産限定に戻れば実力は上位。ただ大敗した2走前がダート戦だったのが気になるところ。
クラウンボースロンは、前走のトライアル・ノカイドウ特別が初勝利。それまでは5着が最高という成績だが、九州産限定ではない一般の未勝利戦で揉まれてきているだけに、このメンバーに入れば上位争いも可能だろう。
地元佐賀勢では、リトルチェリーが食い込めるかどうか。道営ではフレッシュチャレンジで2着だったものの、未勝利のまま佐賀に移籍。4戦目となった前走は5馬身差の圧勝。ここにきて力をつけている。
ここまで未勝利だがカシノサトラップは九州産限定の未勝利戦で2戦連続2着のあと、ひまわり賞で3着。2着カシノランナウェイからは1馬身半差だけに、力差はほとんどない。
キュウシュウソダチはトライアルのミヤマキリシマ特別が初勝利。それまでは6着が最高で、ひまわり賞でも8着だったが、その後阪神、京都、東京というJRAのメイン場の未勝利戦でレースを重ねてきた経験で上積みがあるかどうか。
◎ダンツレパード
◯カシノランナウェイ
▲クラウンボースロン
△リトルチェリー
△カシノサトラップ
△キュウシュソダチ