ラブミーチャンが、一昨年のこのレース以来、2年ぶりの凱旋となる。その一昨年はスタートで落馬寸前の躓きで最後方からというまさかの展開。向正面から前を追いかけたものの、前をとらえきれないばかりか、最後は一杯になって4着に敗れた。思えば地元笠松ではこれまで4戦したのみで、これが唯一の敗戦。名古屋を含めても、地方同士のレースではこのときしか負けていない。今回はJBCスプリントから中16日で臨む一戦。東京盃を制して期待されたそのJBCは、スタートで後手を踏んだ。チョウサンペガサスが大きく出遅れたのが目立ったが、ほかにもラブミーチャンだけでなく、セイクリムズン、ナイキマドリードなども躓いたのか、すべったのか、苦しいレースを強いられた。それでも2番手にとりついたラブミーチャンだが、さすがに一線級が相手で1400メートルでは直線で一杯になり9着に沈んだ。しかし地方馬同士なら負けられない一戦。内枠に入ったこともあり、久々にハナを切るラブミーチャンが見られるかもしれない。
相手筆頭は、昨年のこのレースでエーシンクールディの2着だったフィオーレハーバー。それ以来、地元でも勝ち切れないレースが続き、5月のA1戦ではスタートで躓いて落馬。5カ月ぶりの復帰戦となった前走のA1特別では、中央芝のオープン実績があるエーシンリジルを子供扱いという内容でしりぞけての勝利。ここに向けてという意味では、この馬がいちばん順調かもしれない。
エーシンサンダーは、5月の尾張名古屋杯で2着に敗れて連勝は途切れたが、その後に再び5連勝。特に前走東海クラウンは、ミルリュユッテに3/4馬身差とはいえ、最後には追うのをやめていただけに、着差以上の楽勝だった。ここに来てさらに充実したと見る。
実績ではラブミーチャンの2番手はエーシンクールディ。レディスプレリュードは地方馬で唯一掲示板を確保する4着で、JBCレディスクラシックも6着とはいえ、勝ったミラクルレジェンドから0秒9差。グランダム・ジャパン古馬シーズンでは連覇となったが、ぶっちぎりでの優勝だった昨年とは違い、今年は接戦をようやく制しての優勝だった。昨年ほどの勢いが感じられないため今回は狙いを下げた。
南関東から3頭が遠征してきたが、その中ではヤサカファイン。一昨年の東京盃ではサマーウインドを追い詰めての2着、昨年の北海道スプリントカップでも2着があるが、勝ち星からは2年以上遠ざかっている。とはいえ、前々走のアフター5スター賞では復調気配も見えた。1400メートルはこの馬にはちょっと長い感じもするので今回がダメでも近いうちにいいレースを見せてくれるはず。
◎ラブミーチャン
◯フィオーレハーバー
▲エーシンサンダー
△エーシンクールディ
△ヤサカファイン
2歳のうちは地元を中心に使われる馬がほとんどだが、ここには北海道から3頭、高知から2頭と、フルゲートの半数が遠征馬となった。ホッカイドウ競馬はちょうど今シーズンの開催が終了したタイミングであり、また高知の2頭は北海道からの移籍馬で、地元ではまだ2歳馬が少なく、古馬に編入されて出走するしかないため、戦いの場を求めての遠征ということだろう。
18日の水沢・南部駒賞では北海道からの遠征馬が上位3着までを独占したように、この時期の2歳馬は、やはり経験豊富な北海道勢が圧倒的に強い。が、ここは地元のカツゲキドラマに期待したい。前々走の園田プリンセスカップでは、出遅れた上に行きっぷりが悪く、どうなることかと思ったが、直線だけで地元の期待馬を4馬身突き放した。前走川崎のローレル賞は4着だったが、ほとんど最後方から直線だけで追い上げた。持てる能力を発揮できるようになればさらに上を目指せる。
北海道から遠征のトチノスカーレットはイノセントカップ2着があり、その後ハイセイコー記念で3番人気に支持されるアウターバンクスや、南部駒賞1番人気で2着のミータローに先着。またエーデルワイス賞JpnIIIでも5着とはいえ勝ったハニーパイから0秒5差だった。とはいえ、2度出走した1700メートル戦では勝ち馬から離されて負けているだけに、距離適性に不安はある。
同じく北海道のニイカップクイーンは、重賞では成績を残せていないものの、前々走のウィナーズチャレンジでは、この世代の牝馬でもトップクラスの1頭、ヨウメイモンから0秒7差は評価できる。1200メートルまでしか経験がないので、こちらも距離がどうか。
ゴールドウィング賞を制して5戦4勝、2着1回としたウォータープライドだが、今回は格段にメンバーが揃ったため、あらためて胸を借りる一戦になる。
重賞入着級のルード、秋風ジュニアでカツゲキドラマの2着があるハイアンドノーブルらもこのメンバーに入って上位争いにからめるかどうか。
◎カツゲキドラマ
◯トチノスカーレット
▲ニイカップクイーン
△ウォータープライド
△ルード
△ハイアンドノーブル