昨年このレースを勝ったネフェルメモリーは、その後船橋に移籍して圧倒的な強さで南関東牝馬2冠を制した。2着のアンペアはエーデルワイス賞JpnIIIを制してNARグランプリの2歳最優秀馬にも選ばれた。一昨年の勝ち馬マサノミネルバも、その後にエーデルワイス賞を制した。
栄冠賞の上位馬にはその後の活躍馬が多く、今年も出走メンバーの中にネフェルメモリーやマサノミネルバのような馬がいるかもしれないと思うとわくわくする。
中心は唯一の2勝馬オノユウ。ウィナーズチャレンジでは3番手に控え、直線で1番人気のウイニングリーダーを差し切るという2歳馬とは思えない落ち着いたレースぶり。不良馬場とはいえ門別1200メートルの勝ちタイム1分12秒9は非常に優秀。ちなみにオノユウという馬名だが、北海道の人にとってはすぐにピンとくるらしい。北海道では有名らしい女子アナのニックネームからとったとのこと。興味がある方は「おのゆう」で検索してみてください。
相手筆頭はショウリダバンザイ。門別グランシャリオナイター開幕日のフレッシュチャレンジを好タイムで圧勝。オノユウがもっと距離が延びてから期待されているのに対し、もしかしてスピードではこちらのほうが上かもしれない。馬主の林正夫さんは、引退した元ホッカイドウ競馬の調教師。古くは78年にミスミネタカ、最近では99年にエンゼルカロでこの栄冠賞を制している。騎手&調教師で同じ重賞を勝つというパターンはよくあるが、もしここを勝てば、調教師&馬主として同じレースを制すという珍しい記録となる。
フレンチデピュティ産駒のロサガリカも1000メートルのフレッシュチャレンジを好タイムで圧勝。血統的にはこの馬も距離が延びてからのほうがよさそう。
ウイニングリーダーは1番人気に支持されたウィナーズチャレンジでオノユウに差し切られたが、デビュー戦のフレッシュチャレンジでは2着に2秒6の大差をつける圧勝。スピード的には上位。
賞金の高いスーパーフレッシュチャレンジを勝ったビリーブミーも素質は高そうだ。
◎オノユウ
○ショウリダバンザイ
▲ロサガリカ
△ウイニングリーダー
△ビリーブミー
最近の岩手古馬ダート戦線はほんとうに予想が難しい。みちのく大賞典でも他地区から遠征の3頭に上位を独占されてしまったように、実力の抜けた馬、安定して力を発揮できる馬がいないからなのだが、裏を返せば馬券的には高配当が期待できるということでもある。
ならば底を見せていない新興勢力を狙ってみたい。
転入3戦目となるフリーモアだ。転入緒戦の水沢1800メートル戦は8着だったが、距離短縮の早池峰賞は逃げ切り完勝。やはり中央時代は短距離のダートを中心に使われていただけのことはある。クラス的には、中央では1000万下で頭打ちだったが、最初にも書いたとおり抜けた存在のいない今の岩手古馬戦線なら重賞でも通用しそうだ。6月27日から岩手で2年ぶり4度目の期間限定騎乗している内田利雄騎手のパフォーマンスにも期待したい。
相手には、今年1月のトウケイニセイ記念を1番人気で制したアンダーボナンザ。前走みちのく大賞典は7着だが、もともと2000メートルは不向き。3戦して、馬インフルエンザの影響で地元馬だけで行われたダービーグランプリの5着が最高という成績。1400メートルの経験は少ないが、盛岡でも水沢でもマイル戦ではきわめて安定している。4つのコーナーを回る水沢の1400メートル戦ならそれほどペースが早くなることもなく、期待できそうだ。
昨年盛岡1200メートルで行われたこのレースを制したトーホウライデンは、続く青藍賞も制し、将来が大いに期待されたが、結局昨シーズンはその後勝ち星を挙げられず。今季4戦目の盛岡1800メートル戦で久々に先頭でゴールし、早池峰賞で3着と好走。復調気配だけに、このレース連覇の可能性もある。
早池峰賞2着のメタモルキングはこの距離歓迎。
オウシュウクラウンは、トウケイニセイ記念2着、シアンモア記念では地元最先着の3着と、重賞では好走しているが、06年末の桐花賞以降勝ち星から遠ざかっているだけに、今ひとつ信頼性に欠ける。
◎フリーモア
○アンダーボナンザ
▲トーホウライデン
△メタモルキング
△オウシュウクラウン