3歳牝馬による重賞・留守杯日高賞は、重賞に格上げされて今年で6年目。8月に行われるひまわり賞(オークス)へと続くレースだが、両レースを制したのは01年のセイントリーフのみ。というのも02年以降、ひまわり賞には他地区から実力馬が遠征してきて、地元岩手所属馬は苦戦を強いられている。
さて、留守杯日高賞だが、実績面ではサイレントエクセルが断然。11月27日に行われた牝馬限定の白菊賞(水沢1400メートル)を圧勝。1月2日の金杯(水沢1600メートル)は4着に敗れたものの、ここに出走した牝馬4頭では最先着を果たしている。今シーズンこれが初出走なのがやや不安なところ。
順調度ではゴールデンパンジーが上。白菊賞では先行しながら4コーナーでサイレントエクセルに並びかけられると、6馬身も突き放され2着に敗れた。しかし今シーズンの緒戦、4月9日の菜の花賞(水沢1600メートル)では、3番手追走から直線で先頭に立ち、並びかけてきたパワフルビクトリとの叩き合いを制している。
3番手は、その菜の花賞でクビ差2着まで迫ったパワフルビクトリ。金杯ではサイレントエクセルから1馬身半差の5着だった。
もう1頭挙げるとすればバルクだろう。ここまで12戦していまだ勝ち星はないが、2着は6回。上記3頭とはそれほど差のないレースをしているので、勝つまでは難しいが連下なら十分可能性はある。
サイレントエクセルとゴールデンパンジーのどちらを頭にするかだが、やはり今シーズン一度叩いている強みでゴールデンパンジーを取り上げたい。約4カ月ぶりの実戦となるサイレントエクセルについては、専門紙の調教コメントや、当日のパドックを見て判断したい。いずれにしてもこの2頭が中心で、連下にパワフルビクトリとバルク。それ以外は実績的には狙いにくい。
ところでサイレントエクセルの父、ウイングアローといえば、思い出すのがダービーグランプリだ。
ウイングアローは当時、ユニコーンS(中山)、スーパーダートダービー(大井)と圧勝し、ダービーグランプリで3歳ダート3冠確実と思われていた。しかし盛岡で予定されていたダービーグランプリは雪のため中止。この水沢に舞台を移して仕切り直しとなったのだが、ナリタホマレに足元をすくわれ、まさかの2着に敗れた。
そのナリタホマレは、11歳となった今も荒尾で現役。なんとも競馬の奥深さを感じさせられる。
例年、4月29日に行われているオグリキャップ記念だが、今年はそのみどりの日が週末と重なったため、28日(金)に行われる。
一昨年までは中央との全国交流GIIとして行われていたが、昨年からは東海・北陸・近畿地区のみの交流となり、距離もそれまでの2500メートルから1900メートルに短縮された。
地方競馬でも最近ではさまざまな距離で重賞レースが行われるようになってきているが、かつては距離が長いほど格が高いという傾向があった。
そういう意味で、このオグリキャップ記念は2500メートルでこその威厳のようなものがあったのだが、年末(年によっては正月)に行われる東海ゴールドカップともども1900メートルに変更されたのは、時代の流れなのだろう。
さて、今年のオグリキャップ記念だが、4月7日に行われたトライアルのスプリング争覇(笠松1900メートル)で圧倒的な人気にこたえ、楽に逃げ切ったレッドストーンを巡る争いとなる。大半が勝負付けの済んだメンバーで、兵庫から3頭が遠征してきたが、いずれも六甲盃(姫路2000メートル)でレッドストーンには決定的な差をつけられている。
レッドストーンを負かす可能性を残している馬はといえば、まずクインオブクイン。直接対戦している3月21日の名古屋大賞典GIII(名古屋1900メートル)や、昨年8月31日の岐阜金賞(笠松1900メートル)では、いずれもクインオブクインが先着している。
そしてもう1頭はマヤノモーリスで、中央から名古屋に転入緒戦の東海桜花賞で差し切り勝ちを決めた。
しかし、ここはやはりレッドストーンを本命に推したい。名古屋大賞典GIIIでの10着惨敗は中央馬が相手で流れが厳しくなってのもの。今回はよほど捨て身でハナを奪いにくる馬でもいない限り、すんなりハナに行ってマイペースのレースができそうだ。
相手はやはりクインオブクイン。昨年10月7日の東海菊花賞(名古屋1900メートル)を制して以降の4戦は、いずれもダートグレードを使われ、常に厳しい流れのレースを経験してきている。
そして東海桜花賞を制したマヤノモーリスだが、このときは相手に恵まれた感があり、今回のメンバーでは厳しいように思う。
馬連複ならレッドストーンとクインオブクインの組み合わせを厚く、押さえにレッドストーンからエンシェント、マイネルサイプレスあたりに流す。
3連単ならレッドストーンとクインオブクインの2頭軸のマルチで、エンシェント、マイネルサイプレス、トーコーカント、マヤノモーリスへ。