
中央勢にGI(JpnI)級がいないだけに、ここはスパロービートの期待と意気込みに賭けたい。川崎所属ながら、地元を使ったのはデビュー戦のみ。古馬1000メートル戦が行われている船橋で、目下6連勝中。前々走、1月の船橋記念で重賞初制覇となったときに、すでに目標が同じ1000メートルのこのレースであることを公言していた。来年のJBCが船橋で開催されることが決まったが、JBCスプリントの設定は1000メートル。高月賢一調教師は「JBCが船橋の1000メートルになったのは、この馬のためじゃないか」とまで言っていた。ここらあたりで恥ずかしいレースはできないだろう。不安点を挙げるとすれば、1000メートルの右回りの経験がないこと。
一応しるしで順番はつけるが、ガブリン、ヴァンクルタテヤマ、ポートジェネラルは差のない評価。
ガブリンは、前走栗東ステークスでは1番人気に推されながら追い込みきれず9着。前々走東京スプリントJpnIII(2着)のように、ペースが速くなって追い込みがきく展開になれば確実に差してくる。地方では直線が大井の次に長い門別コースはプラスだろう。
ヴァンクルタテヤマは、同じ栗東ステークスではトップハンデもあってか12番人気という低評価ながら、直線一旦は先頭に立って2着と好走。前々走、休み明けの黒船賞JpnIII(10着)が走らなすぎただけで、昨年の東京盃JpnIIでは1番人気に推された(3着)実績馬。1000メートルは久しぶりだが、新馬戦を含めて4勝を挙げているだけに、むしろプラスかもしれない。
ポートジェネラルは、東京スプリントJpnIIIであわや逃げ切るかという惜しい4着。スタートダッシュは一級品で、こちらも距離は短ければ短いほどよさそう。高知の馬があっといわせる場面があるかもしれない。
クラフィンライデンは、北海道3歳1冠目、1700メートルの北斗盃で4着に敗れたあと、古馬相手となる1000メートルのエトワール賞を快勝。これで3歳路線ではなくスプリント路線に行くことを決めた。3歳牝馬で51キロ、鞍上は五十嵐冬樹騎手でもあり、地の利を味方にすれば馬券圏内に食い込む可能性も捨てきれない。
オフィサーは初の1000メートル戦。今年3戦がいずれも着外、3カ月の休み明けだけにあまり強気にはなれない。
◎スパロービート
○ガブリン
▲ヴァンクルタテヤマ
△ポートジェネラル
△クラフィンライデン
△オフィサー
7月19日の佐賀・吉野ヶ里記念、8月17日の佐賀・サマーチャンピオンJpnIIIへと続く夏の九州1400メートル路線の緒戦。
佐賀から1頭遠征があるが、地元荒尾勢では外枠に有力馬4頭が固まった。
なかでも昨年の覇者、ケイウンヘイロー連覇の可能性大。JNBシリーズエメラルドカップでは、直線抜け出したところテイエムジカッドに差されたが、安定度ではケイウンヘイローのほうが上。JNBシリーズで2勝を挙げたタニノウィンザー不在のここは負けられないところ。
相手筆頭には、当然そのケイウンヘイローを負かしているテイエムジカッド。中央から転入してここまで4戦だが、中央在籍時からたびたび荒尾に遠征してたんぽぽ賞、霧島賞と、九州産馬の両タイトルを獲得している。まだ5歳だけに、今後荒尾の古馬戦線を引っ張っていく存在になる可能性もある。
評価が微妙なのが佐賀から遠征のモエレフェニックス。川崎から佐賀に転厩して今回が9戦目。惨敗も目立つが2月にはA1の天山特別を制した。3月のはがくれ大賞典では、勝ったアルカライズから4馬身+クビ差の3着。この成績なら通用しておかしくない。ただ1400メートル戦が久々となるのが不安材料。
ナセは昨年のこのレース2着。1年半ほど勝ち星から遠ざかっているものの、前走JNBシリーズ阿蘇中岳カップではタニノウィンザーには2馬身離されたものの、テイエムジカッドに先着する2着。一発の可能性はある。
シゲルダイハッカイは中央1000万下から転入し、ここまでA級で3戦して3、3、4着。勝ちきれないものの、レース内容は上記メンバーとそれほど差はない。
◎ケイウンヘイロー
○テイエムジカッド
▲モエレフェニックス
△ナセ
△シゲルダイハッカイ