花吹雪賞でのグラインドアウトの8馬身圧勝には驚かされた。10月のネクストスター高知、11月の土佐寒蘭特別、ともに大きな差をつけられての着外だっただけに、いまの高知競馬のレベルの高さもあるのだろうが、12月10日の2歳-3組戦での2着は、勝ったバウンティキャットが金の鞍賞や土佐春花賞でともに3着だから、グラインドアウトもそのあたりで力をつけたと考えられる。今回のル・プランタン賞は、花吹雪賞ですでに経験した舞台。そのときの勝ちタイム1分58秒0は、ル・プランタン賞の過去10年の勝ちタイムとの比較でも2番目に相当するタイム。連勝の期待は大きい。
相手筆頭は地元のケンタッキーグレイ。花吹雪賞は差のある7着だったが、その後は3歳の特別戦で4戦連続3着以内と好走を続けた。ダバイカンティークにはどうしても勝てなかったが、不在となった前走を勝利。距離短縮で勝ったようにも思えるが、門別時代は1700メートルのウィナーズチャレンジで2着があり、2走前の波戸岬特別(1750メートル)でも2着だったので距離はこなせると見る。
兵庫のクライムエンジェルは、兵庫クイーンセレクションこそ9着惨敗だったが、スタートで後手を踏んで先行できなかったがゆえの凡走で、参考外としてよさそう。続く前走兵庫3歳牝馬特別は好タイムで2着に好走した。鞍上の廣瀬航騎手は、黒船賞JpnIIIではタイガーインディで3着、そして3日の菊水賞ではオーシンロクゼロを勝利に導くなど絶好調。その鞍上の勢いもプラスになりそう。
もう1頭兵庫から遠征はフェリシス。2歳時には中央の芝挑戦で着順こそ6着だが勝ち馬とコンマ5秒差という好走もあった。3歳初戦の前走3歳AB特別では3着だが、休み明けを叩かれての上積みがあればここでも勝負になりそう。あとは距離延長に対応できるかどうか。
そのほか地元勢で、中央未勝利から転入して6戦オール3着以内のプラティア、前走でそのプラティアにクビ差2着だったフランキンローズらは、一気の相手強化でどこまでやれるか。
◎5グラインドアウト
○6ケンタッキーグレイ
▲12クライムエンジェル
△9フェリシス
△10プラティア
△2フランキンローズ
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2歳時、圧倒的な強さで5連勝のフジユージーン。大井の京浜盃に出走という情報もあったが、地元で5カ月ぶりとなる復帰戦を迎える。南部駒賞では、門別で重賞を制していたオスカーブレインに4馬身差をつける圧勝。地元同士なら負けられない一戦だ。
相手筆頭は、8月のビギナーズカップでフジユージーンに2馬身半差2着があったリトルカリッジ。その着差は、これまでのところフジユージーンにもっとも迫った馬となっている。11月の太夫黒特別、そして年末の金杯と連勝しているだけに、ビギナーズカップ時より確実に力をつけた。あとは3歳初戦での仕上がりがどの程度か。そしてフジユージーンを脅かす場面があるかどうか。
サクラトップキッドは、デビューから2連勝で臨んだ南部駒賞は5着だったが、地元勢では勝ったフジユージーンに続いて2番目での入線。1番人気に支持された金杯はリトルカリッジの3着だったが、巻き返しがかかる一戦。
サンエイキャノンは、冬期休催明けの3歳A級戦(水沢1600メートル)で5馬身差の圧勝。ひと叩きしたアドバンテージで上位を狙う。
◎3フジユージーン
◯1リトルカリッジ
▲4サクラトップキッド
△5サンエイキャノン
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ダート競馬の体系整備によって大井で行われていたTCK女王盃JpnIIIが園田に移設され兵庫女王盃JpnIIIと名称変更。これまで牝馬限定のダートグレードは東日本のみで実施されていたが、そのひとつを西日本に移した。中央勢にとっては小回りの園田コースに対応できるかもひとつポイントになりそう。
実績最上位は、昨夏に名鉄杯を制して以降充実ぶりが目立つアーテルアストレア。レディスプレリュードJpnII、クイーン賞JpnIIIと地方のダートグレード2勝に、JBCレディスクラシックJpnIで3着。そのJBCレディスクラシックJpnIで先着された2頭が前日の川崎記念JpnI出走で不在となれば期待は大きい。しかしながら右回りには不安があり、レディスプレリュードJpnIIを勝ったとはいえ長い直線が味方してのもの。果たして小回り園田の右回りでどうだろうという疑問があり対抗評価まで。
そして本命は、地方初参戦だがサーマルソアリングの未知の魅力に賭けてみる。ダートに転向して3勝クラスまで3連勝。前走初オープンの総武ステークスでは2着に敗れたが、逃げ馬を負かしに行ってうしろから来た馬に差されてという展開的なところがあった。地方初参戦で園田コースがこなせるかはやってみないとわからないが、牡馬相手のオープン特別で好勝負なら、牝馬限定のダートグレードでも通用する能力はある。
大井に移籍して2戦目となるキャリックアリードはここまでデビューからダートのみ8戦してすべて3着以内。2月のクイーン賞JpnIIIでは勝ったアーテルアストレアから離されての3着だったが、神奈川記念では直線追い込んできわどい2着があり、その持ち味が生かせればチャンスはある。
ヴィブラフォンは神奈川記念を制して以来4カ月ぶりの実戦となるのがどうか。地元期待は牡馬一線級相手に園田金盃を制したスマイルミーシャ。11月のクイーン賞JpnIIIを制し、2月のクイーン賞JpnIIIでは4着だったライオットガールには巻き返しのかかる一戦。
◎9サーマルソアリング
◯5アーテルアストレア
▲8キャリックアリード
△2ヴィブラフォン
△4スマイルミーシャ
△7ライオットガール
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ミスターダーリンは、菊水賞トライアルでウェラーマンと一騎打ちとなって直線半ばで屈して2着に敗れたが、これまで8戦して3着以内を外したのは一度だけ。園田ジュニアカップでは目標にしたクラウドノイズを直線でとらえようかというところで、後ろからきたマルカイグアスに差されての2着。勝ちきれない面はあるものの、常に高いレベルで能力を発揮している。勝つという本命ではないが、連軸としてなら中心視できる。
グランレザンドールは中央未勝利から転入して2連勝。初戦が8馬身差の圧勝、続く前走は直線半ばで先頭に立って突き放す完勝。しかしながら中央では4戦してすべて勝ち馬とは2秒程度離されており、転入後もやや楽なメンバーとの対戦。とはいえこのレースとしてはめずらしく重賞勝ち馬がいないというメンバーなら一気に頂点に立つ可能性もある。騎乗停止中の下原騎手に替って山本咲希到騎手がどんなレースを見せるか。
菊水賞トライアルでミスターダーリンを競り落としたのがウェラーマン。園田ジュニアカップでは直線脚が上がって6着に敗れたが、それ以外の3戦はいずれも完勝といえる内容。前走休み明けを勝った勢いなら一気に重賞突破も期待できる。
モンゲーギフトは2歳12月のデビューから一方的なレースぶりで3連勝。菊水賞トライアルでは1番人気に支持されたものの、一騎打ちとなった▲◎から離されての3着。デビュー戦から16kgという馬体減の影響も考えられ、輸送のない園田なら巻き返しは可能。勝つのはここまで4頭のどれか。
オーシンロクゼロは11月のデビューから3連勝。今回3カ月ぶりの実戦となるのは馬運車での輸送が課題で姫路開催は自重したためとのこと。一気の相手強化でどうか。
トウケイカッタローは、デビューから2連勝のあとネクストスター園田では、勝ったマミエミモモタローにクビ差2着の接戦。ただその後、距離延長となって好走までという成績だけに距離が課題となりそう。
◎1ミスターダーリン
◯7グランレザンドール
▲2ウェラーマン
△6モンゲーギフト
△5オーシンロクゼロ
△3トウケイカッタロー
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