宮崎光行騎手(門別)が、フローラルカップ(1番人気ミステリーベルン)、イノセントカップ(6番人気ヘイセイメジャー)、サンライズカップ(5番人気ティーズダンク)で3週連続重賞制覇をやってのけました!
ホッカイドウ競馬は若手騎手の活躍が目立っていましたが、52歳の大ベテランが改めて存在感を見せてくれましたね。
サンライズカップ優勝時
赤見:3週連続重賞制覇、おめでとうございます!
宮崎:ありがとうございます。馬たちが頑張ってくれたお陰ですよ。
赤見:ミステリーベルンは1番人気でしたけど、ヘイセイメジャーとティーズダンクはそこまで上位人気というわけではない中で、勝ち切ってしまうのがすごいです。
宮崎:2歳戦なので、どうしても前走の成績とかが大きく影響しますし、古馬の人気とは違って、人気のない馬でも力差がなかったりするんです。
その中で、いろいろなことが噛み合って上手くハマってくれたなと。
赤見:2歳戦だからこそ、少しのことで結果に大きく影響すると思うのですが、意識していることって何ですか?
宮崎:ホッカイドウ競馬は2歳戦が主な競馬なのでね、そこは36年も乗っていますから(笑)。
特に返し馬から繊細な馬が多いですから、入れ込んだり、周りを気にしたり。そういう部分はかなり気を使っていますね。
赤見:では具体的にレースを振り返っていただきたいのですが、まずはフローラルカップのミステリーベルンからお願いします。
宮崎:その前のレースで初めて乗せてもらって、逃げてスムーズな競馬で勝たせてもらって。その時に返し馬からカーっとなる馬だなという印象があったので、なるべく落ち着かせるように気を付けました。
レースはポケットに入って、狭いところを抜け出して勝ってくれたから成長を感じたし、強い競馬でしたね。
今まで1200までだったから、1600の競馬も合ったのかもしれません。
赤見:イノセントカップのヘイセイメジャーは6番人気で勝ち切りました。
宮崎:この馬は自厩舎なんですけど途中から乗せてもらってて。
最初は1700mの重賞で4着で終わってしまって、その後JRAの芝に挑戦してダメで。
以前僕の弟弟子(山本咲希到騎手)が乗って栄冠賞で2着に来ていましたし、今回1200mに戻ってやれるんじゃないかっていう気持ちはありました。
赤見:3,4コーナーで先頭を伺うと直線しっかり伸びての勝利。いい勝ち方でしたね。
宮崎:今まではメンコをしていたんですけど、僕2回乗せてもらってちょっとズルい面があるなと。
今回は外して欲しいと言ったんです。それで行きっぷりが変わったみたいで。
赤見:そういうところもベテランの経験値ですね。
宮崎:そうですね。そういう部分は経験を重ねている分、プラスの部分だと思います。
なかなか若い子たちは調教師に助言するというのは難しいでしょ。
そういう意味でも僕なんかは言いやすい立場ですから。
赤見:そしてサンライズカップのティーズダンクは大外から差し切り勝ちでした。
宮崎:あの馬にも以前1度乗せてもらってて、その時は1700mで3着で。
今回特に指示もなく任せてもらえましたし、距離が延びるのは合うと思っていて、人気薄だったし、気楽に乗れたのも良かったかもしれないです。
赤見:今後の可能性というのはいかがですか?
宮崎:3頭ともまだまだ成長する部分はありますし、今後もすごく楽しみですね。
この後は人気になりそうですけど、人気に応えられるよう頑張ります!
赤見:来月53歳の誕生日を迎えますけれども、長く活躍する秘訣はなんですか?
宮崎:体力的にはけっこうキツイですけど、今でもいい馬に乗せていただいていますし、こうやって勝たせてもらうと楽しいです。それが一番ですね。
赤見:では、ファンの方々にメッセージをお願いします。
宮崎:ホッカイドウ競馬は今年あと4週なのでぜひ注目していただきたいです!
2歳馬たちはその後も全国的に活躍していきますから、お気に入りの馬を見つけて応援していただけたら嬉しいです。
10日に門別競馬場で行われたエーデルワイス賞。
地元門別所属のコーラルツッキーが、7番人気という低評価を覆して勝利しました!
管理する田中淳司調教師にレース後のお気持ちを伺いました。
赤見:エーデルワイス賞制覇、おめでとうございます!
田中:ありがとうございます。上手く行きましたね。
前回出遅れて着順落としただけなのでちょっと人気無さすぎかなと思っていて。状態も良かったですし自信はありました。
赤見:これまでの勝利が1000mだったので、1200は若干長いのかなと勝手に思い込んでいました。
田中:そういう風に言われるんですけど、栄冠賞でも3着に来ていますし、前走は出遅れたことが大きかったので。
瞬発力というか切れる脚はないけど、最後までジリジリと伸びてくれる馬です。
逆に1200mの方がゆったりと走らせられる分、いいと思っていました。
赤見:今後距離に関してはさらに伸びてもという印象ですか?
田中:そうですね。今後はローレル賞などのグランダム・ジャパン2歳シーズンのレースを考えていて、
今年の最大目標は暮れの東京2歳優駿牝馬を予定しています。
コーナー4つ回る距離や左回りなど未知の部分もありますけど、また少しずつ教えながらやって行きます。
赤見:エーデルワイス賞が行われた当日は、ハッピーグリンがJRAに移籍するというニュースが出ました。
田中:そうなんですよ。当日の午後に登録抹消の手続きをして、その日の夜にダートグレードを勝つことが出来たので、
コーラルツッキーの頑張りはもちろん、ハッピーが後押ししてくれたのかなって服部騎手と話してました。
いろいろな想いがあって、余計にグッと来たというか。
赤見:ハッピーグリンはずっと地方所属で頑張っていましたが、出走出来るレースがないというのは本当に残念ですね。
田中:現行のルールでは、古馬になるとなかなかJRAに挑戦出来るレースがなくて。
オーナーも出来るだけ地方所属でという気持ちを持ってくれていたんですけど、こればっかりは仕方ないですよね。
これを機にもう少し柔軟なルールになってくれると嬉しいです。
赤見:では、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
田中:いつも応援していただき、ありがとうございます。コーラルツッキーはレース後もとても元気に過ごしています。
また一生懸命頑張りますので、応援よろしくお願いします。
9月1日にロータスクラウン賞を制し、見事佐賀三冠を達成したスーパージンガ。
管理する渡辺博文調教師にお話を伺いました。
ロータスクラウン賞
赤見:三冠達成おめでとうございます!
渡辺:ありがとうございます。調教師になって初勝利を挙げさせてくれた馬で、初重賞を勝たせてもらったことも嬉しかったですが、まさか三冠を獲ってくれるとは...。
ちょっと出来過ぎですよね(笑)。本当に馬に感謝しています。
赤見:以前はスタートがゆっくりで、後ろからの競馬になることが多かったですが、九州ダービー・栄城賞の辺りから、楽にいい位置が取れるようになりましたね。
渡辺:そうなんです。経験を重ねてどんどん成長してくれて。本当にすごい馬です。
高知優駿の後に古馬の重賞である佐賀王冠賞に挑戦したんですけど、ハッピーハッピーという強い馬もいたし、どのくらい戦えるかなという風に思っていたら勝ち切ってくれて。嬉しい驚きでしたね。
赤見:古馬も撃破したあとですから、三冠が掛かったロータスクラウン賞は安心して見ていられたのでは?
渡辺:いえいえ、競馬は何が起こるか最後までわかりませんから。無事に三冠を達成出来てほっとしました。
赤見:その後は14日の古馬とのオープンに出走して、2番手から早め先頭で勝利。今後の予定というのはいかがですか?
渡辺:馬の様子を見つつになりますが、今年は地元に専念して力をつけて、来年グランダムを目指したいと思っています。
赤見:以前、食道が普通の馬より狭く、ご飯を食べさせるのが大変だというお話でしたが、ここ2戦だいぶ体重が増えましたね。
渡辺:今でも食べさせるのは大変なんですが、以前に比べると良くなりました。
やっと食べたものが身になって来ている感じなので、今年は体を成長させることを優先的に考えて、地元でしっかりと経験を積んでいきたいです。
赤見:ではファンの方にメッセージをお願いします。
渡辺:いつも応援ありがとうございます。お陰様で三冠を達成することが出来ました。
来年はグランダムで全国に遠征したいと考えていますので、これからも応援よろしくお願いします。
11日(水)、浦和競馬場にて第98期騎手候補生の修了記者会見が行われました。
志望者数が減り、年1期制となっていた地方競馬教養センター騎手過程ですが、人材確保のために12年ぶりに秋の期を復活。
その復活第一号が98期となります。
同日には無事に免許試験の合格も発表され、晴れて10月から騎手となることが正式に決まった4人。
一人一人の詳細なプロフィールをご紹介していきます。
【岩手所属 関本玲花(せきもとれいか)】
岩手県奥州市出身
関本浩司厩舎
身長152.4cmで小柄なため、なかなか筋力がつかずに入所試験は2度落ちてしまったそう。
中学校を卒業してからは飲食店でアルバイトをしながら試験に備え、「3度目でダメだったら諦めるしかないと思っていた」そうですが、見事合格!
担当教官のお話では、
「努力して体力もつけてきましたし、ここに来て技術がかなり伸びました。根性があるので実戦に行っていいタイプだと思います」ということです。
お父様の厩舎に所属ということで、
「家では普通の親子ですが、競馬場へ行ったら師弟だという自覚を持たないといけないと思っています」と関本さん。
勝負服はお父さんの柄を継いで色違いということです。
「目標とする騎手は木之前葵さんです。競馬場実習は冬場だったので、その間笠松で乗せてもらったんですけど、その時にお会いすることが出来て嬉しかったです。
岩手はもちろんですけど、お世話になった笠松でも乗ってみたいですし、レディースのレースで勝ちたいです!」と笑顔で語ってくれました。
【浦和所属 中島良美(なかしまよしみ)】
大阪府吹田市出身
平山真希厩舎
騎手を目指したきっかけは、「15歳上の姉が競馬好きで、子供の頃に阪神競馬場に連れて行ってもらい、騎手を見てカッコいいなと思いました」。
高校2年生までは大阪の普通高校に通っていたそうですが、高校3年生の時に一念発起。
千葉県成田市にある馬の専門学校インターアクションホースマンスクールに編入しました。
平山真希現調教師以来の、南関東での女性騎手誕生となります。
「平山先生は馬乗りに関してはとても厳しいですが、命が懸かっていることなので当然だと思っています」と中島さん。
南関東でも女性騎手の2キロ減が適用になりましたから、活躍が楽しみです。
担当教官のお話では、
「競馬場実習へ行ってとても成長しましたね。
1期下にも浦和所属の女性候補生がいるので、いい意味でライバル関係が出来るんじゃないでしょうか」
ということです。
ちなみに1期下、99期には浦和と笠松、2人の女性候補生が現在競馬場実習中。
さらに、今年4月入所の101期にも2人の女性候補生がいるそうですよ!
【名古屋 浅野皓大(あさのこうだい)】
岐阜県羽島市出身
今津博之厩舎
浅野くんは期の中で盛り上げ役、まとめ役の中心人物だったそう。
「一番年上というわけではないんですけど、妹がいるからですかね。周りに気を配るのは好きです」とお兄ちゃん的発言。
お父さんが競馬好きで、小さい頃から笠松、名古屋、中京といろいろな競馬場へ行っていたそう。
名古屋での競馬場実習中には憧れの武豊騎手に会い、サインをいただいたそうで、
「もうめちゃくちゃ嬉しかったです。いつか一緒のレースに乗りたいですし、地方馬で中央の馬たちに勝ちたいです!」と力強く目標を語ってくれました。
【佐賀 金山昇馬(かなやましょうま)】
東京都練馬区出身
池田忠好厩舎
東京都出身ですが、佐賀は絶賛新人騎手を募集中だったこと、一昨年デビューの出水拓人騎手が活躍していることなどから、佐賀競馬への所属を決めたそうです。
「初めて佐賀に行った時から雰囲気が良かったですし、すぐに馴染むことが出来ました。ホームシックなどもなかったです」。
ここ数年、騎手不足に悩まされていた佐賀でのデビューということで、こちらまで嬉しくなってしまいました。
出水騎手のように、たくさん乗せてもらってたくさん勝ってくれることを楽しみにしています。
金山くんは視力が悪く、センターの試験を受けるためにレーシックの手術を受けたそう。
「60万円もかかってしまったので、活躍して親孝行したいです」という言葉にはこちらがウルウル...
名前に馬がつくのでご両親が競馬好きかと思いきや、
「親子三代午年なので、馬という字をつけたかったみたいです。昇る馬なので、名前の通り昇って行きたいです!」
ということでした。
10月から各地でデビューする98期生の4名、これから宜しくお願い致します。
修了供覧は角馬場でのカドリールからスタート。
昨年引退し、春から教官となった江川信幸元騎手も、教官として馬場の中から生徒たちを見守ります。
音楽に合わせた演技と、耳目社の大川充夫アナウンサーが生徒たちのメッセージを代読し、厳粛でしんみりとした雰囲気に。
10名息の合ったカドリールを披露し、いよいよ最後の訓練はレース形式で行われます。
第1R『職員に感謝特別』
1枠1番サクシード 多田羅誠也(高知)
2枠2番セリトスガッテン 東川慎(笠松)
3枠3番デイジーデイズ 木本直(園田)
4枠4番ヨザクラオシチ 小野楓馬(門別)
5枠5番ヴェリタスフェスタ 濱尚美(高知)
レースは好スタートを切った木本騎手がハナ、最後まで勢い衰えずそのままゴール。
2着は濱騎手で、後方からロングスパートで追い上げました。
第2R『馬に感謝特別』
1枠1番テンカイチ 大木天翔(大井)
2枠2番モンデスタン 妹尾将充(高知)
3枠3番タイセイマックス 兼子千央(金沢)
4枠4番ノブレジェンド 福原杏(浦和)
5枠5番ペプチドパール
こちらも好スタートを決めた福原騎手が逃げ切り勝ち。
2着は大木騎手が後方から追い込みました。
これで2年間の訓練がすべて終了。
晴れやかな笑顔で集合写真に納まりました♪
みんな明るくてフレッシュ!
教官も交えてパチリ。
そして、超特急で制服に着替え、スーツケースなど荷物をすべて持って、修了式へ。
塚田理事長から修了証書を授与されました。
皆勤賞は塚本くんと多田羅くんの2名。
2年間一日も休まず、怪我もなく、すべての訓練と授業をこなしたというのは立派です。
無事に修了式を終え、全国の競馬場へ帰って行った97期たち。
4月から順次デビューしていくのが楽しみだし、それぞれの初勝利や、ヤングジョッキーズシリーズでの活躍も楽しみです!