コスモバルクの名を冠した第1回のレースで、岩手の将来を背負って立とうかというロックハンドスターと、牝馬ながら昨年の北海道3冠を制したクラキンコの直接対決が実現。地方競馬ファンにとっては、なんともワクワクするレースとなった。
岩手復興の願いも込めて、ロックハンドスターから。ダートグレード初挑戦となったジャパンダートダービーJpnIは9着に敗れたが、昨年終盤は、不来方賞、ダービーグランプリ、桐花賞と3連勝、一戦ごとに力をつけた。菅原勲騎手によると、ジャパンダートダービー、続く黒潮盃と南関東に遠征したことが経験となって、その後かなり力をつけたそうだ。ダービーグランプリを楽勝した時は、黒潮盃で負けたときのロックハンドスターとはもうぜんぜん違うと言っていた。今回の別定58キロは楽ではないだろうが、今後ダートグレードでの活躍を期待するなら、このあたりは無事に通過してほしいところ。
3冠馬となったクラキンコだが、1番人気に支持された道営記念は残念ながら5着。とはいえ勝ったオネストジョンからはコンマ3秒差とそれほど差はなかった。こちらも古馬になってのさらなる成長を期待したいところ。
ショウリダバンザイが北海道に戻ってきた。昨年9月のノースクイーンカップでは、牝馬同士とはいえ、3歳ながら古馬を一蹴するだけの力があるところを見せた。同期のクラキンコとは、2歳時のエーデルワイス賞JpnIII以来の対戦となる。1年半の時を経て、どんな力関係になっているか、興味深いところ。
コパノカチドキも大井から戻ってきた。09年の道営記念を制し、昨年は2着。それに昨年の瑞穂賞を制したカゼノコウテイ。ゴッドセンドは春の赤レンガ記念を制し、昨年ちょっと早めの最終戦となった9月8日のオープン戦ではカゼノコウテイを3/4馬身差でしりぞけた。このあたりは古馬の安定勢力だ。
◎ロックハンドスター
○クラキンコ
▲ショウリダバンザイ
△コパノカチドキ
△カゼノコウテイ
△ゴッドセンド
マルヨコンバットが、前走新緑賞で復活の圧勝。2歳時、断然人気に支持された兼六園ジュニアカップは、完全に勝ったと思ったところ、4コーナーで外に逸走し、それでも立て直して2着。それが原因だったのかどうか、その後は強い相手との対戦もあり、しばらく結果を残せない戦いが続いていた。今回も東海勢同士の対戦だけに、新緑賞に続いて連勝といきたいところ。
オーナーシップは、デビュー以来12戦して2勝のみだが、11戦が3着以内と堅実な成績。重賞でも常に安定した結果を残しているだけに、連下としては常に押さえておきたい存在。
ゼニトッタは、通算5戦3勝だが負けたのは中央挑戦の2戦のみ。北海道時代は、フレッシュチャレンジから2歳オープンを連勝したほどの素質馬。地方同士ならまだ負けてないだけに、初めての重賞挑戦でどこまでやれるか。
ミサキティンバーはゴールドウィング賞を勝って、新春ペガサスカップ、スプリングカップで2着。ゴール前末脚勝負の脚質ゆえ、常に展開次第の面がある。
ラヴィドールは北海道から名古屋に移籍後は9戦してすべて3着以内に好走。しかも、目下3連勝中で3歳1組特別も制した。アムロも同じような成績で、北海道から転入し、前走が3歳1組特別での初勝利。ともに初めての重賞でどこまでやれるか。
◎マルヨコンバット
○オーナーシップ
▲ゼニトッタ
△ミサキティンバー
△ラヴィドール
△アムロ
10歳のアルドラゴンが相変わらず元気だ。ダートグレードを除けば、09年7月のオッズパークグランプリで3着で敗れて以降は、13戦11勝、2着2回。地元同士なら断然信頼できる存在だ。定量戦でもあり、まだまだ負けられない。
キヨミラクルは、3歳時のコウノトリ賞に続いて、今年の新春賞が重賞2勝目。こちらも昨年7月22日のA1特別からは、11戦してそのうち10戦が3着以内とA1特別や重賞で安定した成績だ。
福山牝馬特別で重賞初制覇を果たしたゴールドピアースは、暮れの園田金盃、正月の新春賞でともに3着。地元のレースなら牡馬の一線級が相手でも互角に戦える力はある。
レッドゾーンは、前々走の六甲盃で唯一マルヨフェニックスに勝負を挑み、レコード決着から1馬身半差2着。3着には大差がついていた。印は△だが、上位3頭をまとめて負かすだけの素質はある。
まだどの程度の実力なのか計りかねるのがダイナミックソング。中央未勝利から転入し、目下10戦連続連対中。しかもここ4戦は連勝。ようやく前走がB1B2の特別だっただけに、重賞級のメンバーに入ってどこまでやれるか。
ベストタイザンは重賞でも常に上位争いだが、得意の舞台はダート1400メートル。前々走、2400メートルの六甲盃は最下位12着に敗れているだけに、1870メートルのここも距離的には微妙だ。9歳だけに年齢的なものもあるかもしれない。
◎アルドラゴン
○キヨミラクル
▲ゴールドピアース
△レッドゾーン
△ダイナミックソング
△ベストタイザン