ばんえい競馬の重賞でも特に予想が難しい(と個人的には思う)世代混合重賞。はまなす賞は3・4歳馬の重賞で、経験からいえば4歳馬のほうが有利なはずだが、歴代の結果を見るとそうともいえない。もちろん負担重量差もあってのことだが、世代間のレベル差のほうが大きいように思われる。
たとえば一昨年は3歳馬が3着以内を独占し、昨年は4歳馬が3着以内を独占。つまり今年5歳になった2019年生まれの世代が2年連続で馬券圏内を占めた。しかもその3頭の顔ぶれは全く同じで1〜3着内で順序を変えただけ。そのうちの1頭クリスタルコルドは、今年北斗賞、旭川記念と古馬重賞を連勝。この世代には昨季4歳シーズン三冠を制したキングフェスタという世代王者もいて、この現5歳世代は、メムロボブサップ、アオノブラックら8歳世代に次ぐ黄金世代と言われている。それが、過去2年のはまなす賞の結果を見ても一目瞭然というわけだ。
ただ過去10年のデータで見ると、1着は4歳6頭に3歳4頭、2着は4歳3頭に3歳7頭、3着は4歳8頭に3歳2頭。3着内の合計では4歳17頭、3歳13頭だから、やはり4歳馬のほうが若干有利とはいえそうだ。そのうち牝馬は3歳馬が2着3回、4歳馬が3着1回。出走頭数自体少ないが、牝馬を狙うなら3歳馬。
ジェイライフは前走山鳩賞では1番人気で3着だったが、わずかの差。勝ったクリスタルゴーストが今回は10キロ増になったのに対してこの馬は据え置き。2着だったタカラキングダムは710キロで今回も同重量だが、3歳の軽量馬が加わったことで流れが速くなることが予想され、トップハンデ馬には展開的に厳しくなるはず。ジェイライフの重賞初制覇に期待する。
そしてオープン格付で実績最上位はタカラキングダム。山鳩賞では障害6番手から、勝ったクリスタルゴーストにコンマ3秒差まで迫った。展開次第ではトップハンデでもチャンスはある。
3歳馬の期待はミチシオ。前走A2との混合戦を勝っても引き続きB1格付で670キロ。トップハンデ2頭と40キロ差なら互角以上の勝負が期待できる。
マルホンリョウユウもオープン格付の710キロで、近走タカラキングダムとの対戦ではやや劣勢。ただ逆転できない差ではない。
クリスタルゴーストは山鳩賞を勝ったことでA2格付となり、別定重量増となってどうだろう。
ライジンサンは今季初戦となったばんえい大賞典がトップハンデで7着だったが、障害4番手から残り20mあたりまでは3着争いに加わっていた。1戦使われて状態上向きなら軽視はできない。
◎1ジェイライフ
◯5タカラキングダム
▲9ミチシオ
△8マルホンリョウユウ
△4クリスタルゴースト
△10ライジンサン
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高知のヒロイックテイルは中央から移籍初戦となった名古屋グランプリJpnIIで2着に激走。たしかにノットゥルノの大逃げに他の中央の有力馬が翻弄されるなど展開に恵まれた面もあったが、それにしてもヒロイックテイルより前にいたキリンジや長距離得意のディクテオンら中央勢を完封したのだから、元中央オープンの実績はダテではなかった。地方馬同士のレースは今回が初めてになるが、あらためて実力が試される一戦。金沢の舞台で鞍上に吉原寛人騎手を確保できたことは大きなアドバンテージだ。
北海道のスワーヴアラミスも中央時にはダートグレード3勝の実績馬。大井移籍後は初戦の特別戦を勝ったのみだが、重賞でもたびたび2着3着に好走し、昨年の日本テレビ盃JpnIIでもウシュバテソーロの3着と健闘した。北海道移籍後も、南関東時代と同じように勝ちきれていないが、前走マーキュリーカップJpnIIIでは中央馬相手にメンバー中もっとも重い別定58キロを背負って地方馬最先着の5着は評価できる。今回別定戦となってはいるものの、牡馬は全馬57キロで同重量ならチャンスはある。
パワーブローキングは中央オープンで頭打ちとなって船橋移籍。初戦のA2特別は太め残りでも快勝したが、前走マーキュリーカップJpnIIIでは前述した5着スワーヴアラミスからも大きく離されて12着。移籍後は2度目の遠征で、地方馬同士ならもっとがんばれていい。
高知のガルボマンボは、昨年11月の黒潮マイルチャンピオンシップ以来勝ち星がなく、昨年前半までの勢いが感じられない。ただ昨年末の高知県知事賞ではユメノホノオと一騎打ちを演じており(2着)、2000メートル以上の長丁場は能力を発揮できる舞台だ。
アンタンスルフレは昨年秋、北國王冠、東海菊花賞、さらに南関東に移籍して金盃トライアルまで3連勝。長距離での強さを見せたが、その後はいまひとつ。金沢では北國王冠を連覇しているだけに、得意の舞台で復活なるかどうか。
エアアルマスは中央から川崎に移籍後、短距離を中心に使われているが、中央時代は1800メートルでの勝ち星もあり、あらためて距離延長でどうか。
◎6ヒロイックテイル
◯8スワーヴアラミス
▲7パワーブローキング
△4ガルボマンボ
△2アンタンスルフレ
△3エアアルマス
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盛岡では今年に限らず、天候や走路状況によって芝のレースがダート変更になることはそれほど珍しいことではないが、このレースがダート変更となるのは26回目の歴史で初めてのこと。今年、盛岡の2歳戦が芝で行われたのは7月14日第1レースのファーストステップが唯一。したがってここには芝を使われた馬は出走していない。
出走9頭中4頭の北海道からの遠征馬がやはり中心となる。
キングミニスターはデビューから3戦、1700メートル戦のみを使われている。フレッシュチャレンジを勝ったあとの2戦はやや差をつけられての敗戦が続いているが、4着だった2戦目の勝ち馬リコースパローは22日のブリーダーズゴールドジュニアカップを制し、2着だった前走ウィナーズチャレンジの勝ち馬ソルジャーフィルドはブリーダーズゴールドジュニアカップで1番人気に支持され2着。門別の2歳中距離戦で最上位の2頭と戦ってきたことになる。他の北海道からの遠征馬が、いずれも短距離での実績ということもあり、距離適性的にもこの馬が最上位といえる。
キエティスムもフレッシュチャレンジを勝ったのみだが、4着だった2走前の勝ち馬エイシンマジョリカは中央芝のクローバー賞に挑戦して6着。7着だった前走の勝ち馬エターナルウインドはデビュー戦2着のあと3連勝中。やはり門別のトップレベルの馬たちとの対戦だった。今回は距離延長がこなせるかどうか。
キングリーエアーもフレッシュチャレンジ勝ちで、前走も勝ち馬とコンマ8秒差の4着だった。ただ2走前の1700メートル戦でキングミニスターと一緒に走っての大敗があるだけに、距離適性がどうか。
地元勢では若鮎賞を6馬身差で圧勝したサウザンドマイルか、前走フューチャーステップで僅差の2着だったミヤギヴォイジャーだが、ともに盛岡ダート1600メートル戦で、走破タイムは1分43秒台。実施時期は3カ月後だが、盛岡ダート1600メートルの南部駒賞の過去5年の勝ちタイムを見ると、もっとも遅くても1分40秒1。そのタイム差を考えると、北海道勢が相手となって勝ち負けまではどうだろう。
◎6キングミニスター
◯1キエティスム
▲3キングリーエアー
△2サウザンドマイル
△5ミヤギヴォイジャー
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