日曜日はオッズパークの競馬場で重賞が4つ。この時期らしく、そのうちの3レースは2歳戦だ。
しかし2歳のこの時期でありながら、いずれのレースにも連勝を続けるチャンピオン級の馬がいないようで、混戦となりそう。
水沢の2歳牝馬による白菊賞。牝馬では、10月28日に行われたプリンセスカップが前哨戦的なレースで、やはりここの上位馬が有力となりそう。1、2着馬の出走はなく、2番人気で3着だったクールビズが中心。以下もプリンセスカップ上位馬で、マツリダワルツ、プリムラジュリアンで、割って入るとすれば若駒賞で牝馬としてはマツリダワルツに次ぐ6着だったシアトルプリンセス。
◎クールビズ
○マツリダワルツ
▲シアトルプリンセス
△プリムラジュリアン
福山のヤングヒーローは、福山におけるサラブレッドによる初めての重賞として行われるレース。デビューから7連勝と快進撃だったサニーエクスプレスが姫路に遠征して2着となった以降は急に失速。残念ながらここへは出走してこなかった。福山所属馬では、そのサニーエクスプレスにはじめて土をつけたサンアルカローラが中心。そのサンアルカローラが勝った前走、ニューヒーロー特別が今回のメンバーでは最上位のレースで、やはりここの上位馬が有力となりそうだ。これらに食い込む可能性があるのは、ニューウイナー特別を好タイムで勝ったシバマリン。
◎サンアルカローラ
○ツカサタキシード
▲シバマリン
△スターゴールド
佐賀で行われるのは九州ジュニアチャンピオン。ここは今回と同じ距離の前哨戦、日峰特別の着順どおりでよいのではないだろうか。勝ったフーマは北海道からの移籍緒戦で、これが初勝利だったが、前で粘る2頭を差し切ったのは見事だった。
◎フーマ
○キバイヤンセ
▲ナンブラッキーワン
ばんえいは、北見競馬場での古馬による大一番、北見記念。一応本命は前々走イオンカップを勝ったアンローズにしたが、トモエパワーにもそろそろ重賞制覇のチャンスがまわってきそうで、この2頭を中心にする。連下には高重量戦得意のシンエイキンカイと、そろそろ復活してほしいミサイルテンリュウ。
◎アンローズ
○トモエパワー
▲シンエイキンカイ
△ミサイルテンリュウ
福山ではこの週末に、土曜日にアラブ2歳による重賞ヤングチャンピオンが、日曜日にはサラ2歳による重賞ヤングヒーローが行われる。
福山でサラブレッドのレースがスタートしたのが昨年12月4日のこと。当時は感慨深いものがあったが、この1年のうちにもはや当たり前のこととしてとらえられるようになってきた。
そしてアラブは生産頭数自体が限られているので、2歳馬の重賞レースを組めるのは今年か、がんばって来年が最後であろう。
さて、ヤングチャンピオンだが、出走馬すべてが前走でこのレースと同じ1600メートルのレースを使っている。10月29日のビクトリー特別、11月4日のエクセレント特別、11月11日のブリリアント特別だが、この3レースの上位馬がここに駒を進めてきた。
ここは実績的にもタイム的にもビクトリー特別を勝ったミスジョージが断然。ミスタージョージ産駒の牝馬でミスジョージとは失礼ながら安易な命名だが、自身も現役時代に福山ダービーなど重賞を3勝し、そして種牡馬としても数え切れないほどの活躍馬を出したミスタージョージの産駒とすぐにわかるような馬がこの時期に活躍するのも何かの巡り合わせだろうか。
前哨戦3レースのうちではやはりミスジョージの勝ったレースのレベルが高く、そこで2着だったケイコウウンナン、逃げて4着だったエイケイボーイあたりが相手になりそう。
その他で可能性がありそうなのは、ブリリアント特別を勝ったデラノジョンコ。
ミスジョージの1着固定で、それ以外を2着3着にした3連単でどうだろう。
◎ミスジョージ
○ケイコウウンナン
▲エイケイボーイ
△デラノジョンコ
ちなみにエイケイボーイの母ピアホルテは90年代中盤に岩手でミスターホンマルとアラブの頂点を争った名牝。イケノセブマインの母ピカイチは、数少ないトチノミネフジ産駒の中で重賞を制した活躍馬。アラブファンにとっては血統的にも楽しみなレースになりそうだ。
全日本サラブレッドカップGIIIに代わって昨年から地区交流の重賞として行われるようになった笠松グランプリが24日に行われる。
ダートグレードでなくなったのは残念だが、地区交流のほうが実力が拮抗していて予想や馬券的な面ではおもしろい。今年は遠征こそ金沢の2頭のみだが、興味深いメンバーが揃った。勝てそうな馬が何頭もいて人気も割れそうだ。
中心は昨年2着の雪辱がかかる金沢のケンゴウザン。雪辱とはいっても、その後に笠松1900メートルのマーチカップを制している。19日に行われた地元の北國王冠を使わず、得意のこの距離を狙ってきたのだろう。3走前のオータムスプリントカップは惜しくもアタマ差の2着だったが、相手が昨日(22日)の彩の国浦和記念GIIで2着と好走したキングスゾーンではしかたない。
相手筆頭はマイネフォクシー。遠征では苦戦しているが、笠松や名古屋での地区交流ならきわめて成績が安定している。笠松1400メートルも、6月のサマーカップを1番人気で制している得意の舞台だ。
川崎から移籍してきたブルーロバリーも一発があっておかしくない。前走ファーストレディー賞のレースぶりからむしろ短いほうが力を発揮しそう。休養明けなのがちょっと心配だが。
ミツアキタービンは復調していれば、当然勝っても不思議はない。ダイオライト記念GII、オグリキャップ記念GIIを連勝した印象からこの距離はどうかとも思うが、フェブラリーステークスGIで接戦の4着のレースぶりなら1400メートルもまったく問題ないだろう。
トミケンマイルズも実績から十分勝負になりそうだ。
前々走スプリントを制したクィーンロマンスだが、このメンバーに入るときびしそうなので今回は見送る。
最初にも書いたとおり、どれが勝ってもおかしくないが、5頭ボックスというわけにもいかないのでここは強気にケンゴウザン頭の馬単で。
◎ケンゴウザン
○マイネフォクシー
▲ブルーロバリー
△ミツアキタービン
△トミケンマイルズ
11月14日に07年のダートレースの格付け(4月以降は暫定)が発表された。変更があったのは、兵庫ジュニアグランプリがGIIIからGIIに格上げされたということのみ。
2歳のダートグレードは、今年までGIIIが3レースに、GIが1レース。間のGIIがないという、ある意味でバランスのとれていないものだった。2歳のダートグレードは全4レースと少ないものの、これでGI、GIIが各1レース、GIIIが2レースと、一応はバランスのとれたものとなった。
さて、23日(祝)に行われる兵庫ジュニアグランプリGIII。一昨年までは中央勢の独壇場だったが、昨年は北海道のモエレソーブラッズが制し、地方勢の初勝利となった。
とはいうものの、過去7年のうち5回も地方勢が2着に入っていて、中央馬だけ買っていれば馬券が当たるということにはならない。地元兵庫勢も、01年のホクザンフィールド、04年のレッドペガサス、昨年のジョイーレと、3頭が2着しているだけに地元勢初勝利にも期待がかかる。
今年は中央勢4頭、地元兵庫勢4頭のほか、北海道、大井、名古屋、荒尾から各1頭と各地から多彩なメンバーが揃った。
今年は中央勢にオープン勝ち馬がなく、これといって目立つ馬もない。唯一の2勝馬トロピカルライトも2歳ダートオープンのプラタナス賞では6着に敗れていて、そのプラタナス賞の勝ち馬アプローズヒーローは北海道2歳優駿GIIIでトップサバトンの4着に敗れている。その他の中央馬についても勝負付けは済んでいるといってよく、今回は俄然地方馬にチャンスがありそうだ。
ここは北海道のトップサバトンに期待したい。北海道2歳優駿GIIIでは7番人気とそれほど期待はされていなかったが、直線だけで後続を突き放した脚は次元が違っていた。
相手には、地元兵庫の大将格タッカーテンビー。デビューから圧倒的なレースぶりで2連勝。まだ底を見せていない。
中央勢ではチャンスがあるとすればワイルドイリーガルだろう。北海道2歳優駿GIIIでは逃げたものの直線バテて7着に沈んだが、距離短縮に加え小回りの園田なら逃げ粘りの可能性もある。鞍上の岩田康誠騎手は言うまでもなく大きなプラス材料だ。
そのほかでは、名古屋・ゴールドウィング賞の勝ち馬ワイティタッチ、兵庫でデビューから2連勝のゴールデンウィークあたりに可能性がありそうだ。
とはいえ、上位2頭の力が抜けていそうな気がする。
◎トップサバトン
○タッカーテンビー
▲ワイルドイリーガル
△ワイティタッチ
△ゴールデンウィーク
レディースジョッキーズシリーズの荒尾ラウンドについては、赤見さんが現地から伝えてくれたが、パソコンの画面で見ていてもその盛り上がりが伝わってきた。
第1戦は、デビュー2年目の同期でともに大活躍している2人が直線馬体を併せての叩き合い。別府真衣騎手がゴールでアタマ差だけ先着。そして第2戦は、山本茜騎手が落ち着いたレース運びで直線抜け出した。さすがにJBCマイルでGI騎乗を任されただけのことはある。
さて、今週も日曜日に重賞が3つ。
昨シーズンから通年開催となったばんえい競馬は12月からスタートする帯広開催が重賞戦線の本番という感じだが、冬期休催となる岩手や金沢はいよいよ大詰めだ。
* * *
北見競馬場で行われるばんえい菊花賞。以前は3歳三冠の最終戦だったが、通年開催となった昨シーズンからはばんえいダービーが12月の帯広に移動し、この菊花賞は二冠目として行われる。
一冠目のばんえい大賞典は別定で行われ、最軽量で1番人気となったニシキユウが制したが、このばんえい菊花賞は700キロ(牝馬680キロ)の定量戦。真の実力が試されるレースとなる。
ここは重賞初制覇がかかるホクショウダイヤが中心。ばんえい大賞典は4着だったが、トップハンデの670キロでは仕方ない。今シーズンは5月の旭川開催以降、17戦11勝、2着3回で、5着以下は一度もないという堅実ぶりだ。
相手には、ばんえい大賞典(5着)で同じく670キロを負担したニシキセンプー。それに660キロで同2着だったカネサテンリュウも差はない。ただこの2頭は、北見コースでまだ勝ち星がないのがやや気になるところではある。
以上3頭の三つ巴でほぼ間違いないだろうが、穴なら牝馬のエメラルド。今シーズンの北見では5戦2勝、2着2回と相性がいい。
◎ホクショウダイヤ
○ニシキセンプー
▲カネサテンリュウ
△エメラルド
* * *
水沢競馬場1600メートルで3歳馬によって争われる阿久利黒賞。
他地区からは川崎のスイートムーンとナタリーターミー、笠松からオグリシルクとオグリホットの計4頭が遠征してきた。このうちオグリシルクは岩手初出走だが、それ以外の3頭は10月22日盛岡のウイナーカップに出走し、オグリホットが3番人気で勝利、スイートムーンが6着、ナタリーターミーが7着だった。
地元勢では、サイレントエクセルの出走がないのは残念だが、オウシュウクラウンが出てきてくれた。前走古馬A1戦を快勝したこの馬がやはり本命だろう。
相手には、ウイナーカップの力どおりで、これを制した笠松のオグリホットと、2着に敗れたテンショウボス。
大井から転入2戦目となるケイアイデジタルも怖い存在だ。
そして、シーズン当初は3歳3強の1頭に数えられたダンディキングが約4カ月ぶりの実戦。だが、休養中に急激に力をつけているとは思えず、今回は見送りとする。
◎オウシュウクラウン
○オグリホット
▲テンショウボス
△ケイアイデジタル
* * *
金沢では、地方競馬で最長の2600メートルで争われる北國王冠が行われる。
中心はやはりビッグドン。中央から転入後、3着を外したのは盛岡に遠征したマーキュリーカップGIII(8着)のみで、金沢ではきわめて成績が安定している。白山大賞典GIIIでも中央勢を相手に2着と大健闘だった。
昨年のこのレース以来勝ち星から遠ざかっているテンリットルだが、長距離では無類の強さを発揮するだけにここで一発があってもおかしくない。
そのほかのオープンクラスの馬たちの近走がイマイチで、それならば格上挑戦の上がり馬にもチャンスがありそう。ロイヤルブレンド、レーベンの2頭は鞍上も魅力。
◎ビッグドン
○テンリットル
▲ロイヤルブレンド
△レーベン