いよいよあと3日に迫ったJBC!
3レースともにじっくりと展望したいと思いますが、その前に。
今日は大事な前哨戦、Road to JBC を振り返って行きたいと思います。
まずは、9月30日に大井で行われた東京盃。
勝ったのは1番人気ダノンレジェンド。
大外からのスタートで、決して速かったわけではないのですが、すぐにスピードに乗って2番手に付けると、直線の立ち上がりで持ったまま先頭へ。
そのまま後続を突き放しての勝利で、まさに王者の風格漂う強い内容でした。
レース後ミルコ・デムーロ騎手は
「大外枠は厳しいかなと思いましたが、結果的にはよかったです。
作戦通り、自信を持って乗りました。
逃げたシゲルカガが早めに止まってしまったので、この馬は馬の隣にいるのが好きだから、ちょっと不安を感じましたが、その後もがんばって走ってくれました。
すごくカッコいいし、賢い馬です。
まだ僕は日本でダートのGIを勝っていないので、次もがんばります!」
というお話でした。
そして、2着に追い込んで来たのは御年8歳のドリームバレンチノ。
これまでよりも後方の位置取りに控えて、直線に賭ける競馬に挑戦しました。
最近は勝ち星から遠ざかり、ちょっと存在感も薄れていただけに、改めてこの馬の強さを見せつけられた格好です。
JBCでは58キロから57キロへと斤量が軽くなり、この馬が一番条件的に好転しそう。
昨年のチャンピオンですから、侮れない存在です。
続いては、10月12日に盛岡で行われた南部杯。
勝ったベストウォーリアは、2000mのクラシックではなく1200mのスプリントを選択しました。
レースは好位追走から、直線力強く伸びて完勝。
まったく危なげない走りで連覇を果たしました。
レース後福永祐一騎手は、
「負けられない一戦なので、勝ててよかったです。
素直な性格で、毎回一生懸命走ってくれる馬。
今日は一番人気で、レース中もプレッシャーをかけられたけど、それでも強いレースをしてくれましたね。
1200mに関しては、スタートも上手だし、少し置かれるかもしれないけど最後に切れる脚を持っているので、むしろ面白いんじゃないかなと思います」
新馬戦以来の1200m戦になりますが、現在の完成度からするといきなり勝負になるかもしれません。
気になる敗戦を喫したのは、大井のハッピースプリント。
パドックはいつも通り、あまり気合を表に出さない感じで歩いていましたが、今回の走りを見ると状態自体がそれほど上がっていなかった印象です。
休み明けを使ってどこまで体調を上げてくるか、新たな鞍上ミルコ・デムーロ騎手とのコンビにも注目しています。
続いては、10月1日に大井で行われたレディスプレリュード。
昨年の女王サンビスタ、連勝中のアムールブリエ、スパーキングレディーカップでサンビスタを破ったトロワボヌール、3歳女王ホワイトフーガと、ここが本番か?と思うほどの豪華メンバーが顔を揃えました。
勝ったのは女王サンビスタ。
かしわ記念、スパーキングレディーカップ、ブリーダーズゴールドカップと勝ち切れないレースが続き、ついに女王陥落か?!なんて思っていましたが、
ここにきてきっちりと状態を上げてきました。
近走の敗因は、牝馬同士で背負う58キロという過酷な斤量と、牡馬一線級と戦ってきた疲れと見ています。
57キロになったレディスプレリュードではこの馬らしいレースを披露。
JBC連覇に向けて盤石の態勢と見ます。
不可解な負け方だったのが、連勝中だったアムールブリエ。
久しぶりの1800mで、いつもより速い流れに戸惑ったのか、勝負所でついて行けませんでした。
JBCは同じ舞台で戦うだけに、この敗戦をどう評価するかは賛否ありそうですね。
10月7日に行われた日本テレビ盃は、骨折休養明けのコパノリッキーと、帝王賞2着と本格化したクリソライトの対決に注目が集まりました。
クリソライト騎乗の川田騎手が、前を行くコパノリッキーに狙いを定めてマークしたのは当然で、見ているこちらもわくわくするほど攻めの競馬を展開してくれました。
しかし。
お互いを意識し過ぎたところに、後ろから伸びてきたサウンドトゥルーの末脚がさく裂し、漁夫の利のような形で差し切り勝ち。
初めての小回りを物ともせず、鋭い末脚を繰り出したサウンドトゥルーの適応力が光りました。
レース後大野騎手は、
「思った以上に1,2コーナーで上手く立ち回ることができました。
もっと我慢してもいいのかなと思いましたが、距離も考えて早めに動きました。
今充実期なので、本当にいい状態です。
2000mの距離は正直ギリギリだと思いますが、この状態を維持してがんばりたいと思います」
と話してくれました。
クラシックには帝王ホッコータルマエが参戦しますが、日テレ盃組が強力なライバルになるのは必至。
どんな戦いが展開されるのか、3日が本当に楽しみです!!!
佐賀の鮫島克也騎手が、地方通算4500勝を達成しました!!
赤見:おめでとうございます!凄すぎる数字ですね。
鮫島:ありがとうございます。なんていうか、あっという間の4500という感じですね。年数的には長いけど、なんだか自分ではこの頃初騎乗した感じで(笑)。いろいろあったけど、振り返れば早かったですね。こんな長くやれると思っていなかったので、ここまで騎手を続けられたことを周りの方々に感謝しています。
赤見:今年は次男の克駿くんもJRAで騎手デビューを果たし、現在24勝と活躍してますね。
鮫島:お蔭様で。まぁ今年デビューなので、これからもっとがんばっていかないと。これからがJRAは厳しいですから。騎乗面ではいいところもあるけど、まだレース経験足りない部分があって、追い込みももっと勉強していかないと。
赤見:息子さんのレースはけっこう見てますか?
鮫島:ほとんど見てます(笑)。
赤見:アドバイスすることはあるんですか?
鮫島:電話した時には言ってますけど、あんまり本人的にはどうなんですかね。まぁいろいろ祐一くんとかにも教えてもらってるみたいで、いろいろな人にアドバイスをもらっているみたいです。とりあえず新人賞を獲って欲しいなと思っているので、このまま順調にいって欲しいですね。
赤見:長男の良太騎手もがんばってますね。
鮫島:お兄ちゃんがなかなか...。2年目3年目はかなり乗せてもらっていたんですけど、減量の後が厳しいですよね。2人とも一生懸命がんばっているので、減量取れても普通に重賞乗れるようなジョッキーになって欲しいです。
赤見:8月の小倉では親子3人での初騎乗が実現しました。鮫島さんが目標に挙げていたことですが、かなり早く達成しましたね。
鮫島:俺が引退しないうちにと思っていたので、一緒に乗れて良かったです。レースの時はそんなに思ってなかったけど、パドックは3人で乗れて幸せだなとジーンと来ました。今後も機会があればまた一緒に乗りたいですね。
赤見:鮫島騎手は年明けたら53歳ですが、体力面はいかがですか?
鮫島:馬に乗っててはそんなに変わらないです。体は全然平気。でも最近ゴルフをすると腰が痛くて(笑)。馬に乗る分には痛くないんですけどね。まだまだ体は元気なので、次は5000勝目指してがんばります!
佐賀の兒島真二騎手が、九州ジュニアチャンピオンでソウダイショウに騎乗して見事勝利!
名古屋から佐賀に移籍して、初のS1重賞制覇を手にしました。
―おめでとうございます!ゴール板過ぎてガッツポーズがでましたね。
兒島:ありがとうございます。もう、やったー!という感じで自然にガッツポーズがでました。5,6着くらいまで横一線になって、かなり接戦だったので、きっちり差すことができてすごく嬉しかったです。
―レースは後ろからになりました。振り返っていただけますか?
兒島:東先生からも、「ゆっくり急かさないで行って」と言われていたので、ペースもゆっくりでしたけど、出たなりでそのまま構えていました。あんまり後ろ過ぎても届かないし、2コーナー過ぎて徐々に上がって行こうと思ってて、3,4コーナーはいい勢いで上がって行ってくれました。コーナーから伸びてくれたことが大きかったです。直線は大外に出したら、さらに伸びてくれて。すごくいい脚を使ってくれました。
―佐賀移籍後、初のS1制覇です。どんなお気持ちですか?
兒島:最高ですね!先生の指示通りに乗れて、しっかりと結果を出すことができて本当に嬉しいです。これまで2着はあったけど、初めてタイトルを獲れてホッとしました。頑張ってくれた馬にも感謝しています。
―今年の4月に名古屋から佐賀に移籍したわけですが、その経緯というのは?
兒島:もう年齢も年齢なんで、そろそろ引退しようかなと思っていたんです。その前に他所でも乗ってみたいということで佐賀で期間限定騎乗をさせてもらって、その時の成績が良かったので声を掛けてもらいました。佐賀の期間限定騎乗が終わったら引退しようと思っていたんですけど、「もったいない!佐賀でやってみたら」と言う風に言ってもらって、本当に感謝しています。
―佐賀にはもう慣れましたか?
兒島:そうですね。名古屋とはレース形態が違いますけど、もう慣れました。内側を開ける競馬も違和感なくできるようになりましたね。周りのみなさんも良くしてくれるので、第二の騎手人生を受け入れてくれた佐賀に恩返しをするためにも、精いっぱい頑張ります!
東眞市先生のお話では、ソウダイショウはここに来て一気に良くなって来ていたとのこと。今後の目標は馬の状態とオーナーと相談して決めるそうですが、しばらくは地元の自己条件を進んで行く予定だそうです。
一番人気ローカルロマンが6着に敗れてしまったので、東先生も「嬉しいけど複雑です...」と、手放しで喜べない様子でしたが、接戦をモノにしたソウダイショウには拍手を送りたいし、今後のさらなる活躍を期待します!
そして、オッズパーク地方競馬応援プロジェクトの1頭であるローカルロマンは、好位追走も伸びきれずに6着という結果に...。
山口勲騎手
「他の馬を怖がる面があるので、内から出られなかったことはキツかったです。かなり遅いペースになって、終始馬込みがバラけることなく外に出せませんでした。それでも、けっこう我慢してくれていたんですけど、直線で追い出してから思ったほど伸びなくて。初めての1750mでしたが、距離的なこともあったのかもしれません。
レースを使いながら少しずついろいろなことを覚えてきてくれていますが、やっぱりもう少し体が欲しいですね。そこが一番の課題だと思います」
東眞市調教師
「人気を背負っていただけに、本当に申し訳ないです。内枠がアダになりました。
血統的にも体的にも芝もこなせそうなので、来年の小倉遠征をしてみたいなという気持ちはあります。ただ、グランダムの3歳シーズンもあるので、馬の様子を見ながら慎重に決めたいと思います」
着順としては6着でしたが、コンマ4秒差とほとんど差はありませんでした。
馬群の中で我慢ができたことは大きな収穫だし、あとは山口騎手の言葉にあるように、食べたものが身になってくればと思います。
今後のローテーションは未定ですが、地方競馬応援プロジェクトの初勝利馬として、これからも無事にがんばっていって欲しいです!!
本日は佐賀競馬場で、2歳重賞『九州ジュニアチャンピオン』が行われます!
*25日佐賀 第11R『九州ジュニアチャンピオン』 1750m 17:15発走*
いよいよこの日がやって来ました。
というのも、オッズパーク地方競馬応援プロジェクトで、グリーンファーム愛馬会との共同企画で競走馬ファンドを始めた初年度の馬たちの中で、一番の出世頭ローカルロマンが出走するからです!
昨年のオータムセールで出会った頃は、線の細い女の子というイメージでしたが、
デビューしてここまで5戦3勝2着1回3着1回と、すべて馬券に絡む活躍を見せています。
最近の姿はこちら。
8月30日JRA認定競走
本当に逞しく育ってくれました。
東先生のお話では、使いながら精神的にも成長して、落ち着きがでてきたそうです。
距離は初めてですが、血統的には問題ないでしょう。
今回、唯一の不安は1枠。
スタートが決まらなかった時は揉まれること必至なので、それだけは避けたいところ。
好スタートを決めて、逃げ切りを期待しています。
対抗は、ビッグダディ。現在1番人気です。
新馬戦を勝ち、前走は一気に距離が延びて1750mに挑戦し、逃げ粘っての2着。
負けはしたものの、キャリア2戦目、一気の距離延長をものともせずに勝負できたことは、今回のレースに繋がった印象です。
鞍上はキングシャーク。
先週の九州大賞典ではハナ差で山口勲騎手を下しているので、2週連続の重賞制覇もあるかもしれません。
そのビッグダディに前走で勝っているのがオスズ。
デビュー戦でビッグダディの2着に負けたあと、なかなか初勝利が挙げられませんでしたが、距離が延びて安定感を増してきました。
前走は好位内でしっかりと我慢し、向正面で内からジワジワと進出すると、4コーナーでは馬と馬の間を割って進出し、ビッグダディをしっかりと捉えて勝利しました。
レースが上手だし、引き続き同じ距離での戦いですから、この馬も侮れません。
◎1、ローカルロマン
〇4、ビッグダディ
▲10、オスズ
△5、ソウダイショウ
名古屋所属のピッチシフターが、引退して繁殖入りすることになりました。
ピッチシフターは2012年に門別でデビュー。
エーデルワイス賞で2着という成績を引っ下げて名古屋に移籍すると、
2歳でいきなり古馬混合戦の「展望プラス 澤ブー賞」を完勝!
競馬展望プラスの冠レースを勝ってくれたため、その後も追いかけてきたわけですが、
ライデンリーダー記念、園田クイーンセレクションと連勝し、阪神のチューリップ賞にも出走。
金沢のMRO金賞、秋桜賞2連覇、東海桜花賞、名港盃と、数々の重賞制覇を成し遂げました。
ダートグレードでも、サマーチャンピオン2着、2年連続かきつばた記念4着と、強豪相手にがんばってくれた馬。
3年連続のJBCレディスクラシック出走を目指していた矢先、脚元の不安で引退を選択することになってしまったのは本当に残念ですが、
管理して来た川西毅調教師に、ピッチシフターの想い出をお聞きしました。
「本当に長い間がんばってくれた馬なので、想い出のレースを一つあげるというのは難しいですけど、そうですね、去年の勢いはすごかったですよね。かきつばた記念で見せ場十分の4着、サマーチャンピオンも2着で、秋のレディスプレリュードは5着でした。とにかく状態が良くて、強い馬たちと戦っても見ごたえのあるレースをしてくれて。
地元の重賞や、地方牝馬同士だと勝って当たり前の存在になってしまったので、勝った時よりも、負けても強かったレースの方が想い入れが強いです。
ダートグレードを獲りたかったけど、獲れなかったのは悔しいですね。
それに、グランダム・ジャパンも獲れなかったのは心残りで...。なまじ強いので、グランダムを獲りに行くローテではなく、サマーチャンピオンに出走する方を選んだので。こういう強い馬は、ローテでも本当に悩まされました。
この馬は我が強いところがあって、調教でも気分が乗らない時は進んで行かなかったり、けっこう難しい面もあったんです。でもレースに行くと本当に一生懸命走ってくれて...。長く厩舎に居ましたから、僕自身も淋しいですけど、ずっと近くにいた厩務員さんが一番淋しいと思います。
これまで、攻めの調教をしてきて結果を出して来たので、ここにきて脚元に不安を抱えて攻めきれなくなってしまったのは大きいです。出れば人気になる馬だし、今までの調教ができない状態で走らせるわけにはいかないなと。本当はJBCまでと思いましたけど、ここで決断しました。
この後は生まれ故郷に戻ってお母さんになるという大仕事がありますから、無事に引退させられて、ホッとしている部分はあります。次はこの馬の子供を育ててみたいです!」
本当に長い間がんばってくれたピッチシフターに、心から感謝しています。
父スズカマンボですから、お相手はどの種牡馬になるのでしょうか♪
二世の誕生が待ち遠しいです!