ダイリンビューティの700キロをトップハンデに、ほかは680キロか670キロ。9月4日に行われた紅バラ賞に出走した9頭すべてが顔を揃え、その9頭ともが揃って負担重量30キロ増と相対的な重量差は変わらない。
ここは、その紅バラ賞で接戦だった上位3頭を狙ってみたい。ただし本命にするのは、紅バラ賞2着だったタケノビジン。何と言っても今シーズン7月に復帰してから13戦して1度も3着を外していないという安定したレースぶりが光る。負けてもそのほとんどが勝ち馬から5秒台以内の着差。今回も大崩れはないだろう。
相手はトップハンデのダイリンビューティ。5走前にはA1級での勝利があり、すでに700キロ以上の負担重量を何度か経験していることも有利。
紅バラ賞を制したキタノサクラヒメが3番手評価。連勝で臨んだ紅バラ賞は勢いがあったが、その後4着、5着と負けて臨む一戦となるだけに、再び同世代の牝馬同士で巻き返しなるか。
8月のはまなす賞を制したツジノコウフクヒメだが、その後の4戦はいずれも10秒以上の差をつけられての敗戦。とはいえ重賞では、はまなす賞のほかにもばんえい大賞典で2着、柏林賞で3着など、いずれも人気以上の着順に好走しているだけに、穴馬としては怖い存在。
ホクショウシャネルは、紅バラ賞は8着と見せ場をつくれなかったが、同じく4歳牝馬同士の争いだった1月の白雪姫賞ではタケノビジンの2着だった。ムラ駆けなところはあるものの、前走でB2戦を勝つなどそれなりに力をつけているだけに上位争いに加わってくる可能性はある。
◎タケノビジン
◯ダイリンビューティ
▲キタノサクラヒメ
△ツジノコウフクヒメ
△ホクショウシャネル
前走福山3歳牝馬特別を圧勝したフレアリングマリーの実力が断然。道営未勝利から転入し、佐賀に遠征したル・プランタン賞(7着)を除けば、2着2回、3着1回があるだけでほぼ完璧な成績。今回の主力メンバーも福山3歳牝馬特別出走組がほとんどだけに力関係は明白。2250メートルはどの馬にとっても初めてだが、福山の1800メートル戦では特別の弥生賞、福山チャンピオンシップと、2度とも完勝しているだけに、むしろ距離延長で他馬との差は広がるのではないか。
相手はやはりムツミマックス。福山3歳牝馬特別では5馬身離されての2着だったが、3走前にはB1B2特別での勝利があり、格付け的にもフレアリングマリーを除けば上位の存在。ただ、1800メートル戦では福山ダービーこそ圧勝しているものの、それ以外の3戦はいずれも2秒以上の差をつけられて負けているだけに、距離延長は心配な部分がある。
そこに付け入るとすればナリタフラッシュ。中央未勝利から転入し、福山では5戦3勝。前走1800メートルのトライアルを、良馬場2分00秒4という好タイムで逃げ切っている。
ユメミルチカラは福山ダービーのころまではムツミマックスと2強と言われたが、その後は精彩を欠いたレースが続いている。1800メートルの福山プリンセスカップで5馬身差圧勝があるだけに、距離延長で復活のきっかけをつかみたいところ。
キタイセシャトルは、福山では23戦して3着を外したのがたった1回という堅実派。今回が重賞初挑戦だが、古馬C1で6戦連続連対中なら上位に食い込む力はある。
前走のトライアルでナリタフラッシュの2着だったウーシエンダーも、福山では14戦して一度も3着を外していない堅実な成績。ただ5連勝のあと9戦連続して2着か3着という成績だけに、ここでも連下争いまでか。
◎フレアリングマリー
◯ムツミマックス
▲ナリタフラッシュ
△ユメミルチカラ
△キタイセシャトル
△ウーシエンダー
中央や他地区から転入して勝ち星を重ねている馬が何頭もいて、力の比較が難しい。が、やはり黒潮皐月賞を制したマイネリスペクトの安定感が目立つ。高知では3月の転入初戦で4着に負けたが、それ以降は13戦連続連対中。前々走で古馬C1戦で5馬身差圧勝があり、前走では古馬C1特別を勝利。メンバー中、C1特別を勝っている馬がほかにいないことを考えても、やはりこの馬を中心とすべきだろう。ただ今回と同じ1900メートルの高知優駿ではシャイニーフェイトに差されての2着だっただけに、この距離がやや不安ではある。
相手筆頭は、中央から転入して1,1,2着のジド。デビューした道営、そして中央ではダートの中距離を中心に使われ、道営の最終戦で挙げた1勝は2000メートル戦。前走のC2特別は2着だが、シェイニーフェイトに先着。うしろから差してくる脚質だけにこの距離では怖い存在になりそう。
バウンサーは、南関東から転入初戦のC1-3組選抜戦は差をつけられての敗戦だったが、2戦目の前走を快勝。上積みを期待しての3番手評価。
高知優駿を制したシャイニーフェイトは、その後も3着を外さない堅実な成績。高知ではここまで10戦して、勝つときも負けるときもコンマ3秒差以内と常に僅差。なんとなくだが高知優駿に続いて2冠というイメージが沸かないので評価を下げた。
リワードレブロンは中央未勝利から転入して7戦6勝。C3特別で差をつけられて負けているだけに、このメンバーを相手にどうか。
コスモロッキーも転入後は6戦4勝。シャイニーフェイトとは違い、負けるときは僅差だが勝つときはしっかり差をつけている。格付け的にあまり強気にはなれないが、レースぶりからはもう少し上に行っても通用する力はありそう。
◎マイネリスペクト
◯ジド
▲バウンサー
△シャイニーフェイト
△リワードレブロン
△コスモロッキー
荒尾の2000メートル重賞では無敵の強さを誇ってきたタニノウィンザーだが、3連覇を狙った3月の大阿蘇大賞典ではテットウテツビの大駆けに遭って2着。ならば新興勢力の中からミブロボーイを狙ってみたい。タニノウィンザーが休養に入った6月に転入し、9戦して3着を外したのが1度のみという安定した成績。春にはタニノウィンザーに何度か土をつけていたモエレマジックマンを相手に7月の大阿蘇賞、8月の阿蘇根子岳カップと2度の勝利。前走初めての2000メートルを好タイムで圧勝しているだけに、荒尾では重賞初挑戦でも期待できそう。
とはいえタニノウィンザーの安定したレースぶりも健在だ。大阿蘇大賞典のあとも2着3着には負けたが、もともと2000メートルよりも短い距離では取りこぼしは目立っていた。4カ月ぶりの実戦となった前走のB級特別を叩いて臨む一戦で、得意な距離だけにこのレース3連覇の期待も高い。
テイエムゲンキボは、中央1000万条件から転入してA級特別で2、1着。前走ではミブロボーイを5馬身ちぎって勝った。ここでいきなりがあってもおかしくないが、中央ではダートの1200メートルを中心に使われていた馬だけにあまり強くは推せない。
モエレマジックマンは今年1月に南関東から転入。大阿蘇大賞典ではタニノウィンザーに続く3着だったが、その後の対戦成績ではモエレマジックマンが優位。しかし夏以降は勝ち星から遠ざかり、ミブロボーイやテイエムゲンキボらを相手に分が悪い。ここでは連下候補まで。
タニノウィンザーの牙城を新興勢力が一気に崩す可能性は十分にある。
◎ミブロボーイ
◯タニノウィンザー
▲テイエムゲンキボ
△モエレマジックマン
注目のオオエライジンがここを使ってきた。兵庫ではデビューから7戦全勝で兵庫ダービーを制し、大井に遠征した黒潮盃も堂々の1番人気にこたえて勝利。ここまで地方同士の対戦のみとはいえ文句のつけようがない。黒潮盃を勝ったあとは「中央に挑戦したい」と語っていたが、ダートなら11月6日のみやこステークスGIII(京都1800m)か、11月13日の武蔵野ステークスGIII(東京1600m)あたりになるのだろうか。ダービーグランプリ(11月21日・盛岡)に遠征して地方競馬を盛り上げてほしい気もするのだが。いずれにしても楽しみはここよりも先にある。
遠征はオオエライジンのみで、あとは東海勢同士の力比べ。実績上位は東海ダービーを制したアムロ。金沢のMRO金賞ではナムラダイキチにクビ差で敗れたが、ナムラダイキチはその後ジャングルスマイル相手に圧勝したほどの器。これは相手が悪かった。アムロは前走古馬A3特別を4馬身差で快勝しているだけに、やはり地元の3歳馬同士なら力は上。
マルヨコンバットは4月の新緑賞を制したが、その後重賞では今ひとつの成績。とはいえ2走前には古馬B3戦を勝っているだけに、それなりに力はある。もともとムラ駆けなタイプゆえ、一発の可能性はある。
ミサキティンバーは東海ダービーでアムロにハナ差で2着。前走JRA500万下との対戦では1番人気に推され、地元最先着は果たしたものの、勝ち馬からは1秒2差をつけられての3着。これをどう評価するかだが、アムロにはやや差をつけられた印象がある。
中央未勝利から転入初戦となるのがエーシンイオマンテ。6戦連続で1番人気に支持されるも、2着3着続きで勝ちきれず。最後は大差の最下位に敗れての笠松入りとなった。きっかけさえあれば未勝利の器ではなさそうだ。
◎オオエライジン
◯アムロ
▲マルヨコンバット
△ミサキティンバー
△エーシンイオマンテ