昨年あたりまでの道営オープンは、中央の準オープン入着級の力があれば十分に重賞タイトルを狙えたのだが、今年はオープンからの転入馬も目立つようになってきた。
その筆頭がシャアだ。大井を経由して転入後は2連勝。その前走、ステイヤーズカップは、ゴール前では長丁場得意のサムライジャパンに迫られたが、見事な逃げ切りだった。この距離に戻れば安定したレースぶりが見られるはず。
相手にはシャイニングアワー。前走は1200メートルの道営スプリントを完勝。この馬も中央オープンの実績馬で、中央時はマイルでも成績を残していただけに、この距離でも力を発揮できる。
道営生え抜きのカネマサゴールドは、7月の赤レンガ記念が重賞初挑戦での勝利。前走での格付けはA2だったが、1800メートルの持ちタイム的にも十分勝負になる。
リアライズノユメは、2歳時にエーデルワイス賞JpnIIIから兵庫ジュニアグランプリJpnIIを連勝したが、3歳以降はまったくの低迷。しかし船橋を経由して道営に転入してからは2連勝と見違えるようなレースぶり。ここがひとつの試金石となりそうだ。
やはり中央オープンから転入して赤レンガ記念4着のエイシンダッシュも上積みがあれば勝負になる。
3歳のニシノファイターは、ステイヤーズカップは6着だったが、オープン特別で斤量差が3キロあったとはいえシャイニングアワーを負かした経験があるだけに、この距離に戻って見直す手はある。
◎シャア
◯シャイニングアワー
▲カネマサゴールド
△リアライズノユメ
△エイシンダッシュ
△ニシノファイター
ドンスキマーに高知3冠の期待がかかるが、ここは黒潮皐月賞3着、高知優駿2着だったヒロカミヒメの逆転に期待してみたい。今回の出走メンバーでは最高格付となるB-1特別で4戦3勝とという経験が生かされるはずだ。
相手にはもちろんドンスキマー。2冠制覇のあとはC1の一般戦で2戦連続2着だったが、前走はC1特別を制してここに臨む。実力的にはB級に上がっても通用しそうなだけに、ヒロカミヒメとの一騎打ちとなりそう。
マンボフィーリングは、黒潮皐月賞2着、高知優駿3着で、ヒロカミヒメと春の2冠で2着3着を分け合った。前走はようやくC1の一般戦を勝ったが、夏以降の成績では上記2頭よりも見劣りがする。
ハナニナレは、高知優駿4着のあと7戦連続連対だが、前走で7着と惨敗。これは先手をとれなかったのが原因で、それまでのレースぶりからは一角崩しの可能性も。
判断に悩むのがクロクモだ。春の2冠ではともに掲示板に載れなかったが、その後は7戦6勝、2着1回と快進撃。とはいえC級でもまだ上位クラスではないだけに未知数な部分が多く、力をつけていれば上位食い込みも。
春の2冠に出走していない移籍組では、ユキノベアハート、パイクーヤ、ケイズイーグルらが転入後に連勝や連続連対で底を見せていないが、まだまだ格下。その中でも前走1300メートル戦だが好タイムで勝っているユキノベアハートがこのメンバーに入ってどんなレースをするか注目。
◎ヒロカミヒメ
◯ドンスキマー
▲マンボフィーリング
△ハナニナレ
△クロクモ
△ユキノベアハート
別定10キロ増の馬が4頭いるが、この時期、500キロ台の重量で10キロ増は相当に堪えるように思う。2010年には10キロ増のオイドンが勝ったが、それまで7勝と圧倒的に力が抜けていた。今年の10キロ増は4~5勝馬で、それ以外の馬とも勝ったり負けたりのメンバーだけに別定加増のない馬から狙う。
コウシュハウンカイは、青雲賞3着のあとにA-2戦2着、A-1・2戦で勝利と力をつけてきている。その勢いで2歳最初のタイトル奪取を狙う。
ショウチシマシタは、デビュー以来8戦して3着を外したのは1度だけと堅実な成績。前々走でA-1戦2着があり、前走は5キロ軽かったとはいえ前述のコウシュハウンカイを相手に勝利。負けても常に着差は僅差だけに、展開がはまれば一発もある。
10キロ増組では牝馬のセイコークイン。白菊賞圧勝があり、いちい賞こそゴール前の大接戦で僅差の5着に敗れたが、前走のA-1特別は牡馬相手に接戦を制した。たしかに10キロ増は厳しいが、逆に500キロ前後の重量で基礎重量が20キロ減となるこの時期の牝馬は有利とも言える。
そういう意味で最軽量540キロのコウシュハクィーンはさらに有利であることも間違いない。格下ながら、いちい賞では障害を先頭でクリアし、ゴール前5頭ほどが抜きつ抜かれつの大接戦を制した勢いもある。
10キロ増の実績馬、ダイコクパワー、ソウクンボーイ、ホクショウサスケらも、ハンデを克服して好走する可能性はある。
◎コウシュハウンカイ
◯ショウチシマシタ
▲セイコークイン
△コウシュハクイーン
△ダイコクパワー
△ソウクンボーイ
△ホクショウサスケ
ん? 福山の銀杯。懐かしい響きだなあと思ったら、2006年までアラブ3歳馬の重賞として行われていたものが、今年から3歳以上の福山デビュー馬による重賞として生まれ変わった。回次も当時のものから引き継がれている。
出走馬の近走の成績を見ると、ほとんどがB級以下で苦戦している馬ばかりで、福山ではやはり転入馬が上級クラスのほとんどを占めているというのがわかる。
そんななかでも、実績と格からはユメミルチカラが中心。2歳時に福山2歳優駿を制し、昨年3歳時は福山ダービー2着、今年1月にはクイーンカップ2着など重賞でも結果を残してきた。近走は大敗もあるが、前走1600メートルのA3・B1戦で5着なら、このメンバーに入れば能力上位。
ラピッドリーサンは、重賞では昨年の福山プリンセスカップの3着が最高という成績。今年4月にB級に昇格して以来勝ち星はないが、それでもB3級で堅実に上位に食い込んでいる。
3歳のクーヨシンは古馬重賞はこれが初挑戦。2月の福山プリンセスカップまでは地元ではほぼ無敵だったが、それ以降、福山ダービーでも差をつけられての2着など勝ち星がない。ただ格付的にはメンバー中最上位で、約3カ月ぶりとなった前走A2特別は勝ち馬から1秒8離された5着。叩き2戦目の上積みがあれば圧勝もあるが、格付最上位でも古馬との対戦となるとどうだろう。
4走前にB2特別勝ちがあるマルサンラヴィータ、福山チャンピオンシップ3着の3歳牝馬オブリラブ、福山ダービー3着で前々走C1戦を勝っているシゲノチコクらは成績的にはやや劣勢だが、上位食い込みを狙う。
◎ユメミルチカラ
◯ラピッドリーサン
▲クーヨシン
△マルサンラヴィータ
△オブリラブ
△シゲノチコク
東海地区の3歳戦線は、2歳から3歳春までとは徐々に勢力図が変わってきて、新興勢力の台頭が目立つようになってきた。
そんななかで夏以降に力をつけたのが、東海ダービーで9番人気ながら2着と好走したブライトシンプー。古馬A3特別で連勝し、前走A1特別では歴戦の重賞実績馬に交じって2着と好走。52キロという斤量もあってのことだが、今回は同世代同士で定量56キロ(条件は別定になっているが、出走馬すべて牡馬56キロ、牝馬54キロ)なら問題ないだろう。初タイトル奪取のチャンスだ。
中央未勝利から転入して、今回が重賞初挑戦となるのがサカジロスイセイ。名古屋に転入後は5戦してオール連対。ここ3戦は古馬A3特別で前走逃げ切って快勝していることからも、さらに上を狙えそう。短距離血統だが、中央時は芝2000メートルで僅差の5着などがあり問題ないはず。
東海ダービーを制したマイネルセグメントは、前走1番人気に支持された古馬A2特別で5着。ジャパンダートダービーJpnIに遠征した反動があったかどうか。もともと駿蹄賞であっさり負けた後、陣営が自信を持って臨んだ東海ダービーをきっちり勝ったように、強いレースもするが負けるときはあっさりというタイプ。巻き返しがかかる一戦。
笠松生え抜きだが重賞初挑戦でも侮れない存在がマルヨレギュラー。3歳1組戦ではあるものの3連勝と力をつけている。
ボクノタカラモノは、中央未勝利から笠松に転入して6戦5勝。まだ3歳の条件戦までしか経験がないため、ここが試金石となりそう。
ノゾミカイソクは3歳のスプリングカップ2着以降成績が冴えないが、前々走B2特別で久々の勝利。調子上向きなら連下争いの可能性も。
◎ブライトシンプー
○サカジロスイセイ
▲マイネルセグメント
△マルヨレギュラー
△ボクノタカラモノ
△ノゾミカイソク