今年4月にデビューした高知の多田羅誠也騎手。
昨日まで(2019年12月15日)で44勝を挙げる大活躍を見せています!
赤見:デビューから順調に勝ち星を重ねて、ここまで44勝。順調に来ていますね。
多田羅:ありがとうございます。自分の力ではなくて、たくさんいい馬に乗せていただいているお陰です。
周りの方々によくしていただいていますし、期待もしていただいていると思うので、その期待に応えたいです。
赤見:1番人気馬に乗っても冷静に見えますし、逃げたり差したりと多彩な勝ち方をしている印象です。
多田羅:いえいえ、緊張して焦っちゃう時もあるんですけど。最近は落ち着いて乗れているかなと。
なかなか勝てないレースが続いてしまうと、道中で焦ってしまって。そうなると余計緊張して、どんどんよくない流れになってしまいます。
30勝させてもらうまで、けっこういいリズムで来れたんですけど、31勝になるまでがすごく長くて。あの時は気持ちが焦っていました。
赤見:そこを乗り越えて現在は44勝なわけですが、減量が3キロから2キロになった影響は感じますか?
多田羅:今のところはまだあんまり差は感じていないです。1キロ減になったらまた感じ方が違うかもしれません。
赤見:4月のデビューから半年以上が経ちました。ジョッキー生活には慣れましたか?
多田羅:だいぶ慣れました。毎日けっこう忙しいんですけど、楽しいことで忙しいという感じです。
赤見:初出場だったヤングジョッキーズシリーズでは、笠松と名古屋に遠征しましたね。
高知以外の競馬場での騎乗はいかがでしたか?
多田羅:高知は内ラチからかなり開けて競馬するんですけど、笠松と名古屋は開けないので、いつもと違う感覚で難しかったです。
もっとしっかり結果を出したかったですね。
悔しい気持ちもありますが、普段は一緒に乗らない先輩たちとのレースは楽しかったですし、とても勉強になりました。
赤見:地元高知では、兄弟子である赤岡修次騎手と同じ馬に騎乗することもありますが、赤岡騎手はどんな存在ですか?
多田羅:騎手になって、改めてすごい方だなと思います。
同じ馬に乗っても、道中の持って行き方が上手いし、内容も結果も全然違うんです。
見たり聞いたりしているけれど、なかなか同じようには乗れないですね。
赤見:初勝利は赤岡騎手との追い比べになって競り負かしましたよね?あの勝ち方はインパクトがありました。
多田羅:僕もまさか勝てるとは思わなくて、なんというか、あれ?という感じで(笑)。
すごく嬉しかったです。赤岡さんにも「おめでとう」って言ってもらって。
でも技術では全然追いつかないですね。いつか近づきたいなと思っています。
赤見:好きな戦法はありますか?
多田羅:どちらかと言うと差しが好きです。
赤見:では、今後の目標を教えてください。
多田羅:今後の目標は、目の前のレースを一つ一つ丁寧に乗って、勝ち星積み重ねて行って、将来的には高知で1番を獲れるように頑張ります!
佐賀競馬では5戦5勝と負けなしのミスカゴシマ。
前走は金沢へ遠征し、全国の強豪と戦って2着に惜敗しました。
負けたとはいえ全国レベルの実力を見せてくれて、今後がとても期待されます!
【10/6 九州ジュニアチャンピオンで大差勝ち】
管理する平山宏秀調教師にお話を伺いました。
赤見:ここまで本当に強いレースを見せてくれていますね。性格はどんな馬なんですか?
平山:普段は超素直です。調教でもまったく掛かるところがないですし、とても扱いやすい馬ですね。
赤見:デビューから短い期間で体が約30キロ増えましたね。
平山:この馬は僕が荒尾で厩務員をしている頃からお世話になっているオーナーと一緒に、オータムセールに行った時に買ったんです。
セリで見た時に「大きくなったら走るだろうな」と感じたんですけど、期待通り体も成長してくれています。
今まで遠征では小倉と金沢に行ったんですけど、輸送も大人しくて体が減るということがないですし、牝馬ですがとにかくしっかりご飯を食べてくれるんです。
なので、これからまだまだ成長するんじゃないかなと思っています。
赤見:九州ジュニアチャンピオンは大差で重賞初制覇、続く金沢シンデレラカップでは2番手から踏ん張って2着でした。
平山:地元のレースだとスピードが違って揉まれる競馬をしていなかったんですけど、金沢ではマークが厳しかったし、ああいう展開も初めてでした。
でも怯まずに最後まで頑張ってくれましたし、負けたのは悔しいですけどとてもいい経験になりました。
赤見:今後の予定は決まっていますか?
平山:金沢から帰って来た後もケロっとしていてとても元気なので、大井の東京2歳優駿牝馬も考えたんですけど。
ただそうすると年明けの地元重賞の間隔がかなり詰まってしまうので、現状は地元に専念しようと考えています。
1月19日の花吹雪賞、春の九州ダービー栄城賞を目標にしています。
赤見:では、全国のファンの皆さんにメッセージをお願いします。
平山:生え抜きで強い馬というのはなかなか出てこないので、九州の代表馬になれるよう頑張ります。
お陰様でデビューからここまで順調に来ることが出来ました。
肉体的にも精神面にも不安のない馬です。来年3歳の重賞路線を全部勝ちたいです。
今後も応援よろしくお願いします。
2010年から9年という長きに渡って活躍したウルトラカイザーが、引退することになりました。
生涯成績は65戦37勝。
うち重賞勝ちが14勝、JRA1勝という素晴らしい成績を誇りました。
11月24日(日)には佐賀競馬場で引退式が行われ、たくさんのファンの方々に見送られました。
長年管理して来た、佐賀の真島元徳調教師にお話を伺いました。
赤見:まずは引退式を終えた、率直なお気持ちを教えてください。
真島:あんなにたくさんのファンの方々が集まってくれると思わなかったのでとても嬉しかったですし、改めてウルトラカイザーの偉大さを実感しました。
無事に送り出せるのでホッとしています。
赤見:重賞14勝を挙げ、本当に長い間活躍してくれました。デビューの頃はどんな様子だったんですか?
真島:最初の頃は、脚が長くてスラッとしていて、馬体重も440キロ台だったんです。
能力は高いとは思いましたが、まさかここまで走る馬に成長するとは思いませんでしたね。
古馬になって490キロくらいで競馬をしていましたし、そういう成長力も大きかったと思います。
赤見:先生から見て、どんなところが優れていると感じますか?
真島:やっぱり精神力ですよね。そこは本当に強いと思います。
JRAでも勝っていますし、北海道でも活躍していて、環境の変化にあまり動じないんですよね。
年齢的に一番いい時に脚元がモヤモヤして使えなかった時期があるので、欲を言えばその頃の走りが見たかったなというのはありますが。
それ以外には調教でも普段も手がかからないですし、とても頭のいい、扱いやすい馬でした。
赤見:引退に際して、どんな言葉をかけたいですか?
真島:それはもう本当にお疲れ様ということですね。今までありがとうという感謝の気持ちも強いです。
馬主さんと相談して、今後は種牡馬の道へということなので、この馬の子供が見られる日が楽しみです。
赤見:地方競馬の馬が種牡馬へというのは数少ないですし、本当にすごいことですね。
真島:どのくらいお嫁さんが来てくれるかはわかりませんけど、この馬のタフさと精神的な強さが遺伝してくれたら。
どんな子供たちに会えるか、とても楽しみです。
赤見:では、全国にいるファンの皆さんにメッセージをお願いします。
真島:長い間ウルトラカイザーを応援していただきまして、ありがとうございます。
無事に引退することが出来、この先は種牡馬にチャレンジしますので、今後も温かく見守っていただけたら嬉しいです。
11月14日(木)に名古屋競馬場で行われた東海菊花賞。
1番人気に応えて佐賀のグレイトパールが勝利しました!
今回初めてコンビを組んだ倉富隆一郎騎手にお話を伺いました。
赤見:東海菊花賞制覇、おめでとうございます!
鮫島克也騎手からの乗り替わりで1番人気でもありました。プレッシャーも大きかったのではないでしょうか?
倉富:ありがとうございます。そうですね、プレッシャーはかなりありました。勝ててホッとしましたね。
今回から自分で調教をつけていたのですが、前回までがどういう感じかわからなかったし、
調教ではなんというか、あんまり動じないというか、マイペースなんですよ。
だから本当にこれで大丈夫なのかなっていう不安はありました。
赤見:レースは中団から、最後はいい脚を使って貫禄勝ちでしたね。
倉富:もう前半からずっと追っ付け通しでした。最初っから最後まで追っ付けてましたね。
結果的に勝負所ではしっかりペースアップして強い競馬をしてくれたんですけど、
騎乗している感覚では、上がりの脚を使っている感じがわからなくて...。
というのもトビがものすごく大きいんです。1歩1歩が大きいからスピード感覚が他の馬に乗っている時と全然違っていて。
追い切りでも、先生から「14秒くらいの感覚で乗ったらちょうどいい時計が出るよ」って言われて、そのくらいの感覚で乗ったら上がり12秒台でしたから。
赤見:遠征で重賞を勝つのはグレイトパールにとっては佐賀移籍後初、そして倉富騎手にとっても久しぶりでしたね。
倉富:やっぱり刺激になりますね。僕としても毎朝の調教でいつも以上に気合が入りますし、自厩舎の馬で勝てて嬉しいです。
赤見:鮫島騎手からの乗り替わりというのも大きなプレッシャーですよね。
倉富:そうですね。もうすぐ5000勝近く勝っているすごいジョッキーですから。
ただグレイトパールは自厩舎の馬ですから、いつ自分にチャンスが回って来ても大丈夫なように準備はしていました。
この馬は先生の息子さんである(川田)将雅くんの縁でうちの厩舎に来たんですけど、
鮫島さんが乗っている時から馬のことについて話していましたし、僕も応援しながら見て来ました。
今回も話したんですけど、ちょっと乗り役泣かせというか、とにかく動じないんですよね。
調教中に追い切りが通り過ぎようが、ドシっと構えてますから。
レースではずっと追いっぱなしで、最後は脚がガクガクでしたね(苦笑)。
赤見:遠征で乗り替わりで、しっかり勝ち切ったことは大きかったですね。
倉富:なんだか台本があったんじゃないかっていうくらい、すごく上手く行きました。
将雅くんと話した時に、JRAでの最後の方は、負けてしまって自信を無くしてしまったんじゃないかと。
佐賀に来て心機一転、今回は遠征でも結果を出せましたし、これからまだまだ楽しみですね。
赤見:では、今後に向けての抱負をお願いします。
倉富:急にトップスピードになれるような器用な馬ではないですが、能力は高いですし、佐賀に来て約1年経って、この馬のこともだいぶわかって来ました。
この後は中島記念を視野に入れていくようなので、地元でも結果を出せるよう頑張ります。
これからも応援よろしくお願いします!
今月デビューした岩手の関本玲花騎手にインタビューしてきました!
赤見:まずはデビューおめでとうございます。
関本:ありがとうございます。
やっと最近実感が沸いて来たというか。一昨日(10/12)くらいまでは馬の後ろに入るのも怖くて、上手く馬群の中に入って行けなかったんですけど、やっと昨日くらいから馬群に入れるようになりました。
赤見:それは大きな変化ですね。今は楽しいですか?それとも大変さの方が勝っている?
関本:そうですね、今はまだ楽しいという感じではなくて、とにかく一つ一つのことがきちんと出来ていないので、しっかり出来るようになりたいという気持ちが強いです。
赤見:具体的にはどんなところですか?
関本:例えば、指示通りに乗るとか、あとはコーナーを回るのが苦手でいつも膨れてしまうので、そこをちゃんと回るとか。
赤見:そんな中、初勝利はデビュー3日目(10/7 盛岡第2R 1番人気スカイルーク)、早い段階で勝利しましたね。おめでとうございます!
関本:ありがとうございます。もう引っ掛かって行ってしまっただけで...。本当に馬のお陰です。
あんなに強い馬に乗せていただけたお陰で勝つことが出来ました。本当にありがたいです。
赤見:1番人気に乗った時のお気持ちはいかがでしたか?
関本:前日から周りの人たちに「明日グリグリの本命じゃん」て言われていて、前日からすごく緊張してしまいました。
これで差されたりしたらどうしようとか...。全然気持ちが休まらなかったです。
赤見:それでもスタートをしっかりと決めて、逃げ切り圧勝。素晴らしいレースでした。
関本:全然、全然。馬が本当に強かったので。
赤見:実はわたしもデビュー当時、「この馬で初勝利出来るから」と強い馬に乗せてもらったんですけど、出遅れて3着でした...。きっちり勝利を決めたこと、本当にすごいと思います。
関本:ありがとうございます。勝たせてもらった馬は引っ掛かると聞いていたのに肩ムチを打ってしまって。それで本当に引っ掛かってしまったんです。「やっちゃった...」と思ったんですけど抑えが利かなくて。もう本当に馬のお陰です。
赤見:ゴールした時はどんな気持ちでしたか?
関本:ゴールした時、「あ、終わったんだ」っていう感じで勝った実感とかはなくて。体がフワフワして力が入らなかったです。一つ勝てたことはとても大きくて、気持ちはだいぶ楽になりました。
赤見:お父さんである関本調教師はどんな感じでしたか?
関本:「お前より親父の方が緊張しているよ」ってみんなに言われました(笑)。なので、わたし以上に喜んでいたと思います。ただ、「おめでとう」とは言ってもらいましたけど、「コーナーちゃんと回れ」とか、掛かった時の対処など注意されました。
赤見:さすが師匠。初勝利というのが一つの目標だったと思いますが、この次の目標は?
関本:内容のあるレースをして勝ちたいです。これから一つ一つ丁寧に乗って、勝ち鞍を増やしていけるように頑張ります。これからもよろしくお願いします!