リリーカップとイノセントカップが地方全国交流になっていることに、この原稿を書きはじめるときに初めて気づいた。北海道以外では2歳戦は始まったばかりで、さすがにこの時期に2歳馬のレベルの高いホッカイドウ競馬まで遠征してくる馬はいないだろう。今後挑戦してくる可能性があるとすれば、地理的に近い岩手くらいだろうか。
来る可能性がほとんどないから閉じておくのではなく、来る可能性がなくても、建前だけでも全国交流として門戸を開いておくのは大事なことだと思う。
で、イノセントカップは、ワンダフルクエストで断然。5月7日のフレッシュチャレンジは、スタートで大きく出遅れながらも3〜4コーナーで先団にとりつくと、直線はまったく持ったままで楽々と抜け出して快勝。2戦目となった6月25日のウィナーズチャレンジでは、またもスタートで煽って最後方から。しかし3〜4コーナーで大胆にも大外をまわして進出すると、直線では軽く追われただけで4馬身突き放した。父のコロナドズクエストは現役時代とても気性の悪かった馬で、馬場入りでは騎手を振り落し、レースに行けばビュンビュンと飛ばしていって、そのまま逃げ切ってしまうという、日本で言えば3歳時のサイレンススズカみたいな馬だった。ワンダフルクエストはそういう破天荒な気性というか、レースぶりを受け継いでいるのかもしれない。ここまでの2戦ではまだまだ実力を発揮しているとはいえず、ここでもどんなレースを見せてくれるのか楽しみではある。
相手には、前走オープンのスズカマンボ賞で6馬身差圧勝のカネマサディール。
持ちタイムやここまでのレースぶりから、ほとんどこの2頭の争いだろうが、モエレプロポーズは前走のウィナーズチャレンジでしんがり負けしているとはいえ、そのレースの勝ち馬がマサノウイズキッドでは相手が悪かったとしか言いようがなく、連下なら可能性はありそう。
前走アタックチャレンジを勝ったリロは、良馬場の旭川1500メートルで1分40秒を切る好タイムをマークしているだけに上積みがあれば。
◎ワンダフルクエスト
○カネマサディール
△モエレプロポーズ
△リロ