10名の97期騎手候補生のご紹介、part2です。
大井競馬場
三坂盛雄厩舎所属
大木天翔(おおきかける)騎手
千葉県市川市出身
「勝負服は、赤は縁起がいい色なのと、自分の腕で白星を重ねるために、腕に星を入れました。
目標は、御神本訓史騎手と西啓太騎手です。
1年目でしっかり乗鞍を増やし、勝ち星を増やせるよう頑張ります。よろしくお願いします」
園田競馬場
保利良平厩舎所属
木本直(きもとなお)騎手
兵庫県西宮市出身
「勝負服は、先生の父親である保利良次先生のデザインをいただきました。
特技はピアノで、目標としている騎手は永島太郎騎手と杉浦健太騎手です。
与えられた仕事をきっちりとこなせるジョッキーになりたいです!」
高知競馬場
宮川浩一厩舎所属
妹尾将充(せのおまさちか)騎手 同じく高知の妹尾浩一朗騎手とは血縁関係はありません。
広島県廿日市市出身
「勝負服は、もともとタスキ柄にしたかったので、厩舎カラーの紫を使ってデザインしました。
今年の目標はヤングジョッキーズシリーズのファイナルラウンドで勝つことで、最終目標は2000勝ジョッキーになることです!」
妹尾将充騎手の師匠、宮川浩一調教師。
わたしにとってはセンター時代の1期後輩であり、厳しい時期を一緒に過ごした仲間です。
「調教師として弟子の修了式に来るというのは、感慨深いものがありますね。
競馬場実習に来た時にはまだまだな部分も多かったですが、たくさんの関係者の方に乗せていただきましたし、教えたことをすぐに吸収してだいぶ上達しました。
性格も明るいので、このまま素直に育って、みんなに可愛がってもらえるような騎手になって欲しいです。
将充の勝負服に合わせたメンコも作ってあるんです。紫に白で桜吹雪が入っているデザインで。
デビューが本当に楽しみですね」
しっかり師匠していました!
そんな宮川調教師の姿を見て...わたしも勝手に感慨深かったです。
さて、高知は現在売り上げ絶好調。
廃止の危機に合ったことが幻かというくらい、本当に好調で、賞金諸手当もかなり上がっているのです。
そのことについて伺うと、
「実感はありますね。本当にいい流れに乗れて、たくさんの方々に支えていただいて感謝しています。
きっかけはナイターを始めたことなどいくつかあると思いますが、一発逆転ファイナルレースなど、レースが面白いと言ってもらえるのが一番嬉しいです。
これからもファンの皆さんが楽しんで馬券を買えるよう、一生懸命頑張りますので、高知をよろしくお願いします」
いい流れの高知に、今回一気に3名の新人騎手がデビュー。
新しい風を吹かせてくれそうですね。
高知競馬場
工藤真司厩舎
多田羅誠也(たたらせいや)騎手
大阪府高槻市出身
「勝負服を選んだ理由は、柄は厩舎で統一なので赤岡さんと同じ柄で、色はシンプルでわかりやすものを選びました。
目標は赤岡修次騎手です。兄弟子として近くにいる存在で、偉大な記録も持っているので尊敬しています」
高知競馬場
那我性哲也厩舎
濱尚美(はまなおみ)騎手
広島県廿日市市出身
「勝負服は、自分が体験入所した時に、95期の修了供覧で渡邊竜也さんが着ていたV字がカッコいいと思って、一目ぼれして自分もその柄にしたいと思いました。
赤は自分のイメージカラーと、地元カープの色、黒は一見地味に見えるんですけど、自分の色も引き立てつつ他の色も引き立てるので、自分もそんな騎手になりたいと思い選びました。
目標は、年間500鞍騎乗することです!
若者らしく頑張っていくので、応援よろしくお願いします」
地方競馬全体では、鈴木麻優元騎手以来5年ぶりの女性騎手誕生。
高知では別府真衣騎手、森井美香元騎手(現目迫美香さん)以来、約14年ぶりの女性騎手デビューです。
勝負服の柄や色の意味をここまでしっかりと伝えた新人が過去にいたかな?というくらい、柄にも色にも強いこだわりがあるんだなと。
そして、目標が勝ち星ではなく乗鞍数というのも新鮮でした。
ぜひ頑張って欲しいです!!
27日(水)に、栃木県那須塩原にある地方競馬教養センターにて、
第97期騎手候補生修了式が行われました。
毎年見に行っている修了式ですが、毎年本当に感動するし、とても新鮮な気持ちになります。
97期は12名入所して、2年間の厳しい訓練に耐え、10名が騎手免許試験に合格し、修了の運びとなりました。
それでは初々しい新人騎手をご紹介していきます。
其の壱ではまず5名から。
門別競馬場
小野望厩舎所属
小野楓馬(おのふうま)騎手 ちなみに、小野先生とは親戚関係はまったくないそうです。
北海道日高郡出身
馬産地である静内出身の上、ご両親ともに牧場に務めているそうで、静内農業高校の馬術部出身。
「勝負服は、地元で有名な静内二十間道路の桜にちなんでピンクを選び、他にいない形を選びました。
一つ一つ積み重ねて、技術を身に付けて、今年30勝するのが目標です」
水沢競馬場
酒井仁厩舎所属
塚本涼人(つかもとりょうと)騎手 兄2人も騎手(金沢・塚本隆弘騎手、高知・塚本雄大騎手)
静岡県島田市出身
「騎手の兄たちが活躍している姿を見て、カッコいいなと思って騎手を志しました。
勝負服は黄色が好きなので、主に黄色を使いました。兄たちと同じ黄色になったのはたまたまです。
今年の目標は50勝することです!」
岩手での活躍はもちろん、兄弟3人でのレースも楽しみですね。
浦和競馬場
水野貴史厩舎所属
福原杏(ふくはらまい)騎手
東京都江戸川区出身
97期には女性騎手がいる、という話から、よく福原杏くんが間違えられていたそうですが、男性騎手です!
「名前の由来は聞いてないんですけど、よく女性に間違えられて、今まであまり自分の名前が好きではなかったのです。でも今は逆に注目していただけて、とても好きになりました。
今年の目標は、自厩舎で5勝することです!」
インタビュー後、お母さまに「名前の由来めちゃくちゃ聞かれるから!」と言って笑っていました。
杏と書いて"まい"くん。
珍しい名前で、インパクト大ですね!
笠松競馬場
後藤正義厩舎所属
東川慎(ひがしかわしん)
岐阜県羽島郡出身
「勝負服は父と同じダイヤ柄にしました。目標は渡邊(竜也)さんの1年目の記録を抜くことです!
父に憧れて騎手を目指しました。いつかは父の記録も抜きたいですが...30年騎手やって、2700勝出来ているのか。
実は最初はあんまり父のすごさがわかっていなかったんですけど、今はすごく実感しています。
一緒のレースに乗って勝ちたいです!」
お父さんである東川公則騎手。
普段の競馬の時とは違い、完全に父親の表情をしているのが微笑ましかったです。
「2年前の入所の時にも車で送って来たんですけど、あっという間の2年間でしたね。
背が高くて体重もギリギリだったので、よく頑張ったなと。感慨深いですね。
6人兄弟の5番目で、騎手になったのは一人だけなので、一緒にレースに乗ることを楽しみにしていたんです。
でも今は嬉しい気持ちと不安と、半々という感じで。
親ばかじゃないですけど、応援したい気持ちが強いです。
みんなに可愛がってもらえる騎手になって欲しいですね」
親子対決、どんなレースを見せてくれるか楽しみです。
金沢競馬場
中川雅之厩舎所属
兼子千央(かねこちひろ)騎手
大阪府大阪市出身
「金沢を選んだのは、何年も新人がデビューしていないのと、騎乗チャンスをいただけることが多いと聞いて選びました。
実習で初めて行きましたが、場所もすごくいいですし、人も温かくてとてもいい環境です。
勝負服は金沢ではV字がいないので、自分の好きな赤と黒でデザインしました。
目標は今年50勝することです!」
おなじ"ちひろ"なので、どんな子かなと楽しみにしていました。
とても実直そうで、18歳とは思えない落ち着きぶり。
名ジョッキーだった中川先生のもとで、大きく羽ばたいて欲しいです!
がんばれ、ちひろくん!!
最優秀勝利回数調教師賞
打越勇児調教師
「2012年の開業で7年目でこのタイトルを獲ることができ、感無量です。
雑賀(正光)先生を必死に追いかけてここまで来たので、今回雑賀先生を抜いてここに来られたことが嬉しいです。
父(打越初男元調教師)からの教えというのは、直接あまり話すことはなかったのですが、馬の扱いを人間本位にしてはいけない、馬のことを考えろということを教わりました。
スタッフ、馬を大事にするよう言われてきて、そこは意識しています。
(父の墓前に)リーディング獲れたよみたいなことは報告したと思います。
開業した時には高知競馬の景気が良くなくて、とにかく馬集めに苦労しました。
スタッフとの意思の疎通を大事にして、馬の状態を良く話し合いながらここまで来ました。
今年も去年に近づけるよう、またリーディングが獲れるよう頑張ります。
あと地元の黒船賞を獲りたいですし、他場での重賞も勝ちたいです」
最優秀勝率調教師賞
川西毅調教師
「3年連続6回目の受賞ということでありがたいのですが、去年は重賞を一つも勝てなかったので、これでいいのかなという想いがあります。
重賞にはこだわりがあるので、とても心残りですね。
一つも重賞が勝てず、もう一生勝てないんじゃないかと思った時もありましたが、慌てても仕方ないですし、生き物が相手ですから僕の都合のいいようにはいかないですね。
それに、出走回数も上がっていないんですよ。
勝率は30%くらいならいいかなと思っているのですが、なんせ出走回数が少ないですから、そこはもっと上げていきたいです。
何年も前から収得賞金1億円を目指していて、名古屋でも届かない数字ではないと考えているのですが、なかなか難しくて。
出走回数500走で勝率30%なら、目標達成が見えてくると思うので、今年はそこを目指して頑張ります。
いつもお正月開催はあまり成績が良くないのですが、今年はなぜかいいので(笑)。
この流れを消さないようにいきたいです。
収得賞金1億円、勝ち星は150勝以上、そして大きいところを勝ちたいです。
勝率は後からついてくるものだと思っています」
最優秀勝率騎手賞
山口勲騎手
「6年連続でこの賞をいただけて嬉しいです。
とにかく一つ一つのレースを大事に乗ること、終わった結果がこの数字という感覚です。
多く勝つ秘訣ですか?それは速い馬に乗せてもらうだけです(笑)
もうすぐ4500勝が見えてきましたが、1つ1つが通過点なので。
数字というよりも、また他場で重賞を勝ったり、味のあるレースをしていきたいです。
それで1年終わった時、7年連続勝率トップだったら嬉しいですね。
勝率自体にはそんなにこだわりはないんです(笑)」
優秀女性騎手賞
宮下瞳騎手
「(2年連続10回目の受賞)本当に嬉しいです。周りの方々に感謝しています。
去年は同じ競馬場の木之前騎手と競っていましたので、ギリギリまで受賞できるかわかりませんでした。
今まで以上に、1つでも多く勝ちたいと思っていて、勝利数自体は良かったと思うのですが、わたしはいつも2着が多くて…。
そこがまだまだですし、残念に思います。
正直子育てと仕事の両立は大変ですが、子供の笑顔を見ると疲れも吹っ飛びます。
今、とても充実しているなと感じます。
これまでの女性騎手は、結婚出産で引退してという形でしたが、1度辞めても子供を産んでも復帰できるということ後輩にも伝えたいです。
女性騎手になりたいと思う人が増えてくれたら嬉しいです。
今年も1勝でも多く勝つこと、ポルタディソーニという強い馬に乗せていただいているので、重賞も勝ちたいです。
数字的なことを言うと、年内には800勝を達成して、いつか1000勝を達成できるよう頑張ります」
優秀新人騎手賞
渡邊竜也騎手
「この賞は意識していましたので、素直に嬉しいです。
1年目は減量の勢いがありましたが、2年目は勝つためにどうしたらいいのかすごく考えるようになりました。
ヤングジョッキーズシリーズは僕がデビューした年から始まって、いろいろな競馬場で経験が積めますし、2年連続ファイナルに行けて、JRAでも騎乗できて楽しかったです。
今はまだ特別自信のあるところはないんですけど、笠松は先行有利ですからスタートはこだわっていきたいですね。
去年くらいから重賞にも乗せていただけるようになってきたので、今年は重賞を勝ちたいです」
ベストフェアプレイ賞
赤岡修次騎手
「(6年ぶり3回目の受賞)1番気をつけていれば狙える賞ですし、デビューしてからそこはずっと注意してこだわりを持ってきたので、評価されてとても嬉しいです。
馬に対しては気分よく、真っすぐ走らせることを心がけています。
去年は3500勝を達成できましたし、3,4か月高知を離れている中で、獲れなかったけれどもリーディング争いは接戦に持ち込めて、自分でも驚きました。
2019年も今の状態をキープして、常に他場、南関東でも呼んでもらえるよう頑張ります。
そしてフェアプレイ賞は僕にとって一番欲しい賞なので、常に考えて騎乗していきます」
NARグランプリ2018表彰式~其の壱
年度代表馬・4歳以上最優秀牡馬・最優秀短距離馬
キタサンミカヅキ
北島三郎オーナー
「この賞をいただきとても光栄です。
頑張ってくれたお馬さん、関係者の皆さんに心から感謝しています。
わたしは何もしていないのに、「おめでとう!おめでとう」と言われますので(笑)。
ブラックで2連続JRAの年度代表馬を獲らせていただき、今度はミカヅキが地方の年度代表馬。
人生長くやっているとこんなことがあるのかなと。
わたしは歌をやっている身ですけれども、こういう賞をいただくというのは意外というか。
わたしよりもお馬さんの方が有名になりましたね(笑)。
ミカヅキはJRAの頃はあまり機嫌のいい馬ではなくて、あまりジョッキーたちが乗りたがらなかったんですよ。
そこを武士沢さんにお願いして乗ってもらって、いくつか勝ってくれて。
もしかして環境が変わったら、と考えて船橋の佐藤賢二先生のところにお願いしたわけですが、今度は馬が大人くなっておりこうさんになってくれまして。
ここまで走ってくれて、わたしもびっくりしています。
お馬さんたちは自分の息子のようなもので、ブラックは孫を作ってくれましたから、いつかはミカヅキもそうなれたら嬉しいですね。
今年9歳になりまして、人間で言えばわたしと同じくらいでしょうか(笑)。
でもまだまだ頑張ってくれていますし、とても若いので、今年も楽しみにしています。
(東京スプリントでは、コパノキッキング×藤田菜七子騎手との対戦になるのでは?と聞かれ)
ブラックは負けた相手に必ずお返しをするんですよ。
ミカヅキは根岸Sでコパさんの馬に負けていますから、お返ししなくっちゃ。何より、無事にゴールしてくれたら嬉しいです」
ユーモア溢れる記者会見で、何度も笑いが漏れていました。
9歳になったキタサンミカヅキの活躍も楽しみです!
特別賞
的場文男騎手
「関係者の皆さま、ファンの皆さまのお陰です。感謝の気持ちでいっぱいです。
5000,6000の時には竹見さんの記録はとんでもない数字だと思っていましたし、抜く人は100年経っても出てこないんじゃないかと。
達成できたのは、ファンの声援のお陰です。本当に助けられました。
去年はJBCで京都へ行ったんですけど、わたしも年ですから最後の中央かななんて気持ちもありまして。
でも5レースの新馬戦に乗った時、パドックでたくさんの声援をいただきまして、涙が出るかと思うくらい感激しました。
(記録を達成して)自分としては目的がなくなったというか、ちょっと力が抜けたかなというところもありますが。
でも乗るからには、ファンは馬券を買っていますし、関係者は生活がかかっていますから、力を出せるよう全力投球で頑張ります。
東京ダービーは宿題なんですけれども、もう年なので今年で最後か、来年か、引き際も大切だと考えています。
ただ、ファンの皆さんに応援していただける限りは精いっぱい乗りたいです」
最優秀勝利回数騎手
吉村智洋騎手
「正直嬉しいです。
地元のリーディングも獲ったことなかったですし、森騎手とずっと競っていてヒヤヒヤしていました。
(3月半ばからトップに立って)追われる立場でしんどいなと。
決まった時にはやったなと思いました。周りは僕よりも喜んでくれましたし、本当に嬉しかったです。
(デビュー16年目での全国リーディング獲得)ずっと狙っていましたが、なかなか手が届かなくて悔しかったです。
去年はとにかくたくさんのいい馬に乗せていただきました。
今年獲らなければいけないという気持ちでずっとやっていましたね。
プレッシャーもありましたけれど、そこを勢いに変えてというか。
2年連続で獲れるほど甘い世界ではないですが、今年も狙っていきたいです。
(すでに今年もリーディングトップ)去年で追われる立場は少し慣れましたので、多少は余裕をもって乗れるのではないかと思います。
できたらグレードレースを勝ちたいですし、平場で勝てるところをきっちり勝っていきたいです」