アウトジェネラルは、1番人気となった栄冠賞こそ2着だったものの、1800メートルに距離延長のアルデバラン賞は8馬身差の圧勝。前走芝のコスモス賞は結果を残せなかったが、やはり血統的にもダートでこそという馬。1700メートルのここなら、再び強いレースを見せてくれそうだ。
芝のクローバー賞2着のジェネラルグラントは、期待された札幌2歳ステークスGIIIでは残念ながら12着。とはいえダートではデビューから2連勝。特に1700メートルのウィナーズチャレンジでは、クラキンコの全弟クラグオーをクビ差でしりぞけた。まだまだ底知れない力を秘めていそうだ。
前々走のウィナーズチャレンジで、そのクラグオーに1馬身差で2着に敗れたのがストーミングスター。4戦して2勝がいずれも1200メートル戦だけに、距離にやや不安はある。
アウターバンクスは、ブリーダーズゴールドジュニアカップで1番人気に支持された素質馬。2着に敗れはしたものの、勝ったカイカヨソウは、その後にフローラルカップも制してデビューから3連勝という成績を残している。アウターバンクスにも相応の力があっておかしくない。
ファキナウェイは、2着に7馬身差をつけたデビュー2戦目のアタックチャレンジが圧巻のレース内容だった。続く2歳の条件特別も勝利。1200メートルまでしか経験がないものの、距離延長に対応できれば力的に差はない。
◎アウトジェネラル
○ジェネラルグラント
▲ストーミングスター
△アウターバンクス
△ファキナウェイ
笠松から2頭、名古屋・金沢から各1頭の遠征があり、それにしても楽しみなメンバーが揃った。近年では地方同士の交流レースが増えたことでメンバーが分散し、重賞でもときに重賞未勝利馬ばかりだったり、重賞勝ち馬がいても1~2頭というレースもあったりする。しかし今回は摂津盃1、2着のエーシンアガペー、ホクセツサンデーに、今年の兵庫ダービー馬メイレディ、金沢・オータムカップを制したエーシングレーソロ、園田コース得意の古豪マルヨフェニックスなど、本命にしたいような馬が1頭や2頭ではない。
そうした中で狙ってみたいのは、笠松のマルヨフェニックス。昨年3月の六甲盃以来勝ち星がないが、もともと若いころから脚部不安に悩まされてきた馬で、結果を残せるかどうかは脚元次第。前走イヌワシ賞は、その後白山大賞典JpnIII2着のナムラダイキチには8馬身差をつけられたが、直線でジャングルスマイルをとらえての2着は復調を感じさせる。09、10年に続いて、このレース3勝目がかかる。
相手も笠松のエーシングレーソロ。中央から転入後、6戦3勝、2着2回。唯一連対を外したのは金沢に遠征したイヌワシ賞で、先着されたのはナムラダイキチ、マルヨフェニックス、ジャングルスマイルという一戦級。さすがにそのときより相手関係は楽で、ここなら上位争いは間違いない。
ホクセツサンデーは、摂津盃では1番人気に支持されたものの5キロも軽いエーシンアガペーと一騎打ちの末、突き放された。しかし今回はそのときより2.5キロ軽い56キロ。おまけに5キロ差があったエーシンアガペーとも2キロ差しかなくなった。地元の意地を見せたいところ。
エーシンアガペーは、負担重量的にはホクセツサンデーとの比較で劣勢だが、絶対値では摂津盃より0.5キロしか重くならないため、勢いで好走という可能性もある。
牝馬ながら兵庫ダービーを制したメイレディは、前走初めての古馬との対戦となった摂津盃での惨敗が気になるところ。
ダイナミックグロウは、重賞でも善戦しているが、なかなか勝ちきれないタイプ。
◎マルヨフェニックス
○エーシングレーソロ
▲ホクセツサンデー
△エーシンアガペー
△メイレディ
△ダイナミックグロウ
昨年は東京競馬場で行われたマイルチャンピオンシップ南部杯JpnIだが、今年は盛岡に戻ってきた。大震災という大変残念な出来事の影響とはいえ、地方競馬で行われているレースを中央開催に移すというのは画期的な出来事だった。
エスポワールシチーが7歳でも元気だ。フリオーソを相手にしなかったかしわ記念JpnIは、09、10年に続いて3勝目。それが今年唯一の勝ち星だが、帝王賞JpnIはゴルトブリッツには離されたとはいえ、テスタマッタ、シビルウォーとの接戦を制してのもの。エルムステークスGIIIは3キロ軽いローマンレジェンドと一騎打ちの末のクビ差だった。相手関係的にも負けられない一戦。
ナムラタイタンは6歳でもここまで21戦とそれほどレースを使われておらず、まだまだ上を狙える素質はある。重賞タイトルは武蔵野ステークスGIIIのみだが、前々走の栗東ステークスはファリダットの3着、前走アハルテケステークスはバーディバーディに1 1/4馬身差2着と、オープン特別とはいえ重賞クラスのメンバーと互角のレースをしている。地方初遠征だが、得意のマイルの距離を狙ってのことだろう。
昨年後半4連勝と快進撃だったスーニだが、今年は5戦して3着が最高という成績。マイル戦の実績にも乏しく、ここで復活のきっかけがつかめるかどうか。
アドマイヤロイヤルは、昨年4月にダートに転向して以降、ダートの1400~1600メートルではすべて3着以内を確保と堅実な成績。直線勝負の脚質だが、ここではいかに好位を追走できるかが好走のカギとなりそう。
メイショウタメトモは、川崎記念JpnIでの2着など地方のダートグレードでは常に一線級相手に善戦。中距離以上で結果を残してきただけに、マイルの距離がどうか。
ナイキマドリードは、船橋1000メートルで行われたJBCスプリントJpnIで2着があるが、1400メートル前後で結果を残してきた。同じマイルのフェブラリーステークスGIは最下位だったが、JpnIとはいえメンバーが軽くなるここでどうか。
◎エスポワールシチー
◯ナムラタイタン
▲スーニ
△アドマイヤロイヤル
△メイショウタメトモ
△ナイキマドリード
3歳馬としては、ほとんどの馬が初めて経験する2250メートル戦。福山ダービーを勝って、前走古馬B1特別も勝っているアグリノキセキが実績も格も最上位だが、ここ4戦は1250メートル戦をずっと使っているのが気になるところ。
そこで狙ってみたいのは、中央からの転厩組の中からヤングエイト。前走B2の1250メートル戦はやや離された3着だったが、前々走1600メートルのB1B2特別は後続を寄せつけずの5馬身差圧勝。さらに距離が伸びて力を発揮しそう。
そしてやはり実績ナンバー1のアグリノキセキも外せない存在。
キャニオンサクセスは、夏場にC1からB3まで5連勝と急激に力をつけ、近走はB級の上位クラスでも3着を外さない堅実な成績。重賞初挑戦でもいきなりタイトル奪取の可能性は十分。
キモンエンジェルは笠松から転入し、負けても勝ち馬とは僅差の勝負でB2まで出世。ただ2走前の福山3歳牝馬特別で最下位に敗れているのが気になるところ。
中央未勝利から7連勝で注目されたグラスマテリアルだが、B級では3戦1勝。その1勝が1600メートル戦だけに、距離延長に好機を見いだせるかもしれない。
ブルズアイは、兵庫から転入して前走が6戦目での初勝利。さらに上積みがあれば。
◎ヤングエイト
○アグリノキセキ
▲キャニオンサクセス
△キモンエンジェル
△グラスマテリアル
△ブルズアイ
ここで狙ってみたいのは、トライアルのステイゴールド・プレミアムで3着だったリバーキンタロー。そのトライアルでは、後方を追走して4コーナーは大外を回してくるという、この短距離では致命的なコースロスがあった。実際に3走前には、今回人気になりそうなシャイニングアワーが直線単独で抜けだしたところ、1頭だけ際立った脚で追い込んでゴール前できっちりとらえた。好位を追走してその末脚が発揮できれば、初タイトルが期待できる。
相手には、やはり中央オープンの実績があるシャイニングアワー。中央から転入して3戦連続2着。前走のトライアルはパフォーマンスにアタマ差2着と食い下がっただけに、ここでも好走は必至。
プリティゴールドは、昨年、今年と同じ1200メートルのエトワール賞を連覇しているものの、道営転入後は、その2勝の他にはA2-2組で1勝しているのみ。時期的なものなのかどうか、エトワール賞だけ高いパフォーマンスを発揮する。実際に昨年のこのレースは4着。前走のトライアルも離されての4着だっただけに、ここで巻き返せるかどうか。
3歳牝馬のロクイチスマイルはエトワール賞2着があるが、そのとき51キロで、前走52キロで出走したA4-1組特別でも2着に敗れていただけに、今回53キロでどうか。
グランドラッチは中央所属だった昨年、クラスターカップJpnIIIで2着の実績。その後、大井ではA2特別の短距離戦で入着級。遠征競馬でどんなレースを見せるか。
クイックスターは格上挑戦になるが、前走1200メートル戦で3馬身差圧勝があり、タイム的に通用してもおかしくない。
◎リバーキンタロー
◯シャイニングアワー
▲プリティゴールド
△ロクイチスマイル
△グランドラッチ
△クイックスター